調子に乗って電子書籍を出版してしくじった話 | さとるパパの住宅論

調子に乗って電子書籍を出版してしくじった話

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先日、私は人生で最初で最後の電子書籍を出版しました。しかし、応援してくださった方々には本当に申し訳ないのですが、正直、しくじってしまったと思っています。

すべて私の力不足です。今回は、その失敗の原因を自己分析し、反省したいと思います。

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本を出した理由と願望

本を出す前に書いた記事にも書いたことですが、最初に本を出すことにした理由と目的についてかんたんに説明しておきたいと思います。

まず現状で問題に思っていたのが、高断熱住宅が一般に普及しておらず、敷居が高そうに見えることです。Web 上にも小難しい情報が多く、施主がたくさん勉強して細部まで考えないといけないような気がしてしまいます。私のように半分趣味で取り組める人には問題ありませんが、大勢の一般的な人にとっては、そこまでの気力も時間もないでしょう。ましてや、家づくりには、資金計画や間取りなど、ほかに考えるべきことも山ほどあります。施主も勉強するに越したことはないですが、細かいことは本来、住宅会社側で対処すべきことです。

そこで、温熱環境に関して施主として必要最低限の知識をすぐに得られる本を書いてみようと思ったわけです。Amazon で家づくりの本を探すときに、そんな本が「おすすめ」として並んで表示されていたら、「簡単に読めるのであればちょっと読んでみよう」と思う人が現れるかもしれません。そんな、高断熱住宅に興味を持つきっかけとしての電子書籍を出せたらいいな、というのが当初の出版の目的でした。

高断熱住宅の入門書はこれまでになかったわけではありませんが、たいていは自社の宣伝であったり、窓会社が後援していたりして、業界発信の情報に疑いをもつ人もいます。よく新聞広告で見かけるような、怪しい独自工法を紹介する本もたくさんあります。そこで、高断熱住宅業界と利害関係のない施主が書いた本も少しくらいあってもよいかもしれない、と思ったわけです。

しかし実際に本を出してみて気づかされたのは、これらは私の希望的な単なる願望に過ぎなかった、ということでした。。。

(参考)本を出すのは簡単です

参考までに、本を出すというと特別なことのように思われますが、今の時代、電子書籍を出すのは本当に簡単です。電子書籍データと表紙画像を用意し、Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングで設定するだけです。たとえば、今回私も使用した以下のオンラインツールを使えば、なんの資格要件もなく無料で誰でもAmazonで本を出版することができてしまいます。

でんでんコンバーターでんでんマークダウンという記法に沿ってテキストファイルで文を書けば、コンバーターで変換するだけで電子書籍データ(.epub)を作成できます。Amazon 用のデータ(.mobi)には、Kindle Previewer で変換できます。

かんたん表紙メーカー:本の表紙画像に使うタイトル画像は、ここで作成できます。ついでながら、当サイトのロゴもここで作り直しました。

Canva:Photoshop がなくても、表紙画像はここで作成できます。

文字数に関しても、電子書籍では手軽に読み切れる2万文字前後の分量が一般的になってきているため、特にハードルは高くありません。

実際に出して気づいた問題点と反応

さて、いざ本を出してみて、最初にぶち当たったのが、どうしたら目的の読者層に読んでもらえるか、という問題です。Amazon で関連本として「おすすめ」に表示されるためには、すでに売れていて高い評価が付いている必要があります。そのため、最初は Amazon 内での集客効果はまったく期待できず、自分で宣伝するくらいの方法しか思いつきませんでした。

そこでひとまず自分のメディアであるこのブログで宣伝したわけですが…

「買わないで」と宣伝するしかない矛盾

この本に書いた内容は、このブログをある程度読んでいる方々にとって当たり前の情報です。私としては新情報や新見解を少し加えたつもりですが、主な論旨は変わっておらず、ブログ読者はすべて無料で既に目にしているであろう情報ばかりです。情報量としてもブログよりもずっと少ないため、ブログを知ってから本を買って読んでもらったとしても、おそらくは時間やお金の無駄だったと思い、がっかりされることでしょう。

そのため、自ブログを読んでいる人に本を宣伝するにしても、「ブログを読んでいる人は読まないで」、という矛盾したことを書かないといけないわけです。

そんなわけで、ブログ経由で読んでいただきたい層としては、ブログにちょっと興味をもったけれどまだ読み込んでおらず、コンパクトに要点だけ知りたい人や、ブログより電子書籍の形式のほうがいい、というかなり限定的な対象者になります。

うまく宣伝するのは難しい、と思いつつ、「『高断熱×連続暖房でつくる「超快適」住宅』出版のお知らせ」という記事を書いて宣伝を始めたわけですが。。。

案の定ついた低評価レビュー

さっそくお読みいただいた方からついた一番のレビューは、ブログが勉強になったから本だから期待したのに内容が薄すぎる、工法について詳しく知りたかった、という低評価のレビューでした。

期待した内容が書かれていなかったのですから、低評価になるのは当然です。がっかりさせてしまい、本当に申し訳なく思います。ブログの印象から自然と期待させてしまった内容と、本の内容がミスマッチしていたのです。

本の狙いと対象読者について説明していたつもりでしたが、不十分でした。「ブログをある程度読んだ人は買わないで」という点をもっと明示すべきだったのかもしれません。

ブログの読者様はおそらく、断熱などについてもっと詳しいことを徹底的に追及したいという人のほうが多いのに、そうした読者様向けではなく、全然ちがう初心者向けの本を出したのが間違いだったのかもしれません。

しかし、このような期待のほうが大きいとしても、これに応える本を出そうとは思いません。細かい情報はネット上に多数あるし、何より、そうした人には本当の専門家が書いた本を読んでいただいたほうがずっと良いと思うからです。ネット上で調べてもイマイチよくわからなかったことが、新住協の理事の先生方の本を読んだらあっさり解決した、というような経験は私にもたくさんあります。私ごときにそんな専門書を出す知識も経験も資格もありません。

いくら内容が薄すぎると書かれようが、今回出版した本の内容は、家づくりを考え始めた方に向けて私が書けるベストです。これらの内容は、ブログ読者はともかく一般レベルではほとんどの方に理解されていないことであり、それこそが重要なことだという信念は今も変わりません。

そんなわけで初心者向けの本を書いたことは後悔していません。

ただ、そのような受け取られ方をしてレビューが残ることになった以上、Amazon を通じて多くの方に断熱などに関心をもっていただこうという当初の目論見は、かなり難しくなってしまったと言わざるを得ません。

価格設定の失敗

もう一つ、失敗したと思っているのが、価格設定です。
多くのブログ読者にとって価値のない本であれば、無料で入手できるようにするべきでした。しかし本を出す以上は価格を付ける必要があり、あまりに安い価格にすると価値のない本と思われるリスクもあります。

もちろん、ちょっとした小銭稼ぎになればいいという下心もありますが、これは二の次です。実際問題、多くの場合、電子書籍を売るよりも、ブログで記事を書いていたほうが収益性は高いし(広告バナーなどの広告収入)、なにより気楽だからです。

そこで微妙な価格を設定し、無料で読める条件の人に読んでいただければラッキーくらいに思ったのですが、期待してご購入くださった方が一定数いらして、不満に思われる方もいらっしゃったわけです。本当に、申し訳ございません。

後で知ったことで恐縮ですが、Amazon では期間限定で無料キャンペーンを設定できることが判明しました。今回のようなケースにはうってつけです。

年末年始無料キャンペーンについて【終了】

そんなわけで、いまさらながら無料キャンペーンを実施することと致しました。

無料期間は、この記事の公開時間から、1月3日16:59 までです。多くのブログ読者様には読む価値すらない本ではございますが。。

追記:キャンペーンは終了いたしました。たくさんダウンロードいただき、ありがとうございました。


なお、無料キャンペーンまでにご購入いただいた方に申し訳ないので、申告していただいた方にはAmazonギフト券で全額返金いたします。
こちらのフォームに適当な名前と正確なメールアドレスを入力し、「返金希望」とだけ書いていただければ数日以内にメールアドレス宛にギフト券を送信させていただきます(2020/1/31まで)。それまでの売上を超える申告があった場合を除き、購入証明は求めません。メールアドレスをその他の目的で使用することもございません。

お手数ですがよろしくお願いします。

この度は出版をめぐりご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。こんな私ですが、来年も何卒よろしくお願いいたします。

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