2×4工法で物置小屋を作るべきではない理由 | さとるパパの住宅論

2×4工法で物置小屋を作るべきではない理由

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ツーバイフォー工法は元々、北米で開拓者が自分で家を建てる方法として発展したものです。そのため、施工に難しい技術が要らないという特長があります。材料費も安いので、それなら自分で2×4工法の物置を作ってみようと思い立ち、遊び半分でやってみました。住宅金融支援機構の『枠組壁工法住宅工事仕様書』とにらめっこして、適当に簡略化しながら、1 畳サイズの物置を作ってみたのです。

いろいろと学ぶことはありましたが、総合的にはお勧めできません。そんなことをする人はなかなかいないと思いますが、物置の仕様と、お勧めできない理由について書いておきます。

なお、ツーバイフォー工法で作るのは微妙ですが、ツーバイフォーを使うことに問題はありません(ポイントを押さえれば)。

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2×4物置の仕様と材料費

基礎:コンクリートブロックを置いただけ(固定資産税対策)。約1千円
土台:ACQ防腐処理済みの2×4材を縦に使用し、基礎パッキンも使用しました。約3千円
木材:2×4材 1820mm 30本以上、約1万円
床:構造用合板2級24mm(重いので 12mm x 2)。根太レス工法にしました。約2千円
耐力壁・野地板:構造用合板2級9mm 8枚。約8千円
外壁・屋根下張材:アスファルトフェルトをタッカーで固定。約4千円
外壁材:胴縁の上に杉板荒材を張り、塗料としてガードラックを塗布。約1.5万円
屋根:オンデュリン クラシックシート。一式約1.3万円

合計:約5万6千円

2×4物置の問題点

別に安くない

上記に加え、釘や金具、工具などの費用も含めると合計で約 7 万円かかりました。坪単価に換算すると、14 万円です。他の木材で作る場合よりは安いと思いますが、労力を考えると、イナバ物置やアイリスプラザの物置などと比べて決して安くはありません。100 人乗ることもできません。

無駄に強すぎる

壁を立てた段階で薄々気づいたのですが、物置にしては丈夫すぎます。壁を押したり横から登ったりしてもビクともしません。たかが物置に、2階建て住宅ができるくらいの強度は必要ありません。もっと簡易なフレームに構造用合板を貼り付けるだけでも十分な強度が得られたことでしょう。

内側に釘が飛び出る

建築中の現場を見たことがある人ならわかると思いますが、ツーバイフォー工法では釘をあえて貫通させることがあります。石膏ボードなどで内壁を張れば見えなくなるのですが、そのままでは危険です。しかし、物置に内壁を張ると、内部空間が結構狭くなってしまいます。キャップを付けて危険のないようにしましたが、まぁ不格好です。工法の仕様にこだわらず、釘が出ないようにしたほうがよかったなと後悔しています。

学んだこと

そんな残念な物置ですが、ツーバイフォー工法のいい勉強にはなりました。特に強く実感したのは、以下のことです。

難しい作業はない

難しい木材加工などが不要で、匠の技術が必要ありません。仕様にきちんと準拠できるかどうかのほうが重要だったように思います。住宅金融支援機構の『枠組壁工法住宅工事仕様書』は本格的ですがややわかりにくく、仕様の確認や設計に一番時間がかかりました。

以下のような本も読んだほうがよかったかもしれません。

木材の反りや変形が影響しにくい

材木売り場を見ると、まったく曲がっていない木はなかなかありません。これで家を建てたら、どこかで寸法が合わなくなる箇所が確実に出るな、と思います。多くの木造軸組工法の会社が集成材を使うのも納得です。木材は時間と共に乾燥収縮などで変形していくこともあり、大工仕事は本当に奥が深いと思います。

しかし、ツーバイフォーでは木材をそのまま柱として使うことはなく、まずフレームの木材(204)に合板を打ち付けて面材をつくります。これが強固なもので、釘で打ち付けてしまえばフレームをまっすぐに矯正することもできるし、それ以降変形していくこともほとんどありません。このため、素人仕事でも大きく寸法が狂うことはありませんでした。

乾燥さえ保てれば長持ちしそう

SPFの2×4材は風雨にさらすと長持ちしません。切れ端を庭に置いておいたらすぐにボロボロになりました。しかし、濡れたり直射日光に当てたりしないようにさえすれば、ほとんど劣化しません。ツーバイフォー工法では外側に構造用合板があり、その外側にさらに防水シートがあるので、濡れることは基本的にありません。物置は温度差も窓もないので、結露も発生しません。

ちなみに構造用合板は、本当に丈夫です。切れ端を土の上に 1 年以上置いて風雨にさらしていても、まだしっかりしています。

適当につくった物置ですが、外壁のメンテナンスさえ怠らなければ、かなり長持ちするのではないかと感じています。

ただしアイツ(G)は出るので、以下は必須です。

追記: 3 年経ちましたが、台風にも無傷で耐えており、状態良好です。ヤモリが住み着いていました。そろそろ 2 回目の塗装をしておこうかと思っています。油性塗料はキシラデコールが有名ですが、より安価なガードラックプロも定評があり、満足しています。塗る前によく攪拌させることが重要です。

小屋づくりには良さそう

小規模な物置にはツーバイフォーは向かないと書きましたが、もう少し大きな小屋になるとツーバイフォーは向いていそうです。床面積 10㎡ 未満なら確認申請なしに小屋を建てることができます(制約はあります:参考)。断熱材をしっかり詰めていつか作ってみたい気もしますが、やっぱり面倒かな。。

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