全館空調 vs. エアコン(全館空調のメリットが得られる条件)

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1台で全部屋の空調を管理する全館空調はとても快適です。高断熱住宅でのエアコンの連続運転と同様のメリットが得られるだけでなく、見た目がスッキリします。ただし高額なので、全館空調を選ぶかエアコンを設置するかは悩みどころです。私の見解では、最適な解は住宅の断熱性能によって変わります。

・Q値1.9以上(UA値0.56以上):エアコンがおすすめ

ほとんどの住宅の断熱性能レベルです。全館空調の家を体験すると採用したいと思う方は多いのですが、このレベルでは全館空調はお勧めできません。なぜなら、冷暖房費用が非常に高くつくからです。もちろん、お金はいくらかかってもいいから快適な生活がしたい、 電気や石油を大量に消費していても気にならない、という方には問題ありません。

・Q値1.4~1.9(UA値0.4~0.56):どちらでも良い

多くのツーバイシックス住宅の断熱性能レベルです。この断熱性能があれば、全館空調のメリットを受けることができます。冷暖房費用をそれほどかけずに全館空調を運用することができるからです。家の中の温度差がないことは長生きの秘訣である(ヒートショックの死亡リスクを下げる)だけでなく、すべての部屋を有効活用でき、なにより快適です。複数台のエアコンで同様の運用を行うことも可能ですが、全館空調の方がすっきりします。ただし、全館空調は初期費用が高額(40坪程度で全館空調だと約200万円、エアコン数台+換気システムだと約50万円くらいでしょうか)なうえ、維持費用もかかります。また、全館空調特有の問題(稼働音や故障時の問題など)もあるため、エアコンを選ぶのも合理的な選択です。

・Q値1.4未満(UA値0.4未満):エアコンがおすすめ

高断熱にこだわり、トリプルガラスを採用するなどした住宅の断熱性能レベルです。このレベルでは、どちらにしても冷暖房費用がかからず、全館空調を採用しなくても家の中の温度差が小さくなります。そのため、1~2 台のエアコンで十分快適な暮らしができます。初期費用のかかる全館空調を採用するメリットは相対的に小さくなります。

以上です。実は、各ハウスメーカーで行っている提案は、自然とこれと同じ結論となっています。全館空調を選べるハウスメーカーは、三井ホーム、三菱地所ホーム、住友不動産などで、それより断熱性の劣るほとんどのハウスメーカーは全館空調の選択肢を用意していません。また、より高断熱な一条工務店やスウェーデンハウスでも、全館空調を扱っていません。一条工務店は全館床暖房ですが、これについては別の記事「エアコン vs. 床暖房」の後半で検討しています。

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『全館空調 vs. エアコン(全館空調のメリットが得られる条件)』へのコメント

  1. 名前:個室でエアコン空調を極める? 投稿日:2017/12/22(金) 00:05:23 ID:5e8ff74cd 返信

    […] 全館空調がメリットを得られる条件があります(丸投げですが、さとるパパさんがまとめられています)。 地球環境的にエコという考えを元に、考察してみたいと思います。   超 […]