戸建住宅の壁には分電盤や情報分電盤(マルチメディアボックス)があり、壁に穴が開いています。
この穴は気密性能に影響はないのでしょうか。また、穴を埋めるにはどうすればよいのでしょうか。
分電盤の隙間と影響
『本音のエコハウス』p.101 に昭和60年頃の戸建住宅(C値12、床面積100 ㎡)の気密測定結果が載っています。これによると、分電盤の隙間は C 値で 0.54 ㎠/㎡相当とのことなので、床面積をかけると 54 ㎠ もの隙間があったことになります。
最近の住宅の分電盤ではさすがにそこまでの隙間はないと思いたいですが、分電盤のカバーを開いてみると、以下のように、壁には結構大きな穴が開いています(主に赤丸で囲んだ部分)。
それでも、わが家の場合、分電盤が設置されているのは外壁面ではなく内壁なので、内壁の内部が外界に対してちゃんと密封されていれば、問題はないはずです。問題は、室内外に圧力差が生じたときにそこから外気が侵入するかどうかです。実際の隙間の面積と、気密性能における隙間相当面積は同じではありません。
そこで試しに、室内を負圧にした状態(室内の窓を閉じて給気口を養生テープでふさぎ、レンジフードを強で運転)で、分電盤の隙間をチェックしてみました。
すると、穴からスースーと空気が入ってくるのが感じられます。つまり、内壁も配線の穴などが密封されておらず、分電盤が外気の出入口になっているということです。残念…
分電盤の隙間対策と効果
本来は、外気が内壁に入る箇所を塞ぐのがベストです。しかしわが家では、それがどこなのか特定できないので、次善の策として、分電盤の穴をふさぐことにしました。
築前であれば、特注品の高気密仕様の住宅分電盤(以下詳細)を採用したり、
分電盤用気密部材(以下)を採用する方法がよさそうです。
ただこれらは築後に交換するのは大変そうなので、少しでもマシになればいいかなと、粘土のようなパテで埋めることにしました。
安価なただのエアコン用パテではなく、不乾性・電気絶縁性・耐熱性のある以下のシールパテを使用しました。
なお、わが家の場合、情報分電盤(マルチメディアボックス:光回線や LAN やハブがつながっている)というものもあり、これも分電盤と同様、壁に穴があり、負圧時に風が流れます。
ここも同じくパテで塞ぎました。
2カ所で 1kg のパテをちょうど使い切る感じでした。
適当にやったので、隙間を全部ふさぐことができたとは思えませんが、前後の簡易気密測定でドア開放力が少し増えたので、少しは効果があったと思っています。
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