YKK APの洋風すだれ「アウターシェード」を数か所の窓に設置し、4年が経ちました。
4年経っても大きな劣化はなく、採用したことには満足していますが、実際に使ってみてわかった注意点や、他の日射遮蔽法との違いについて、気づいたことを書いておきたいと思います(追記:約8年経っても健在です)。
同様のすだれはサッシ各社から販売されている(リクシルの「スタイルシェード」など)ので、共通することも多いかもしれません。
なお、アウターシェードは2018年にリニューアルされている(詳細)ため、わが家は旧タイプです。
このようなサンシェードの主なメリットは以下のとおりです。
- 日射遮蔽効果が高い
- 外付けブラインドより安い
- すだれより長持ちする
- 暗くならず、採光、通風もできる
パッシブハウスジャパン前理事の松尾先生の著書『ホントは安いエコハウス』(紹介記事)でも「建て主からみれば費用対効果の非常に高い建材」として紹介されています。
製品の機能や外観、特長などは YKK AP のページをご覧ください。
私の思う注意点は以下のとおりです。
出しっぱなしにするものではない
この製品は一時的に使用するタイプであり、出しっぱなしにするものではありません。
取扱説明書を読むと、外出時や就寝時、降雨時などには収納してくださいとの注意点が記述されています。
しかしわが家では、夏期、一部の窓で出しっぱなしにしてしまっています。ものぐさなので。。
出しっぱなしにすると何がいけないかというと、以下の問題があります。
大きいサイズほど風に弱い
軒や庇(ひさし)と異なり強く固定されるものではないため、強風に耐えることはできません。
本体にも注意書きがあり、「木の葉がたえず動く、または紙がまい上がるような風が吹いている時はスクリーンを収納してください」とのこと。
強風時に出しっぱなしにしていると、フックから外れて暴れてしまうことがあり危険です。
このフックは引っ掛けるだけの構造で遊びがあるため、少しの風でカタカタと音が鳴ります。対候性のあるゴムバンドなどで固定すれば音はならなくなりますが、やはり就寝時には収納しておくべきなのでしょう。
この風に対する強さは、サイズと設置方法によります。人が出入りできるくらいの大きな掃き出し窓などでは、月に何度かある風の強い日には使用できません。
風の影響は、斜めではなく、窓に平行してぴったりと引き出す場合には、受けにくくなります。
そのため、1m 四方くらいのサイズ感で窓に平行して引き出す場合には、台風でも来ない限り、出しっぱなしで問題になることはあまりありません(推奨も保証もできませんが)。
カビが生えることもある
4 年目にして初めて気づいたことですが、梅雨明けに使ってみたら、生地がシミでまだらになっていたので驚きました。
栄養分が付着したまま梅雨で多湿な状態が続いたことにより、カビかなにかが繁殖してしまったのでしょう。
明るい色のシェードを使用している場合は特に汚く、結構目立ちます。
中性洗剤を付けた雑巾でほとんどは除去することができましたが、このことを機に、お手入れの大切さを思い知りました。
秋以降には使用しなくなるので、その際には毎年必ず掃除し、よく乾かしてから収納するようにしたいと思います。
アウターシェードの向き不向き
日射遮蔽にはさまざまな方法があり、アウターシェードにも向き不向きがあります。
アウターシェードを設置する方角
アウターシェードが特にお勧めなのは、西日対策です。
窓に沿って引き出すことができるため、軒や庇ではカバーできない低い太陽高度からの日射遮蔽に向いています。
東方面に使用してもよいですが、朝は気温も室温も低いため、東日(ひがしび?)は生活上あまり問題になりません。
南方面はどうかというと、あまりお勧めではありません。夏の南方向は太陽高度が高いため、軒や庇による日射遮蔽のほうが簡単で手間がかかりません。軒や庇は、太陽高度の下がる冬の日射熱取得をジャマすることもありません。
アウターシェードと相性の良い窓タイプ
窓との相性も重要です。
アウターシェードは窓タイプによっては室内から上げ下げできず、不便だからです。
その点、引き違い窓であれば、よほど高所でない限り室内からカンタンに上げ下げすることができ、便利です(気密性などのデメリットもありますが)。
滑り出し窓でも設置できないことはないようですが、何度も上げ下げする必要があることや、メンテナンスが必要なことを考えるとお勧めはできません。
とはいえ、1 階で外から管理できる場合や、ベランダがある場合には、少し手間なだけで問題はありません。フィックス窓(はめ殺し窓)も同様でしょう。
アウターシェード以外の日射遮蔽
2階西面の窓の日射遮蔽は意外と難しい問題です。大きい窓では何らかの対策が必要ですが、上記のようにアウターシェードが向いていないケースもあるからです。
そのような箇所でまずできるのは、遮熱型の Low-E ガラスを使用することです。その上で、日中から(電動)シャッターを下ろすことも効果的です。
遮熱できるカーテンや遮熱フィルムなどを使用することも、室外側より効果は低いものの、多少の効果は期待できます。
わが家でさらに行っている西日対策は、成長の早い陽樹を植えることです。
コナラやクヌギは公園でドングリを拾って育てればタダだし、トトロばりに祈っていれば数年で 2 階まで成長することができます。成長しすぎても困るので、ある程度成長したら、ノコギリで切ってシイタケ栽培をすることもできます(今年着手予定)。切ってもまた生えてきます。
難点は、虫がやや付きやすいことと、どこに伸びるかわからず、ちゃんと日射を防いでくれるか不確実なことです(致命的?)。あくまで補助的な対策と考えています。
わが家ではまた、アウターシェードのほかに、ヒモで固定するタイプのシェードも活躍しています。庭で遊ぶときや、西日の入る駐車場などで使っています。アウターシェードよりも付け外しが面倒ですが、何個かあると便利です。
すだれという選択肢もあり、傷みやすく長持ちしないことが欠点ですが、近年はさまざまなタイプのものが販売されているようです。
後付けもできるアウターシェード
以上、アウターシェードのメリット・デメリットを紹介しましたが、アウターシェードが用途に合う場合には、総合的にお勧めです。見映えもよいですし。
アウターシェードを設置したい場合、新築なら建築会社に依頼すれば設置してくれることでしょう。
後付けでアウターシェードを付けたい場合も、リフォームで対応は可能です。
→ アウターシェード工事の事例・見積もり(外部サイト)
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