構造用合板の耐久性は半端ない | さとるパパの住宅論

構造用合板の耐久性は半端ない

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「ベニヤ板のことは嫌いでも、構造用合板のことは嫌いにならないでください!」と涙ながらに訴えたいと思います。

現代の木造住宅で多用されている構造用合板ですが、単なるベニヤ板だと思ってナメてもらっては困ります。

まず、安い家具に使われているベニヤ板やコンパネなどとは強度が別物です。たった 9mm の厚さで強固な壁を構成でき、たった 12mm の厚さで床を支えられる強度は伊達ではありません(根太レスでは 24mm が一般的)。

ホームセンターに行けばたいてい置いてあるので、今度触って確認してみてください。

また、「水に弱いから雨に濡れたらブヨブヨになってすぐに腐る」、なんて大間違いです。水に塗れると色は変わりますが、特類は 72 時間煮沸するなどして高い接着耐久性が確かめられています。

その証拠として、以下の写真をご覧ください。


これは、コケが生えるようなジメジメした庭土のうえに約3年間放置した構造用合板(2級特類、9mm 厚)です。風雨に打たれ、直射日光が当たり、虫がうじゃうじゃいる過酷な環境で野ざらしだったにもかかわらず、ところにどころ凹みはあるものの、ほぼ原形を保っています(同様に放置していた木材や竹はとっくに朽ちています)。

見た目だけでなく強度も維持されており、段差に置いて私が乗っかってみても割れないほどです。まさかここまで強いとは思っていませんでした。

農地の隣の庭土にシロアリがいないかどうかはわかりませんが、構造用合板はシロアリにも食べられにくいのでしょうか(食害を受けた事例は検索すれば見つかります)。虫にあまり食われないのは、接着剤に含まれる毒物で虫を寄せ付けていないからではありません。ホルムアルデヒドの放散はわずか(F☆☆☆☆)ですし、合板の下にはミミズやカメムシが越冬しようと集まっています。

構造用合板を住宅の構造用部材として使う場合、基本的には乾燥状態となるハズです(気流止め、通気層、外壁・屋根のメンテナンスなどに問題がなければ)。直射日光が当たることもありません。

そんな恵まれた環境であれば、かなり長期にわたる耐久性が期待できるのではないでしょうか。

この機能で 1 枚千円くらいとか、安すぎです。構造用合板を DIY に使えば、外観はともかくとして、強度とコスパ、安全性は最強でしょう。

ちなみにツーバイフォーに使われる SPF 材は、安くて加工しやすいいっぽう、耐久性は高くありません。しかし、乾燥状態を維持したり、必要に応じて防腐処理を行えば、十分に長持ちします。

ツーバイフォー材で物置をつくった際に余った切れ端で椅子を作ったのですが、これもオイルステイン系の木材保護塗料を塗ったところ、雨の当たる屋外に置いていてもまだまだ健在です。

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コメント

  1. 匿名 より:

    合板や集成材なんかでは接着剤の問題もありますがどうでしょうか。接着剤の耐久性や透湿性、シックハウス症候群の問題なんかもありますよね。

    • さとるパパ より:

      天然素材が売りの工務店などは不安を煽りますが、JAS規格に規定される建材は接着剤を含めて用途を満たすよう考慮されています。
      シックハウスの問題は、関連記事にも書いているように、主な原因となるホルムアルデヒド類は天然木材からも放出されるものであり、その放出量は問題ないレベルに収まるよう管理されています。

      透湿性については、断熱材の性質、防湿シート、通気層などの構成により、使い方によっては結露が問題になることがあるため、プロが計算して結露の懸念が残るようであれば透湿性の高い耐力面材を使用したほうがよいと思います(コストは上がります)。
      (追記)透湿性のある構造用合板について次の記事を追加しました →壁内部結露計算でわかること・わからないこと

  2. イー より:

    2階居室の床鳴りが気になり脳天ビス打ちをしました。45mmの太ネジ(スリムビスではない)フローリングから24mmの合板へ打ち込みました。素人施工で何度も失敗し20cm平方内に5本も打ち込んでしまいました。

    それに加えフローリングの継ぎ目(さね側ではない)にカッターナイフで切れ込みを入たので合板を傷付けてしまったのこもしれません。

    上記のような状況では合板の強度は落ちてしまいますか?未熟な施工をしてしまいとても後悔しております。

    さとるぱぱさんのご意見をお聞かせ下さい。

    • さとるパパ より:

      プロの方が簡単そうにやっていることが難しかったりしますよね。私も施工はわかりませんが、追加の釘やカッター傷程度であれば強度にまったく影響しないと思います。

  3. イー より:

    丁寧なご回答ありがとうございます。やはり素人、プロの仕事は出来ませんでした。強度には影響ないであろうと言うことで安心しました。

  4. 匿名 より:

    構造用合板の接着剤の寿命は30年程度と推定されている
    日本の木造住宅の取り壊しまでの平均と同程度らしい
    欧米は木造も長寿命だというが、材料の寿命をどのように超えているのか

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