全館暖房の誤解と本質【エアコン付けっぱなしは不要?】

全館暖房と似たような言葉として、全室暖房24時間暖房暖房連続運転などがあります。本質的な意義はどれも同じだと思うのですが、言葉から受けるイメージはそれぞれ微妙に異なります。そこで、共通する本質と、誤解について補足したいと思います。

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全館暖房の本質

全館暖房の本質とは、家中の温度が常に一定温度(20℃など)を下回らないように暖房を使うことです。暖めたいときに暖めたい部屋でのみ暖房を使う個別間欠運転の、対になる概念です。

一部の部屋の温度が下がってしまうと以下のデメリットがあるので、全館暖房によってこれらを解消するのです。

  • 温度の低い部屋に行きたくなくなる
  • ヒートショックのリスク
  • 暖まるまでに時間がかかる
  • 暖まっても温度ムラがあり、床などが冷たいままなので体感温度が低くなる
  • 温度を上げるときに暖房負荷が一時的に大きくなってしまう

全館暖房の方法の一つとして、高断熱住宅でエアコンなどを付けっぱなしにするやり方があります。しかし、「エアコン付けっぱなし」、「24時間連続運転」というのは無駄が多そうな印象を受け、少し誤解を招く言葉である気もします。そこで、これらの言葉から連想しそうな疑問について補足しておきます。

24時間温風が出ているのか?

エアコンを付けっぱなしにしているといっても、常に温風が出ているわけではありません。たいていのエアコンは設定温度に達すると、送風運転に近い状態になります。このときの消費電力はほとんどありません。

実際のわが家の時間帯別電気使用量もそうだったように、日射熱取得があるときや外気温との温度差が小さいときは、ほとんど電力を消費しません。付けっぱなしでも電力を使わないので連続運転にしているだけなのです。

高断熱住宅では、日当たりの良い南面の窓面積が大きいと、日射熱によって日中の室内温度が設定温度以上に上がることがあります。高断熱にして日射熱で日中の室温を上げておけば、夜間に温度が低下してもそれほど寒くならないので、晴れの日は無暖房で過ごすという方法もあります(無暖房住宅)。ただしこの場合、一日中一定の温度とはならないため、多少の我慢は必要になるかもしれません。

参考 冬に日射熱でオーバーヒートしないかチェックする方法

スイッチを切ってはいけないのか?

そんなわけなので、実際はスイッチを切ることがあっても問題はありません。実際、高断熱住宅で全館暖房を行っている方の中には、日中にエアコンのスイッチをオフにしている住人も多くいらっしゃいます。

高断熱住宅で有名なスウェーデンハウスの宿泊体験では、寝る前に冷暖房を切ることを推奨しています。一般的なエアコンの使用法で朝の違いを実感してもらうためなのか、睡眠に快適な温度はやや低めだからなのかはわかりませんが、そういう暖房の使い方もありでしょう。間欠運転に近い運転方法であり、朝の快適さを重視するなら設定温度を下げてでも付けっぱなしにしておいたほうがよいと思いますが。

旅行などで家を空ける場合も同様です。不在時間や暖房能力に応じて、短期なら設定温度を下げておき、長期ならスイッチを切るというのは問題ありません(換気は切らないでください)。

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