発泡プラスチック断熱材の問題点

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近年、高断熱・高気密住宅として、硬質ウレタンフォームなどの発泡系プラスチックの断熱材を採用する住宅が増えています。ハウスメーカーでは、一条工務店や新昭和(ウィザースホーム)などが採用しており、FPの家という工務店グループでも採用しています。



発泡プラスチック断熱材のメリット

一般的なグラスウールと比べると、熱伝導率が低く、同じ厚さの断熱材で大きな断熱性能を発揮することができます。

(外断熱を併用しない)充填断熱だけの場合、断熱材の厚さが 10 cmほどの厚さに制限される木造軸組工法でも高性能窓を採用すればQ値1.6以下を実現することができます。

また、空気を通さないため、高い気密性能を簡単に確保することもできます。

発泡プラスチック断熱材のデメリット

ただし、欠点もあります。

まず、グラスウールと比べてコストが高くなることです。

また、可燃性の素材であることと、シロアリの食害を受けることです。無機系の断熱材であるグラスウールやロックウールは耐火性があり、シロアリに直接食べられることがありません(通路になることはあります)。シロアリによって断熱材に穴が空くと断熱材が薄くなるだけでなく、空気の通り道ができることで対流も発生し、断熱効果が落ちます。それも壁の内部で起こることなので、見た目ではなかなか気付けません。シロアリが土から上がってくる経路は何としても断つ必要があります。

積水ハウスなどの大手のハウスメーカーがこうした断熱材をなかなか壁に採用しないのは、これらの欠点があるためなのかもしれません。グラスウールなどと比べて使われている歴史が短いためか問題はまだあまり聞きませんが、基礎外断熱のポリスチレンフォームや硬質ウレタンフォームではシロアリ被害がよく問題になります。いったん基礎からシロアリの侵入を許すと、壁の断熱材を食い荒らし、天井まで被害を受けることもあるそうです。

一条工務店は被害を受けやすい断熱材を使っていることは確かですが、他のハウスメーカーより徹底したシロアリ対策を行っています。しかしながら、シロアリの適応力も恐ろしいものがあります。施工現場でミスがあったり、家の管理が悪かったりすると、蟻道を作られる可能性があります。近年は乾燥した木材も食べる外来種・アメリカカンザイシロアリも分布を広げています。シロアリの習性を知って対策に抜かりがないか確認し、定期的に床下に潜って確認することが大切なようです。

ここで三井ホームの我が家も気になったので設計図を確認してみました。基礎断熱は行っていませんが、床下の断熱材にはポリスチレンフォームが使われています。これは簡単に食べられる素材です。ベタ基礎だし通気もよいからと甘く見ていましたが、シロアリ業者のサイト(こちらなど)をいくつか見ると、ベタ基礎であっても、床下が乾燥していても、シロアリ被害を完全に防ぐことはできないようです。ちょっとしたクラックや配管の穴からも侵入される可能性はあります。三井ホームのホームページでは2006年以降シロアリ被害ゼロと書かれていますが、油断せず点検していきたいと思います。

最後に、発泡プラスチック断熱材のデメリットとして、経時変化により断熱性能が落ちる場合があることがあります。これについては「硬質ウレタンフォーム断熱材の断熱性能は 25% も劣化する?」で詳しく紹介しています。

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