家中温度差のない住宅が望ましい理由 | さとるパパの住宅論

家中温度差のない住宅が望ましい理由

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高断熱や全館空調の広告などで「家中温度差のない住宅」が宣伝されることがあります。
私も、温度差を小さくする方法に関する記事をいくつも書いています。

が、そもそも、温度差がない住宅が望ましいのはなぜなのでしょうか。

これは住んで体感しないとわかりにくいことなので、住体験を踏まえて考えてみたいと思います。

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上下の温度差がなくなると足が冷えない

足が冷えると身体全体が冷えます。不快だし、体調も崩しやすくなります。
私も単板ガラスのマンションに住んでいたときはよく悩まされたものです。
床にマットを敷き、ウールのスリッパを履き、腰から下にはひざ掛けを巻いていましたが、それでも冷えます。

ある時、温度計で測ってみたら、室温が 20℃で、床付近は 16℃か 17℃だったと思います(この数字の記憶は怪しいですが、温度差 3℃程度でこんなに冷えるのか、と驚いた記憶はあります)。

「床暖房は高そうだけど羨ましいなぁ」とあこがれていました。

ところが現在、室温も床表面温度も同じ 22℃の温度差のない住宅で暮らしていると、軽装でずっと座っていても冷えません
床暖房へのあこがれも、いつの間にか消え去りました。

今思えば、昔のマンションでももっとエアコン暖房を使うべきでした。
ただそれでも、上下の温度差が 3℃あれば、快適にはならなかったとも思います。
足元が同じ 22℃になったとしても、冬に室温が 25℃もあれば頭が暑くてボーっとするからです。

窓から離れた場所に机を置き、エアコンを長時間つければマシになったとも思いますが、後悔先に立たず。

とにかく、私の場合、上下の温度差がなくなって初めて、身体を冷やさずに冬を過ごせるようになりました

人間は頭が涼しく足が暖かいことを快適に感じる生き物のようなので、足元が寒い状態は最悪です。
足元のほうが暖かい床暖房もよいですが、上下の温度差がなくなればそれで十分、というのが今の感想です(個人差があります)。

参考 「夏涼しく冬暖かい家」の科学(体感温度編)

部屋間の温度差がなくなると加湿しても結露が発生しにくい

これは私の仮説ですが、低気密でない住宅内の絶対湿度はほぼ一定なのでは、と考えています(どなたか実際に確認していただけたら紹介させていただきます)。

この前提で相対湿度と絶対湿度、温度の関係を考えると、絶対湿度が同じなら、室温が高いと相対湿度は低くなり、室温が低いと相対湿度が高くなります。

部屋間に温度差があるということは、暖かい部屋と寒い部屋があるということです。暖かい部屋は、だいたいリビングです。

暖房を使うリビングで乾燥する(相対湿度が低い)からといって加湿すると、寒い部屋の相対湿度はぐんぐん上がり、一番低温になる窓辺で結露が発生してしまいます。

これは程度の問題ですが、部屋間の温度差が小さいほど結露を発生させずに一定の湿度を保ちやすい、ということはあるでしょう。

温度差が大きいと、加湿しただけ結露が増え、冬にしっかり加湿することができません。

参考 多くの住宅で加湿器を効果的に使うことができない2つの理由

すべての部屋を有効活用できる

暖かい部屋と寒い部屋があると、寒い部屋に行きたくなくなり、閉じこもりがちになります。
寒い住宅でコタツから出られないのと同じことです。
ちょっとした家事なども億劫になりがちです。

温度差がない住宅は、この反対です。
どの部屋に行くのにも躊躇しなくなるので、好きなときに好きな部屋へ行くことができます。

私も、室内での運動量がちょっとだけ増え、家事をテキパキこなせるようになった、ということにしておきたいと思います。

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