全館空調の電気代(2017年1月~12月) | さとるパパの住宅論

全館空調の電気代(2017年1月~12月)

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三井ホームの我が家で採用した全館空調(東芝スマートブリーズ・プラスII)の 1 年間の電気代を紹介します。三井ホームの営業担当者から聞いた話では、毎月 1 万円程度となり、年間 10 万円を下回る家もあるとのことでしたが、我が家の結果は次のとおりでした。

1月 853kWh 14,356円
2月 752kWh 13,223円
3月 688kWh 12,578円
4月 322kWh 7,688円
5月 188kWh 5,934円
6月 336kWh 8,203円
7月 640kWh 13,645円
8月 577kWh 12,798円
9月 339kWh 8,833円
10月 228kWh 6,669円
11月 427kWh 9,595円
12月 640kWh 12,770円
年間 5990kWh 126,292円
月平均 499kWh 10,524円

一日あたり 346 円です。上記の電気代は、以下の条件で発生したものです。全館空調の電気代は、条件次第で大きく変わります。全館空調の採用を検討している方は、詳細までご確認ください。ちなみに 2018 年の電気代も公開していますが、まずはこちらの記事をお読みください。

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条件

電気代の範囲:全館空調単独

上記は全館空調システムのみにかかる電気代です。他の家電等の電気代は含みません。また、我が家はオール電化ではなく、太陽光発電による売電もないため、給湯、炊事のガス代などは別途発生しています。ちなみに、この全館空調システムには、温度調節だけでなく、24時間連続運転の熱交換換気(月間消費電力:85 kWh)、除加湿、空気清浄の機能も含まれています。

家の大きさ:44坪相当

冷暖房にかかる電気使用量は家の空間の広さに比例します。我が家は延床面積 40 坪に加え、階段とは別に吹き抜けが 4 坪あるため、44 坪相当の空間ということになります。延床面積 35 坪であれば、電気使用量は 2 割ほど少なくなるかもしれません。なお、三井ホームの天井高は標準で 1F が 265cm、2F が 240cm と高めの設定なので、その分、冷暖房費もかさむことになります。

立地:関東南部

我が家は東京と変わらない温暖地にあります。東北などでは必要な電気使用量は何割か増すでしょうし、より暑い地域では夏の冷房代が増えるおそれがあります。

日射熱も冷暖房に大きく影響しますが、我が家の南面の窓は多くできなかったため、冬の日射熱取得はあまり多くはないでしょう。夏はあまり日射が入らないようにしています。南面の窓を大きく取れる場合は暖房費用を抑えられるかもしれません。また、夏に侵入する日射熱が多いと、冷暖房費用がかさむ可能性があります。

参考記事:日射の管理で実現する省エネ住宅

電気料金制度:低圧電力

三井ホームの全館空調システムにはデンソーと東芝の2種類があります。東芝の場合、空調専用の電気使用契約(低圧電力)を結ぶため、電気料金は通常の従量電灯契約と併せて 2 種類の請求が来ることになります。この契約では、基本料が毎月 3 千円ほどかかりますが、1kWh あたりの単価が 15.51 円と安く設定されています(7月~9月の夏季は 17.06 円)。だいたい、月に 240 kWh 以上使用するのであれば、通常(1kWh あたり 28 円程度)より安くなります。なお、節約してもあまり安くならず、たくさん使ってもそれほど高額にはならないという特徴もあります。

低圧電力を利用できない全館空調の場合、基本料が安くて単価が高いことになるため、上記の電気料金よりも電気使用量をベースに電気料金を考えることをお勧めします。

追記:電力自由化により、さまざまな料金プランを選ぶことができます。我が家の場合、こちらのサイトを参考に東電の従量電灯プランを別の電力会社に変更し、月千円以上節約できる予定です。低圧電力も自由化はされていますが、こちらを参考に試算したところ大きな差がなかったため、東電のままにしました。

参考記事:いまさら電力会社を切り替えてみた

断熱性能:UA=0.46程度

三井ホームのカタログでは標準仕様の UA 値(外皮平均熱貫流率)が 0.43 となっていますが、これは窓が少ないモデルで計算した試算値です。実際に建てられる家の UA 値は 0.5 を超え、Q 値は 1.9 程度となるでしょう。

参考記事:カタログのQ値、UA値は当てにならない

我が家の場合、正確に計算したわけではありませんが、標準仕様よりも断熱性能の高い窓シリーズ(APW330)にアップグレードしており、外気に面していない壁があるため、UA 値で 0.46、Q 値で 1.6 くらいではないかと推測しています。全館空調を行う場合、電気使用量は Q 値にほぼ比例するものと思われます。三井ホームの標準仕様の場合、電気使用量は 2 割くらい増えると推測することができます。

参考記事:UA値、Q値が冷暖房費に比例しない理由

運転の節約状況

節約すれば電気使用量は少なくなりますが、我が家は冬は 23~24 度、夏は 25 度くらいにしており、特に節約していません。日中は設定温度を緩和するなど試行錯誤してみましたが、消費電力にあまり差がないようなので設定はあまり変えていません。冬の設定温度を低くすれば節約にはなりますが、足元が寒いと不快なのでお勧めできません。

また、梅雨や夏に除湿運転を行う場合、部屋の温度を下げないで除湿を行う再熱除湿を利用すると、電気使用量が多くなります。説明書によると、再熱除湿の消費電力は弱冷房除湿の約 1.5 倍とのことです。弱冷房除湿にすれば良さそうですが、高断熱住宅では冷房が止まっている時間が多く、止まっている時間は除湿されないため、部屋の湿度が上がってしまいます。わが家は洗濯物を部屋干ししているため、梅雨時や 7 月はこの再熱除湿を利用することが多く、電気代が高めになっているものと思われます。

全館空調の電気代は高いか

3人家族の電気代として月 2 万円台(家電等も含む)は高い方だと思いますが、暖房に灯油代やガス代がかかっていないことと、得られる快適さを考えると、それほど高くはないとも思います。我が家の場合、昨年は床面積が約半分のマンションでエアコンとオイルヒーター、ホットカーペットを使用していて冬季の電気代が月 2 万円を超えていたため、冬の負担額はあまり変わっていません。

三井ホームの全館空調の電気代をググってみると、冬季は 2 万くらいかかっている方が結構います。低料金で抑えている方は設定温度を低くしていたりしますが、上記の通り快適さを損なうことになります。我が家のピーク料金がこの程度に収まっているのは、窓のグレードをアップしたことが大きいと思います。窓のグレードアップには追加費用がかかりますが、結露が減って快適性が増し、電気代が安くなるため、長期的に見れば元を取れるのではないでしょうか。

それにしても、再エネ発電賦課金がだんだん増えているのは気がかりです。現在は燃料費が安いため相殺されていますが、今後原発を停止したまま原油価格が上昇したり円安になったりしたら、大幅に電気料金が上がる可能性があります。電気の使用量はなるべく抑えたいものです。

なお、新築して最初に迎える冬は建物本体の蓄熱がないため、暖房費がかさんでいる可能性があります(三井ホームは基礎断熱ではなく床断熱ですが)。来年は下がる可能性もあるため、来年のデータも取って確認したいと思っています(2018年2月追記:特に変化はありませんでした。蓄熱が影響するのは基礎断熱の場合のみのようです)。

参考:一条工務店の全館床暖房との費用比較

参考までに、一条工務店の全館床暖房と暖房費用を比較してみます。一条工務店のシミュレーションによると、全館床暖房(44.5 坪)の寒冷地での 2 月の灯油代は連続運転で月 2 万 1 千円になるとあります。東京などではこの 7~8 割程度になるとのことなので、約 1 万 6 千円になると推定されます(追記:温暖地では電気ヒートポンプ方式のようです。コメント欄参照)。我が家は一条工務店ほど断熱性能が高くありませんが、暖房費用はこれより安く収まっています。エアコンの方が暖房のエネルギー効率が優れているためだと思われます。

参考記事:エアコン暖房が低コストである理由

全館空調のその他の費用

全館空調には、初期費用、電気代以外にも、メンテナンス契約やフィルター代などの費用がかかります。故障時も大きな出費が予想されます。これらすべての費用については次の記事で紹介しています(三井ホームの場合)。

三井ホーム・全館空調のメンテナンス費用と総費用
三井ホームの全館空調(東芝スマートブリーズ・プラスII)にはメリット・デメリットがありますが、問題はお金です。お金を気にしなければ採用するメリットの方が大きいとは思いますが、コスパはやはり重要です。三井ホームでは過半数の人が採用するようです...

その他関連情報

冬の電気代を推定できるツールを作成しましたのでご利用ください。

断熱性能(Q値)から冬の暖房費用を推計するツール
全館暖房を行った場合の 1 カ月の暖房費用(エアコン電気代など)を推計するツールを作成してみました。 誤差が生じる要因はいろいろとあり、例によって結果は保証できかねます。が、高断熱住宅で全館空調やエアコンの連続運転による全館冷暖房を検討して...

全館空調についての疑問(カビ、結露、乾燥、臭い、運転音、メンテナンスなど)については次のページをご覧ください。

全館空調に関するまとめ(記事紹介)
三井ホームの全館空調「スマートブリーズ」(東芝)を採用した経験から、全館空調の導入を検討している方に向けてさまざまな疑問に答えたいと思います。全館空調にはメリット・デメリットがあるため、慎重に検討し、よく納得したうえで採用するかどうかを決め...

コメント

  1. 伊豆川達也 より:

    さとるパパさん こんにちは。
    もうじき日本も全館暖房が当たり前の時代になると思います。
    それにはランニングコストの比較が一番説得力がありますね。
    さとるパパさんのこの記事での一条工務店の全館床暖房とのランニングコストの比較ですが、読んでみると一条工務店の床暖房が灯油での比較になっています。 「寒冷地」とあるので、北海道などのエリアでは灯油で床暖房を運用しているのかもしれませんが、関東やそれ以南ではヒートポンプによる温水床暖房が装備されているはずです。
    双方ヒートポンプでの暖房なので、電気代での比較ができればより現実的なのではないでしょうか。 宜しくお願いします。

    • さとるパパ より:

      コメントありがとうございます。
      一条工務店の床暖房は、寒冷地では灯油ボイラー方式、温暖地では電気ヒートポンプ方式と分かれているのですね。公式サイトのコストは灯油代のみが紹介されていたので見落としておりました。

      ヒートポンプでの暖房となると、エコキュートを導入するオール電化となり、料金プランも変わってきます。また、電気代が減っても初期費用や更新費用が増えるため、単純な比較は難しいかなと思います。
      同じヒートポンプでもエコキュートでは放熱があり、効率も 3 倍程度となるため、エアコンよりは若干効率が劣ります。運用次第ではありますが、電気代は灯油代と同程度になるのかなと思っております。

      今後、関連記事を一部修正させていただきます。ご指摘ありがとうございました。

  2. カズ より:

    さとるパパさん こんばんは。

    日常生活でかかる高熱費など情報をのせていただくと参考になります。

    当方は、17年完成 建売(ローコスト)をメインとした会社で注文建築しました。

    2階建て138平米 オール電化 太陽光約5W 一応 長期優良の認定は受けています。

    断熱材は、その会社の標準仕様 窓 屋根材は、Low-e+アルゴンガス 遮熱グラッサ 
    に変えてもらいました。

    光熱費 約20000円/月 (太陽光の売電費含まず)

    空調は、各部屋独立のエアコンのみ(冬場もエアコン)生活人数 大人2人

    自分としては、結構かかっているという印象です。

    高断熱の家と比較させていただければと思います。

    断熱に関して 自分の考えとしては 1に壁厚(パワーボートなど) 2に窓を小さく、少なくだと思います。

    ウレタンとかLow-eとかあまり効果的でない気が…
    (トリプルガラスは気になりますが、透過率とサッシの重さが)

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