全館空調を止める場合のエアコン計画を考えてみた | さとるパパの住宅論

全館空調を止める場合のエアコン計画を考えてみた

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全館空調は快適なものの、いろいろと高コストなので、長期的に見ると微妙です。将来的に、給気ダクトが汚染した場合などは使用を止めることも検討しています。全館空調を止めた場合の「換気計画」については以前書きましたが、今回は暖冷房計画について考えてみたいと思います。

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全館空調を止める場合の想定

わが家では、全館空調を止めたとしても、家中温度差の小さい快適な生活を手放すつもりはありません。そのためには、エアコンは間欠運転ではなく連続運転で運用しようと思っています。

参考 室内温度差は暖房を使う時間によって小さくできる

通常、エアコンを連続運転する場合は電気代が心配ですが、すでに全館空調で連続運転していることを考えると、暖冷房負荷は同じです。最新のルームエアコンのほうが全館空調機よりエネルギー効率がよいため、電気代はむしろ安くなるのでは、と期待しています。

エアコンの数とサイズの計画

高断熱な住宅ではエアコン1台で家中を暖冷房することが可能ですが、そのためには、それなりのオープンな間取りが要求されます。住宅面積も、大きいほど難易度が増すでしょう。

わが家の場合、全館空調を前提とした間取りのため、エアコン 1 台で温度差を小さくすることは難しい気がしています(特に冷房)。部屋の区切りや、エアコンの設置が可能な場所から考えると、エアコンは 1F に 1 台、2F に 2 台の計 3 台というのが現実的かなと考えています。また、洗濯物の部屋干しを考えると、少なくとも 1台は再熱除湿機能が欲しいところです。

参考 エアコン1台での全館冷房が全館暖房よりも難しい理由

悩むのは各エアコンのサイズです。

最大暖房負荷の検討

わが家の全館空調機は大きすぎて非効率だと常々感じてきましたが、適正なサイズはどのくらいでしょうか。

高断熱住宅では、日射熱の影響を受けにくいように配慮されていれば、冬の最大暖房負荷を中心に考えるのが適当な気がします。

参考 温暖地でエアコン能力を決めるのは暖房と冷房のどちらか?

最大暖房負荷は、こちらのツールのように計算することもできますが、わが家の場合、現在使用している全館空調の消費電力から推計することができ、こちらのほうが現実的です。

この最大暖房負荷については、以下記事で書いていたように、約 6 kW でした(1 時間あたりのピーク消費電力量に暖房 COP の数値をかけています)。

参考 冬のエアコン連続暖房時の最大消費電力を実測してみた結果

暖房負荷の配分

上記の計算から、連続暖房する場合、エアコンの暖房能力は合計で 6 kW 以上あればよいことになります。最小サイズの 6畳用エアコンの暖房能力は 2.2 kW なので、この計算上は 6 畳用 3 台で済むことになります。

しかし、全館空調では、暖房期は 1F の暖房を強め、冷房期は 2F の冷房を強めるという運用を毎年ダンパーで行っています。暖かい空気は軽いので上昇し、冷たい空気は重いので下降するためです。

この運用を各階のエアコンでまかなうとすると、暖房期は 1F のエアコンの依存度が高くなり、反対に冷房期は 2F のエアコンに比重を置くことになります。

仮に 1Fと2F の暖房の比重を 2:1 とすると、1F には最大負荷 6 kW の 2/3 の暖房能力が必要ということになります。

となると、1F は 12畳用エアコン(暖房能力 4.2 kW)が候補かな、と考えています。

1F に加えて 2F で 2台使用することを考えると、合計暖房能力は最低でも 8.6 kW となり、余裕があります。2F の 2 台は最小サイズの 6畳用で良さそうですが、念のため、冷房負荷についても別途検討してみます。

冷房負荷の検討

最大冷房負荷は、住宅の諸条件(屋根/天井の断熱、窓の面積と方位、日射遮蔽の程度など)によって異なってくるため、推定は困難です。不明な場合は、電力中央研究所のエアコン選定支援ツールが参考になりそうです。

わが家の場合は全館空調での実測値があるので、そこから推計できます。

参考 冬のエアコン連続暖房時の最大消費電力を実測してみた結果

このピーク消費電力(1.1 kW)に冷房 COP をかけて計算すると、最大冷房負荷は約 4.1 kW です。

暖房と同様、2F の冷房負荷を全体の 2/3 と仮定すると、2F に必要な冷房能力の合計は約 2.7 kW です。

これを 2 台に割り振るとしたら、最小の 6 畳用(冷房能力 2.2 kW)2 台で十分でしょう。1F も余裕があります。

それほど暑くないときや、在宅人数が少ないときは、3 台すべてを付ける必要はなさそうです。

その他考えたこと

そんな感じでエアコン計画を立ててみましたが、実際にどうなるのかは試してみないとわかりません。あくまで机上の計算と脳内シミュレーションです。

部屋のドアを開けた状態で連続運転したとしても、全館空調よりは熱源が偏るため、多少の温度差は発生することでしょう。熱交換換気を止めて換気経路を変える場合、個室も冷えやすくなるかもしれません。その場合、サーキュレーターを使用したり、場合によっては局所暖房を併用することもあるかもしれません。

導入するときは段階的に導入し、データをとりながら試行錯誤しようかなとも思います。本当に全館空調を止めるかも、何年先のことになるかもわかりませんが、そのときにブログを続けていたら結果を報告したいと思います。

なお、わが家の場合、全館空調を止めることを当初は考えていなかったため、エアコンを付けるための配線などが一切ありません。全館空調を採用する人のなかには最初から想定している方もいらっしゃるので、わが家もそうしておけばよかったなと後悔しています。

もし、同じような断熱性能の住宅で上記のようなエアコン運用を行っている方がいらっしゃる場合は、この計画に関してアドバイスを頂けると幸いです。

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