APW330(アルミスペーサー)とサーモスXの表面温度と結露について

あけましておめでとうございます(遅すぎ)。

昨夏、こんな記事を書きました。

樹脂スペーサーとアルミスペーサーの断熱性能差は大きくないが…

33文字にまとめると、「断熱性能差は大きくないけど、樹脂スペーサーは結露が少ないからお勧め」という内容です。

実際に表面温度にどう差が出るのかも書きたかったのですが、内外温度差の大きい冬にチェックしないとわからないことなので、保留にしていました。(そもそも夏に出す記事内容ではないですが、当サイトの記事内容は季節感無視です。)

そしてこの正月、十分寒いときに、樹脂スペーサーのサーモスX を採用している親族の住宅に合法侵入できたので、その際に窓の表面温度をチェックしてみました。その結果を、わが家の窓の測定値とともに紹介したいと思います。

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各窓の表面温度と結露について

以下の各窓の結露状況について紹介します。全部ペアガラスです。

  1. APW 330(YKK AP社の樹脂サッシ、わが家はアルミスペーサー仕様)
  2. エピソードII(YKK AP社のアルミ樹脂複合サッシ、アルミスペーサー)
  3. サーモスX(リクシル社の高断熱アルミ樹脂複合サッシ、標準で樹脂スペーサー)

外気温と室内空気の条件

最初に測定条件を説明します。
結露が発生するかどうかは、外気温と、室内空気の温湿度の条件が大きく影響するためです。

外気温室温室内湿度室内絶対湿度露点温度
わが家の測定条件123.750%10.7g/㎥12
サーモス家の測定条件2.520.945%8.2g/㎥7.9

絶対湿度はこちらで計算しました。
露点温度とは、室内空気の一定の絶対湿度に対し、それ以下になると結露が発生する温度のことです。

わが家のほうが室温が高いので窓の表面温度もやや高めになりますが、わが家のほうが結露が発生しやすい環境ということです。

詳細 空気線図でわかる相対湿度と絶対湿度、結露と乾燥の関係

APW 330の表面温度と結露

まず、わが家の窓から紹介します。アルミスペーサー仕様樹脂サッシの状況は、こんな感じです。

下側のガラス面の隅にだけ、少量の結露が発生しています。

この部分の表面温度が 10.6℃であり、露点温度以下なので、結露が発生して当然です。
ガラス中央部分の表面温度は 19℃もありました。
ガラスを支える枠(フレーム)部分の表面温度は、箇所によりますが、13~17℃くらいでした(結露なし)。

つまり、温度を高い順に並べると、窓ガラス>フレーム>アルミスペーサー周囲 となります。アルミスペーサーが断熱のボトルネックとなっていることがわかります。

スペーサー2面に挟まれている隅部はアルミスペーサーの影響を最も受けやすいので、最も温度が低くなり、結露が発生しているわけです。

エピソードIIの表面温度と結露

一方、より断熱性能の劣るエピソードII(アルミ樹脂複合サッシ、アルミスペーサー)はどうでしょうか。
断熱性能が劣るといっても、熱貫流率 U=2.33 W/(㎡K) ほどの性能はあります。

(※以前に撮影した画像です)

こちらは、下側ガラス面の隅だけでなく、フレーム表面や、フレーム際のガラス面まで結露が発生しています。
表面温度を測定すると、隅部分は APW 330 とほぼ変わらず 10.8 ℃であり、フレーム部分の表面温度は 9~15℃ほどでした。

温度を高い順に並べると、窓ガラス>アルミ樹脂複合フレーム≒アルミスペーサー周囲 となります。

フレームに元々アルミが使用されているので、フレーム全体が断熱の弱点となっており、アルミスペーサーが特に悪影響を及ぼしているということはないようです。

サーモスXの表面温度と結露

最後は、アルミ樹脂複合サッシとしては高断熱な、サーモスX(樹脂スペーサー)のデータです。

写真はありませんが、下側ガラス面の隅の表面温度は 10.2℃でした。
外気温や室温などの環境が違うので、わが家と直接比べることはできませんが、あまり変わりません。
また、フレーム部分は非常に幅が狭く測定困難でしたが、スペーサー周囲とほとんど変わりありませんでした。

温度を高い順に並べると、エピソードIIと同様、窓ガラス>アルミ樹脂複合フレーム≒樹脂スペーサー周囲 となります。

フレーム自体が断熱の弱点なので、樹脂スペーサーは若干の断熱改善効果はあっても、結露にはあまり影響しないのでしょう。

とはいえ、エピソードIIと比べるとフレーム面積が非常に小さく、アルミ樹脂複合サッシとしてはよく工夫されているなと感心しました。

結露は発生していませんでしたが、これは我が家より絶対湿度と露点温度が低いためであり、APW より断熱的に優秀ということではなさそうです。

サーモスX の住人は以前、「今の家では結露が発生しない」と話していましたが、これは暮らし方(室温や加湿するかどうか)の問題のようです。私のように絶対湿度 10g/㎥ 以上を目指して加湿するとしたら、エピソードIIよりマシなレベルで結露が発生することでしょう。

なお、障子がある和室の窓もチェックしたところ、結露が発生していて、隅にカビが少し発生していることも確認できました。人様の家で嫌な奴ですが、測定すると 7℃であり、やはり露点温度以下となっていました。

これは、障子になかなかの断熱性があるために、窓と障子の間の空気が冷えるからです。断熱は窓の内側で行うべきではない、と昔から書いているのはそういうわけです。

参考 窓の断熱シートやハニカムシェードがお勧めできない理由

そういうわけで、結論をまとめます。

  • 樹脂サッシの窓においてアルミスペーサーが結露の原因になる
  • 結露が発生するかどうかは住み方しだい
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その他気づいたこと

今回の測定では主にガラスの下隅に注目しましたが、実はもっと温度が低い箇所がありました。
引き違い窓の下枠レール付近や、引き違い窓の交差部分です。

ここの温度は 4℃くらいの箇所もあり、外気温にかなり近いことがわかります。指をあてると、はっきりと冷気を感じることができます。気密がとれていないことによる、すきま風です。

しかし、結露は発生していません。外気が継続的に侵入している箇所に触れるのは乾燥した外気であり、水蒸気を多く含む室内空気ではないからでしょう。ただ、下枠のフレームを冷やす一因にはなっていることでしょうし、断熱的に歓迎できることではありません。

「開くタイプの窓が望ましい」ということを改めて実感しました。

参考 引き違い窓のデメリット【気密・断熱性能、虫の侵入】

ちなみに今回の測定に使用したのは、以下の安価な放射温度計です。こちらで紹介して以来、電池を交換してまで使いまくっています。

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