1世帯当たりの年間冷暖房費はいくらか?【全国平均】

「〇〇を導入すると暖房費が年間 xx%も安くなる」という広告をよく目にしますが、実際のところ、家庭で年間の(冷)暖房費は平均的にどのくらいかかっているのでしょうか。

上記のような広告では比較元の暖房費がシミュレーション結果であることが多く、当てになりません。

暖冷房費は、世帯員数、暖房方式、寒冷地かどうか、マンションか戸建か、高断熱かなどの条件しだいで大きな差が出ることではあります。しかし、1 世帯当たりの年間冷暖房費が日本全国の平均でいくらなのかは、知っておいて損はない目安にはなります。

検索してもわからなかったので、独自に推計してみました。大雑把な計算なので、間違いがないかどうか、推計の過程も確認しつつご覧いただければ幸いです。

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推計の過程

元データとしては、資源エネルギー庁の「家庭のエネルギー消費の実態」に載っていたグラフを利用します。家庭部門の世帯当たりのエネルギー消費量と内訳を示している 2009 年度のデータです(古くてすみません)。

出典:資源エネルギー庁

このグラフデータを元にして各暖房器具の年間エネルギー消費量(MJ:メガジュール)を割り出し、それにエネルギー源ごとの単価を乗じたのが以下の計算表です。

エネルギー源ごとの単価についてはこちらのページの情報を採用し、「ガス」は LPG と都市ガスの平均値、「その他暖房機器」は石油と電気の平均くらいの単価を採用しました。電気の単価が高く見えますが、実際にはエアコンが最も低コストな暖房です(参考記事)。

この計算によると、1世帯当たりの年間冷暖房費は約 3 万円です。

しかし、世帯当たりのエネルギー消費量のデータには、冷暖房のエネルギー消費量の割合がより大きく、もっと新しいデータもあります(下図、資源エネルギー庁の別のデータ)。

この新しいデータを元に、冷暖房器具の内訳は先ほどと同じとし、冷房はすべてエアコン(電気)に含まれるものと仮定して再計算すると、1 世帯当たりの年間冷暖房費は 3 万 7 千円になります(暖房 3 万 1 千円、冷房 6 千円)。

内訳は以下のとおりです。

こちらのほうが実際に近い金額のような気がします。

思ったより少ないと感じたかもしれませんが、暖房費は給湯、家電、ガスなどを含む光熱費の一部でしかないので、この程度なのでしょう。

この数字を覚えておけば、「年間暖房費が 4 万円以上節約できる(のですぐ元を取れる)」といった広告に疑問をもつことができます。参考までに、APW330 の広告におけるシミュレーションでは、東京の戸建住宅の年間冷暖房費は、アルミペアガラスの場合で約 6.7 万円、樹脂サッシの APW330 の場合で約 5.2 万円(-21%)だそうです。戸建住宅のほうが集合住宅より広く暖房費が高いことを考えても上記の結果よりはやや高めに思えますが、節約額に関してはなかなか現実的なシミュレーションだと思われます。

地域ごとの冷房、暖房費の差異については、以下のページを読むとよくわかります。

電気とガス併用の方がお得?灯油も含めた用途別の料金比較など
このページでは、ガスと電気、灯油の単価比較や、安全面、環境面なども交えながらガス併用とオール電化の比較をした上で、将来を見据えたお家のエネルギー利用の計画を考えるためのポイントなどをご案内しています。

例えば関東なら、冷暖房費は全国平均より 1~2 割少なくなります。

エアコンなどの暖房費が実はあまりかかっていない、というような誤解は多く、次の書籍にはそのような事例が豊富にわかりやすく紹介されているのでお勧めです。

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