ホントはしたいエコハウス | さとるパパの住宅論

ホントはしたいエコハウス

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一口にエコハウスといっても、通風を重視した開放的でおしゃれな住宅から、ZEH のようなハイテク住宅まで、実にさまざまです。

中には、エコハウスとは名ばかりで、実際には環境負荷の高い住宅もあります。そんなエコハウスの真贋を見分ける力を付け、環境への影響を真剣に考えるなら、『エコハウスのウソ 増補改訂版』は必読です。

しかし、環境問題を本気で考えているのは学者や国の役人が主であり、現実には「環境問題は二の次で、安く快適な住宅に住みたい」という人が多いように思います。『ホントは安いエコハウス』は、そうした声にもうまく応えた良本です。

私はというと、大学で環境学を専攻したほど「環境意識高い系」であったはずなのに、省エネの反対を行く高エネ住宅に住んでしまっています。ソーラーパネルを設置していないので創エネもしていないし、全館空調の電気代をみればエネルギーを浪費しているとしか思えません。

なぜ、こうなったのか。

反省を込めて、もっともらしい言い訳を考えてみたいと思います。

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太陽光発電への反感

環境学を学んだものとして、再生可能エネルギーには過度な期待はできないという認識でしたが、同時に好感も持っていました。ところが、固定買取価格制度(FIT)で買取価格が高すぎたことにより、太陽光発電には「消費者を犠牲にした投資」という疑いの目で見るようになってしまいました(現在の買取価格は適正化されています)。

住宅の屋根で慎ましく発電することは本来望ましいことなのに、ごく一部の営利企業のメガソーラーによって環境破壊が発生したり、再エネ賦課金が家計を圧迫したり、太陽光発電の買い取り中断や出力制御が必要になったりと、理想と異なる複雑な状況になってしまったことは本当に残念です。

わが家で採用しなかったのは、ただ単に設備の管理や更新が面倒とか、外観上の理由からですが。

『スモール イズ ビューティフル』なのに…

もう一つの失敗は、建て替えで建物代しか払わなくていいからといって、家を広くしすぎてしまったことです。E.F.シューマッハーが 1973 年に『スモール イズ ビューティフル』で警鐘を鳴らしていたことも忘れて。(そんな大層なことではありませんが)。

広い住宅で全館空調を行えば電気代がかかるのは、考えてみれば当然のことです。

参考 断熱性能(Q値)から冬の暖房費用を推計するツール

高断熱=エコという錯覚

最大の過ちは、自らの無知です。

「高断熱住宅は冷暖房費がかからないのでエコになる」、そう信じていた自分が馬鹿でした。同じ暖房方式での比較であれば、高断熱ほど暖房費がかからないのは本当です。しかし、全館冷暖房を行う場合、そう単純な話ではありません。

全館空調の電気代が安いというハウスメーカーの広告を見たときは、「本当かいな」と思いながらも、心のどこかで安く済むのではないかと期待してしまいました。

高額な電気代の請求を見たときも、暖房費って高いものだから、年13万でもそれほど高くないのでは、と勘違いしていました。

また、『最高の断熱・エコ住宅をつくる方法』を読み、Q 値 1.6 なら全館暖房と個別間欠運転の暖房エネルギーが変わらないので問題ない、と解釈してしまったのも浅はかでした。これは全館冷房は別であること、個別間欠運転の暖房費は使い方しだいであることに、もっと注意を払うべきでした。

日射熱取得があれば暖房費は意外とかからないかも、と期待したのも楽観的すぎでした。

本当、いろいろなことを見落としていました。これらの問題は、このサイトで考えをまとめていて初めて気づいたことばかりです。

わが家が ZEH(ぜいたくエネルギーハウス; 補助金は出ません)になったのは、そんなわけなのです。

いまさら省エネにしようと思っても、簡単にできるものではありません。多少お金がかかっても、CO2 排出量の多さに心を痛めても(?)、一度味を占めてしまった快適さは捨てられません。家は小さくできません。

もっと真剣にエコハウスについて検討している方に、同じ過ちを繰り返してほしくありません。失敗を元に考えた以下の記事がお役に立てば幸いです。

参考
全館空調の電気代がルームエアコンよりも安いというトリック
1世帯当たりの年間冷暖房費はいくらか?【全国平均】
空調方式ごとの断熱レベル(Q 値)と暖冷房エネルギーの関係
高断熱住宅ほど冷房費は高くなる?
24時間全室暖房の暖房費は本当に個別間欠暖房より安くなるのか
高断熱住宅は本当に光熱費のかからないエコハウスなのか
日射熱による暖房費節約効果を消費電力と日射量計算から推定する

追記:これは3年前に書いた記事であり、エコハウスに対する現在の私の認識は若干変わりました。「環境対策を重視しすぎること」による弊害が大きくなってきている現状を憂慮しており、何事もバランスが大切と思っています。
エコハウスという言葉に感じる違和感

コメント

  1. 山本 より:

    さとるぱぱさん

    いつも楽しくブログを拝見させて頂いてます。
    高気密高断熱住宅を目指している山本です。

    ハイレベルなブログ内容にいつも興味深々です。
    スモールイズビューティーの件ですが、我が家は狭小3階建てで、
    6畳部屋の寝室に3人で川の字になって寝る予定なんですが、CO2濃度
    を考慮すると24時間換気の何倍も換気しないといけないので、ロスナイミニの全熱交換式
    を2基設置するか間を取って1台にするか悩んでます。

    さとるパパさんは、どのように工夫されたんでしょうか。

    突然の質問で恐縮ですが、お知恵を拝借できないでしょうか。

    • さとるパパ より:

      コメントありがとうございます。
      寝室は換気不足になりやすく、かといって6畳に2台はやや目立つし、大型にすると騒音も気になるので悩ましいところですね。ロスナイの使用経験もないのでどちらがよいとは言えませんが、換気に詳しくロスナイを使っている新潟「緑の家」の標準は 2 台のようです(参考1参考2)。
      わが家(ダクト式第一種換気)は三井ホームや空調メーカーに提案されたままで、何も工夫していません。CO2 濃度も不明ですが、とりあえず自覚症状はないです。

      • 匿名 より:

        さとるパパさん

        ご返信ありがとうございます。
        蚊の侵入については、考慮してませんでした。

        ありがとうございます。

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