ツーバイシックス工法とは | さとるパパの住宅論

ツーバイシックス工法の優れた特長とデメリット

近年着実に増えているツーバイシックス(2×6)工法とは何でしょうか。ツーバイフォー(2×4)とは何が違うのでしょうか。また、どのような特徴があるのでしょうか。

ここでは概要を簡単に紹介し、さらに詳しく説明しているページへのリンクを掲載しています。

概要

木造枠組壁工法の一種

ツーバイシックス工法は、木造枠組壁構法の一種です。木造枠組壁構法はアメリカから輸入された工法で、ツーバイフォーとも呼ばれています。技術が公開されているオープン工法となっており、日本へは三井ホームが1974年に導入しています。

木造枠組壁構法 - Wikipedia

特徴1:高い耐震性

柱や梁などの線を中心とする木造軸組工法(Wiki)と異なり、面材で箱をつくるような構造となっています。

面構造の工法は、鉄骨構造と比較しても耐震性能が非常に高いことが特長です。

面構造と軸組工法
世の中にはさまざまな工法がありますが、木造は主に面構造(モノコック構造、箱型構造)と軸組工法に分けられます。 面構造には、三井ホームをはじめとする枠組壁工法(ツーバイフォー、ツーバイシックス)、ミサワホームに代表される木質パネル接着工法があ...

枠組壁構法の住宅は、近年の熊本地震においても優れた実績を残しています。大地震が起きても大きな補修をせずにそのまま暮らせるというのは他の工法では難しいことです。

熊本地震におけるツーバイフォー住宅の被害状況
震度7を2回も記録した熊本地震でのツーバイフォー住宅の被害について調査しました。倒壊した事例もありますが、ほとんどの住宅ではそのまま住み続けられるほど少ない被害で済んでいるようです。

特徴2:高気密・高断熱に対応

鉄より熱伝導率が低い木を材料とし、面をつなぎ合わせる構造としていることから、高気密・高断熱に対応しやすい工法と言えます。高気密・高断熱住宅には多くのメリットがあります。

家計にも身体にも優しい高断熱・高気密住宅
高断熱・高気密住宅のメリットは何でしょうか。 まず第一に、省エネルギーで環境にやさしいことです。冷暖房にかかるエネルギーが小さく済むので冷暖房費が安くなるのは当然のことですが、よく知られていない重要なことがあります。ある一定の断熱性能を超え...

その他の特徴

その他の特徴は以下のとおりです。

  • 設計・施工がマニュアル化され合理的
  • 高い耐火性(標準で火災保険料が安くなります)
  • デメリット

  • 大きな開口部は取りにくい
  • ツーバイフォーは間取りに制約があり自由度が低いと言われる理由
    ツーバイフォー(枠組壁工法)は間取りの自由度が低く、リフォームや設計において制約があると言われることがあります。ツーバイフォーを提供していた住宅会社が木造軸組工法のラインナップも用意していることがよくありますが、それは軸組工法のほうが自由度...
  • 日本で対応できる業者が限られる
  • 枠組壁工法(ツーバイフォー)の長所と短所
    ツーバイフォーは世界では一般的な工法ですが、日本では木造軸組工法の工務店が多く、現在は木造住宅の2割強を占める程度です。しかし、その優れた特徴から、日本でも1970年代に導入されて以降、着実にシェアを伸ばし続けています。ツーバイフォーについ...

    ほかに耐久性などの問題が挙げられることもありますが、在来工法が一番だと思っている方の偏見による誤解が多いと感じます。

    ツーバイフォーとツーバイシックスの違い

    ツーバイシックス(2×6)とは、2インチ X 6 インチの枠材を利用することから付いた名前です。ツーバイフォー(2×4)と比べると、壁が分厚いという違いがあります。これにより耐震性能が少し上がるだけでなく、断熱材の厚みが増すことで断熱性能が向上します。

    ツーバイフォーとツーバイシックスの耐震性能・断熱性能の違い
    木造枠組壁工法は一般にツーバイフォー(2x4)と呼ばれ、2 インチ x 4 インチの断面の枠材を主に使用しますが、最近では 2 インチ x 6 インチのツーバイシックス(2x6)工法を標準とするハウスメーカーが増えています。壁の厚さが 89...

    高耐震と高断熱を最も低コストで実現できる工法

    ツーバイシックス工法は特別な材料や技術を使用しないため、建築費用が低く抑えられます。ツーバイ工法を代表する三井ホームの坪単価が高いので誤解されがちですが、三井ホームでも使用している材料はごく一般的な規格製材であり、本来は低コストな工法です。

    三井ホームの壁に使用している構造用合板
    これは、三井ホームの我が家(ツーバイシックス)の外壁下地に使用されていた構造用合板のラベルです。構造用合板はJAS規格で定められていて、以下の記載があります。 各項目について見ていきましょう。 寸法:9.0 x 908 x 2630 mm ...

    ツーバイシックス工法は壁の厚みがあるため、外断熱なしで実現できる断熱性能は他の工法より優れています。このため、高耐震と高断熱を最も低コストで実現できる工法と言えます。

    低コストで高断熱・高気密を実現する仕様
    高くなりがちな高断熱・高気密仕様を安く実現するにはツーバイシックスがお勧めです。木造軸組工法で高断熱・高気密にする方法についても検討しています。

    他の工法との比較

    木造と鉄骨の工法の比較について紹介しています。

    鉄骨住宅 vs. 木造住宅
    大手ハウスメーカーには鉄骨のプレハブ工法やユニット工法を採用しているところが多数あります。鉄骨というと強いイメージがあるため、多少高くても耐震性を最重視する人にとってヘーベルハウスなどは根強い人気があります。ここでは、当サイトで重視している...

    木造住宅の工法には次の種類があります。

    木造住宅の 4 つの工法
    木造住宅の工法は、各企業が独自の名称を付けていることが多いため、わかりにくくなっています。実際のところは類似の工法がほとんどで、境界が微妙なところもありますが、大別して次の 4 種類に分けられます。 それぞれについて解説します。 木造軸組工...

    面構造と木造軸組工法の耐震性の差について、ミサワホームを例に説明しています。

    ミサワホーム木質系とミサワMJホームの耐震性能を比較する
    ミサワホームは木質系と鉄骨系の注文住宅を展開しています。木質系は昔から木質パネル接着工法を採用していましたが、最近では「MJウッド」という金物を使用した木造軸組工法もローコストなラインナップとして子会社から売り出しています。MJウッドには、...

    面構造の工法では、軸組工法や鉄骨工法と異なり、制震・免震などが必要ありません。

    制震・免震は必要か
    「制震」とは、地震を受けても建物の揺れを抑える技術のことです。「免震」とは、地盤と絶縁するなどして、地震力を受けないようにする技術のことです。これらはオプションになっていることがありますが、付けるべきものなのでしょうか。 免震については、実...

    ツーバイフォー業者の一覧

    日本ツーバイフォー建築協会のページで会員企業を検索できます。

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    COFI(カナダ林産業審議会)が運営する以下のサイトでも検索できます。

    さくらのレンタルサーバ
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