高気密住宅は、ゴキブリが侵入しにくい住宅です。ゴキブリの侵入経路を塞ぐプロの動画などをチェックしていると、ゴキブリは 2mm ほどの隙間があれば侵入できるようで、配管の隙間をパテやテープで埋めていました。
住宅の気密化でも配管周りの処理は重要で、やっていることは結構重複しています。つまり、外界とつながる隙間の少ない(=高気密な)住宅は、ゴキブリの侵入経路が少ない、ゴキブリの出にくい住宅でもあるということです。
わが家は細部まで高気密な住宅ではなかったため、築後に気密を改善しようといろいろやってみました。問題の配管周りは、床下から見た限り、ウレタンフォームで既に塞がれているように見えたので、特に対策は行いませんでした。
でも、きちんと隙間が埋まっていないのか、気密対策をそれなりに行った後も、ゴキブリの発生が止まりません。
わが家において、中型以上のゴキブリが頻繁に出ることは珍しいことで、どこかに原因となる侵入経路があるはずです。いったいどこから侵入しているのだろうかと思っていろいろ調べた結果、その一部はわかったので、ご紹介したいと思います。
その経路は、仮にC値ゼロの高気密住宅だとしても侵入経路になりうる箇所でした。
使わない水道からゴキブリが侵入する!
結果から書くと、わが家でやや成長したゴキブリが侵入していた場所は、トイレ脇の手洗い場の排水管でした。
わが家はタンクレストイレを採用しており、便器の後ろの手洗い器がないため、便所のサイドに小さな手洗い場を設置しています。
トイレで連日ゴキブリが出ていた頃、ふとその手洗い場を見ると、ゴミのついたゴキブリが手洗い場のボウルの中でひっくり返っていました。(死んでいると思って捨てようとしたら急に動き出してギョッとしましたが、なんでゴキブリはそんなひどいことをするのでしょうか?)
明らかに、手洗い場の排水管の中を通って上がってきたばかりという感じです。排水管内のゴキブリについて調べてみると、やはり排水管にゴキブリが多数生息していることは業者にとってよくあることのようです。
しかし、現代の住宅の排水管にはトラップ(S字の配管など)があるため、たとえゴキブリが排水管にいたとしても、通常なら上がってくることはできないはずです。
S字のトラップは、”封水” と呼ばれる水が貯まって下水の空気やゴキブリの通路をふさぐ仕組みです。これが機能していないということは、封水が乾燥して干上がってしまったのでしょう。
「封水蒸発防止剤」というものが空き室管理や長期不在時のために売られているくらい、封水は重要な存在です。
そういえば、トイレ脇の手洗い場は、何カ月も使っていません。別に手を洗わないわけではありません。洗い場が小さくて使いにくく、使うと掃除箇所が増えて面倒なので、家族全員、用を足した後は洗面所に移動して手を洗うようになったからです。
トイレ脇の手洗い場を使うのは来客くらいなので、ゴキブリを呼び寄せるくらいなら、もともと設置しなくてもよかったかもしれません。
ひとまずゴキブリの侵入経路がわかったので、使わない水洗はゴム栓でふさぐことにしました。
その後は無事、トレイ付近でゴキブリを見かけることはなくなりました。
トイレに限らず、水道は使っていないとトラップが機能せず、害虫の侵入を許してしまうことがある、ということが、今回の教訓です。
ただ、それでもまだ、小さいゴキブリは主に水回りで出没します。この原因は特定できていませんが、やはり配管の隙間を徹底して塞いだほうがよいのかもしれません。
その他、高気密でもゴキブリが侵入する経路
隙間のない高気密住宅において、ゴキブリの侵入箇所は基本的に少ないはずですが、上記の排水管のように、気密性能では測れない侵入経路もあります。
C値を測る気密試験では、窓を閉め、通常の換気経路(給気口、排気口)をふさいで試験を行いますが、これらの経路は実際の生活では外界と通じる穴であるため、ゴキブリの侵入経路となる可能性はあります。
虫の侵入が気になる場合には、以下の点などを確認しておいたほうがよさそうです。
- 給気口に網やフィルタが付いているか
- 換気扇は常時回転するなど、侵入できないようになっているか
- 使っていない穴が密封されているか
- 窓を開ける場合、網戸とサッシの間などに隙間ができていないか
換気口に使える防虫用フィルタは、以下のようなものが販売されているようです(第一種換気のわが家では使えません)。使用する場合は、目詰まりすると換気量が落ちてしまうのでご注意ください。
コメント