部屋間の温度差と窓の断熱レベル、連続暖房の有無の関係

部屋間の温度差を小さくする方法はいろいろありますが、特に重要なのが、窓の断熱レベルと、暖房の方法(連続暖房か部分間欠暖房か)だと思っています。この効果はそれぞれどのくらいなのかを把握できる資料を探してみました。

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窓の断熱レベルによる部屋間の温度差の違い

窓の断熱レベルによる部屋間の温度差の違いを比較したデータは、APW 430 のページと、HEAT20 のパンフレット(PDF、p.7, 16)に見つかりました。

両方とも同じ住宅モデルを使ってシミュレーションしています。

YKK AP によるアルミペアサッシと樹脂トリプルサッシの比較

APW 430 のページには、アルミサッシのペアガラスと APW 430(樹脂サッシのトリプルガラス)の場合の部屋間の温度差が図示されています。

条件は、リビング 22℃、外気温 4℃、間欠暖房です。4~8地域の温暖地を想定しています。

樹脂トリプルサッシとすることで、一番温度の低い浴室の温度は 12℃から 15℃に改善しています。しかし、リビングとの温度差を考えると、それでも 7 ℃もあります。

HEAT20 によるアルミペアサッシと樹脂ペアサッシの比較

とタイトルに書きましたが、正確には HEAT20 の比較は省エネ基準レベル、HEAT20 G1 レベル、G2 レベルの比較です。ただ、他のページ(p.4 の仕様)から、おそらく省エネ基準レベルはアルミペアサッシ、G2 レベルは APW 330 などの樹脂ペアサッシ相当であることが推測されます。

細かい条件は設計者向けのガイドブックを買わないとわかりませんが、温暖地の部分間欠暖房を想定しています。

その結果、体感温度だそうですが、最低温度がアルミペアでは 8℃以上、樹脂ペアサッシでは 13 ℃以上となっています。

また、体感温度が 15 ℃未満となる時間割合は、樹脂ペアサッシでも 15% 程度はあることになっています。

改善効果は確かにあるものの、それだけで家中が十分に暖かくなるかというと、そうではないことがわかります。

連続暖房と間欠暖房による部屋間の温度差の違い

連続暖房と間欠暖房による部屋間の温度差は、同じ条件で比較したデータは見つかりませんでした。

しかし、HEAT20 のパンフレットでは、省エネ基準と同様に、寒冷地(1・2 地域)では連続暖房を基本としています。温暖地(6・7 地域)の HEAT20 G2 レベルは、寒冷地の省エネ基準とまったく同じレベルです。

このシミュレーション結果でわかるのは、寒冷地の条件であっても、体感温度が 15 ℃未満となる時間割合が 4% 程度しかないということです。温暖地の条件で計算すれば、これはほとんどないことになるでしょう。

わが家は、HEAT20 G2 レベルで樹脂ペアサッシ(APW 330)を使用し、全館空調で連続暖房を行っています。そのわが家で寒い時期に部屋間の温度差を測定したところ、トイレとの温度差が最大で、3℃でした。

また、全館空調システムを採用せずとも、高断熱ペアガラスで連続暖房を実践している方々の声を聞いても、部屋間の温度差は概ね 4℃以内くらいに収まっている感じです(間取り等の工夫もあります)。

連続暖房を行っている住宅は温度差が小さくなることは間違いありません。

まとめ

そんなわけで、部屋間の温度差を小さくするためには、トリプルサッシを採用するだけでは不十分です。寒冷地で一般的になっている連続暖房が重要です。

連続暖房するなら高断熱ペアガラスでも温度差を小さくすることができますが、その場合の暖房費はほぼ Q 値に比例するため、窓の断熱性能にこだわることは大きな意義があるでしょう。

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