マンションに住んでいた頃、エアコンのカビは悩みの種でした。新品のうちは良いのですが、しばらく使っているとカビ臭くなります。ダイキン、東芝、パナソニックなどいくつかのメーカー品を試したり、内部クリーン運転機能付きのものを採用したりしましたが、カビの発生は防げません。エアコンのクリーニング業者に頼んだり、自分でフィルターやファン、フィンを清掃したりすると、直後はある程度改善しますが、またすぐにカビ臭くなります。カビは健康に良くないので、何とかしたいと思って試行錯誤していました。
カビが発生する条件
カビが発生する条件は、カビの胞子や栄養などを含む汚れがあり、湿度が高いことです。フィルターを定期的に清掃するのは前提として、難しいのは湿度を高くしないことです。暖房運転は乾燥するため問題ありませんが、除湿・冷房運転は冷却に伴ってどうしても水分が発生します。運転中は風が通っているため問題ありませんが、運転を停止すると、水分が内部に残ってとどまり、カビが発生することになります。
カビ発生を防ぐ対策とその限界
内部に水分が残るのを防ぐには、運転停止後に送風運転をして内部を乾燥させる必要があります。最近のエアコンには、これを自動で行ってくれる機能もあります。効果的だとは思いますが、実体験として、それでもカビは防げませんでした。おそらく、1 階で多湿なうえに換気が悪く、部屋自体が高温多湿になっていたためでしょう。
カビを発生させない運転方法
冷房運転を停止すると湿気が溜まってカビが発生するということは、運転を停止しなければカビは発生しないことになります。24時間連続で運転するということです。実際に試したわけではありませんが、空気が流れ続けていればカビが定着することはなく、部屋の湿度も抑えられるため、カビは発生しないと考えられます。ただしこれを行うには、高断熱であることが必要です。「断熱性能はどこまで求めるべきか(Q値とUA値)」で説明しているように、Q 値 1.6 以下でないと電気代が高くつくからです。高断熱であれば、エアコンは定常運転( 室温が設定温度以下になるとコンプレッサーがほとんど動かずにファンだけがまわる状態のことで、ほとんど電力を消費しない)になることが多く、それほど電気を消費しません。実際、スウェーデンハウスと東京大学の共同調査(外部リンク)によると、高断熱住宅ではエアコンを連続運転しても消費電力は間欠運転より 30% 少なかったそうです。
連続運転は高断熱住宅ならではの有力なカビ対策だと思います。ちなみに、冷房運転をやめる秋には、自動運転に切り替えて連続運転を継続するか、送風または暖房運転をしっかりと行って一度内部を十分に乾燥させる必要があるでしょう。
全館空調とカビ
我が家で採用している全館空調も、24時間連続運転です。第一種換気システムに冷暖房を付け加えたものなので、常に空気が流れ、カビが発生しません。全館空調を採用する際は、ダクトが汚れてカビ臭くなったりしないのかしつこく確認しましたが、どうやらカビが発生しないというのは本当なようです(システムを長期間全停止するなどしない限り…)。
まとめ
運転の工夫や使用環境によってはエアコンのカビ発生を防げるかもしれませんが、完全に防ぐには、高断熱住宅でエアコンを連続運転するか、全館空調を採用することがお勧めです。
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