APW330で床温度が上がる効果をアルミ樹脂複合サッシと比較してみた

住宅の外皮において単位面積当たりの熱損失が最も大きいのは窓です。この窓の断熱効果が高いほど、家は暖かく保ちやすくなります。暖房をかけまくれば関係ないと思うかもしれませんが、窓の断熱性能は周辺の床温度にも影響してきます。

そのことを確認するため、全館空調で常時暖房を入れている状態で、断熱性能の異なる 2 つの大窓(吐き出し窓)の周辺の床温度を放射温度計で測定してみました。

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測定条件

外気温が 5℃、室温が約 22℃ のときに、大窓付近の床温度を窓から 10cm 間隔で測定してみました。日射熱の影響を受けないよう、測定は曇天の早朝に行いました。

窓の種類は次の 2 つで、共に空間的につながっている大部屋に設置されています。

エピソード:省エネ建材等級が最高(四つ星)の YKK AP 社のアルミ樹脂複合サッシ(Low-Eペア、ガス入り)です。現在はよくわかりませんが、三井ホームの標準仕様のレベルであり、リクシルでいうサーモスII-HやサーモスLに相当する断熱性能です。熱貫流率 Uw は 2.33 程度です。

APW 330:エピソードより断熱性能の高い YKK AP 社の樹脂サッシ(Low-Eペア、ガス入り、アルミスペーサー)です。熱貫流率 Uw は 1.7 程度です(ちゃんと調べてないのでだいたいです)。

参考 窓の断熱性能を表す U 値の注意点

結果と感想

窓際の床温度を測定した結果は次のようになりました。

アルミ樹脂複合サッシ(エピソード)は窓から 50 cm 程度まで床温度に影響が及ぼしているのに対し、APW 330 の影響は 30 cm 程度までです。やはり、窓の断熱性能が高いほど窓際の床温度が高くなっています。

なお、このグラフでは APW 330 のほうが遠くの床温度まで高くなっていますが、距離を長くとっても変わらなかったので、これは実際の温度差ではなく、床材の放射率の違いに起因する測定誤差と思われます。

参考 放射温度計で住宅の温度を測定する際の注意点

実際に感じる差は大きい

今回測ってみてまず思ったのは、意外と小さい差だなということです。エピソードの窓際のほうが寒いというのは日々の生活で感じていたので、1m くらいまで温度が低くなっているのではないかと思っていたのですが、そこまでの影響はありませんでした。

ただしこれは、全館空調で常時暖房を入れていて、窓の近くに床に向かって温風が出る吹き出し口があることが大きく影響しています(エピソード、APW の両方とも同条件)。

エピソードの窓でダウンドラフト(窓で冷えた空気の比重が重いために発生する下方向の気流)の影響が出ていることは確認できたので、これを暖房を入れずに放置していたら、その床温度を冷やす影響はより大きく、より広範囲に及ぶことが予想されます。

連続暖房ではなく間欠暖房の場合にはその差は大きいでしょうし、窓の割合が大きい部屋であれば部屋全体への影響も無視できないでしょう。

連続暖房であれば不快感はない

以前、マンションに住んでいたときはアルミサッシの単板ガラスだったので、冬の窓際の寒さは強烈でした。近くに座っていると、窓が開いてるのではないかと思うほどの冷気流を感じたものです。そのときと比べれば、現在の窓はどちらも快適です。エピソードの窓際は少し寒さを感じますが、窓際にとどまっていない限りは問題ありません(問題は結露です)。

トリプルガラスの APW 430 の住宅に住んでいる人にとってはペアガラスの APW 330 でも寒いと感じるようですが、APW 430 の快適さを知らない私にとっては APW 330 で十分満足です。もちろんこれは、連続暖房しているからこその話です。

床表面温度は室温とほぼ同じ

今回測定した床温度は、窓の影響がないところで 21.6 ℃程度でした。参考までに内壁の表面温度を測定した結果は、21.8 ℃でした。内壁の表面温度は室温とほぼ同じはずです。これと床の表面温度の差は 0.2℃なので、室温と床表面温度はほぼ同じですが、床のほうがわずかに低くなっています。

参考までに、わが家の床は三井ホームの標準の断熱仕様です。基礎断熱ではなく床断熱で、断熱材はビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS)80mm 厚です。品確法の断熱等性能等級4の仕様基準と同程度の断熱性能であり、床の断熱にこだわりのある住宅仕様と比べると見劣りするレベルです。

それでも、外気に通じている床下の温度は外気ほど寒くないためか、連続暖房しているかぎりは、床が冷たいというほどではありません。床温度は体感温度を大きく左右するため、高断熱に越したことはないですが、わが家の実例はそんな感じです。

参考
「夏涼しく冬暖かい家」の科学(体感温度編)
床の温度とカーペットやマット、床材、床暖房の相性について

前回記事は当サイトのコンテンツとして不適切と判断し非公開に致しました。貴重なコメントも頂いていたにもかかわらず削除することとなり、大変申し訳ございませんでした。以後気を付けます。

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