APW330に発生してしまった黒カビの対策 | さとるパパの住宅論

APW330に発生してしまった黒カビの対策

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いくら高断熱ペアガラスの樹脂サッシ窓といえども、生活の仕方によって少しは結露も発生します。この結露も量は少ないので放っておけば乾きます。しかし、それを何年も放置していると、さすがに黒カビも発生してしまいます。。

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3年目にして黒カビが発生したのは、まったく掃除していなかった滑り出し窓です。掃除していなかったのは、内側に取り外しにくい網戸が付いているためです。開閉用のハンドルも邪魔で取り外し方がよくわからなかったのですが、今回ばかりはさすがに網戸の取り外し方を調べて掃除しました。ときどきでも掃除している窓ではほとんど問題ありません。

APW 330(アルミスペーサー仕様)でも黒カビが発生する、という証拠画像も一応撮りましたが、汚いので公開は致しません。

そんなわけで、今更ながらAPW 330での黒カビ対策について検討してみました。

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わが家の温湿度と結露発生状況

わが家では全館空調で室温を22~23℃(夜は低め)に保ち、相対湿度が40%を下回らないことを目標に加湿を行っています。全館空調には第一種熱交換換気が含まれ、気化式の加湿ユニットも組み込まれていますが、これだけでは乾燥してしまうことがあるため、気化式の加湿器も一台設置し、冬は毎日水を追加しています。

これはあくまで目標であり、加湿器の水がなくなっていたり、外で雨が降ったりしていても湿度が変わるため、だいたい容積絶対湿度で 8~12g/㎥、重量絶対湿度 7~10g/kgDA くらいで推移している感じです。

参考 温度と相対湿度から(容積・重量)絶対湿度を計算するツール

そんな状況での結露は、最低気温が3℃とかの日には大抵発生しています。

関連 ペアガラスの結露の発生量を実際の画像で比較する

ただ、高断熱住宅の結露状況は、以前住んでいたマンションとは異なります。マンションでは北面の寒い部屋を中心に結露がひどく、拭いても拭いてもキリがない(ので諦めていた)くらいだったのですが、現在は軽く拭けば済むし、拭かなくても昼には自然に乾く程度です。また、北側の窓が特にひどいということもありません。これは部屋間の温度差が小さいためでしょうが、結露の発生のしやすさは窓によって差があります。

結露しやすい窓と結露しにくい窓

わが家において圧倒的に結露しやすい窓はエピソード(YKK APのアルミ樹脂複合サッシ)ですが、APW 330 のなかでも結露しやすい窓と結露しにくい窓があります。

一番結露しにくい窓は、外にシャッターを付けている窓です。シャッターは、断熱なしの熱を通しやすいアルミ製であっても、0.08 [㎡K/W] 程度の熱抵抗があります。数値的には大したことはありませんが、窓サッシに当たる風の影響が和らぐためか、結露には大きな効果があります。

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次に結露しにくい窓は、カーテンを閉めない窓です。カーテンなどがないほうが部屋の空気によって窓が暖められるため、表面温度が高くなり、結露しにくくなるのでしょう。カーテンを開放したほうが結露の乾きも早いので、それなりに影響があります。

このことは放射温度計で表面温度を測れば確認できるだろうと思い、いろいろと測定もしてみました。いい加減な測定なのでデータは載せませんが、実際にシャッターとカーテンの有無でサッシの表面温度が変わることと、シャッターによる影響のほうが大きいことはだいたい確認できました。

関連 放射温度計で住宅の温度を測定する際の注意点

サッシの温度をいろいろ測っていて驚いたのは、結露が発生するところと温度が最低のところは違うということです。これは引き違い窓に顕著で、結露が発生するガラスの下隅よりも、下枠のレール付近のほうが温度が低くなっていました。手を当ててみると冷たいだけでなく、外から侵入してくる冷気の気流も感じられます。可動部にすき間があるために乾燥した外気がなだれ込んできており、温度が低くても空気は乾燥しているために結露は発生していないのでしょう。引き違い窓の断熱性能が低い理由が実感できます。ただしシャッターとの相性はいいのですが。

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なお、ガラスの表面温度は意外と高く、樹脂サッシといえどもサッシのほうが温度は低めでした。ただし一番結露しやすいのは、そのサッシでもなく、ガラスの下隅です。やはりアルミ製のスペーサーの影響が大きいような気がします。

結露とカビの対策

以上より、結露対策としては次のようなことが考えられます。

  • 室温を下げることで相対湿度を上げる
  • シャッターを付ける
  • なるべくカーテンを開ける

しかし寒いのは嫌だし、シャッターを付けられないところもあるし、カーテンも必要です。そんなわけで、現実的な対策としては、結露が多いときはなるべくふき取り、ときどき掃除することだと思います。黒カビが発生するといっても、換気が必要なカビ取り用のジェルを使用するほどでもありません。キッチンペーパーと割りばしなどを使い、消毒用エタノールでカビを除去しておけば十分でしょう。

結露が多く発生する場所がスペーサー付近であることを考えると樹脂スペーサー仕様にすることも重要だと思いますが、APW 330の標準はアルミスペーサーであり、ハウスメーカーによっては樹脂スペーサーを採用しずらいのが難点です。APW 330の標準が樹脂スペーサーになればいいのですが。

リクシルのサーモスXは樹脂スペーサーが標準なので、もしかしたら結露に関してはアルミスペーサー仕様のAPW 330アルミスペーサー仕様よりもサーモスXのほうが上かもしれません。ただしこれは表面に見える結露だけの話であり、枠の中で結露が発生するリスクはサーモスXのほうが高いかもしれません。

いずれにしても、間違いなく言えるのは、断熱性能の高い窓ほど結露は発生しにくいということです。このため、サーモスII-H やエピソードなどよりはAPW 330やサーモスX以上が絶対にお勧めです。掃除が楽になるし、体感温度も明らかに高くなります。

なお、消毒用エタノールはドラッグストアなどで 400mL 300円くらいですが、たくさん使う家庭では大量に買って詰め替えるのがお得です。殺菌力は濃度によって変わるので、業務用がお気に入りです。わが家は 5L を 1 年で使い切っています。

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