三井ホームに対する改善要望

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当サイトは三井ホーム施主ブログでありながら、三井ホームを特に勧めていません。それは、快適な住宅について突き詰めると不可欠な高気密・高断熱住宅として見た場合、現在の三井ホームは不十分だと思うからです。

ここでは、自らの住体験と、当サイトに寄せられる多数の声に基づき、三井ホームに特に改善していただきたい点についてまとめました。

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HEAT20 G2 レベルへの断熱仕様向上

HEAT20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)という民間の有識者団体があり、三井ホームは正会員です。

HEAT20 では、断熱性能の推奨水準として、外皮性能グレードを発表しています。そして、長期的にトータルコストが抑えられる断熱性能は HEAT20 G2 グレード以上ということも発表されています(参考記事)。

しかしながら、三井ホームの標準仕様はこのレベルを満たしていません(カタログでは標準仕様で UA 値=0.43 [W/m2K] と記載されていますが、これは現実的な数値ではありません)。

これはライフサイクルコスト重視という三井ホームのフィロソフィに反することであり、施主の利益にもなりません。暖冷房負荷の高い全館空調を勧めるのであればなおのこと、より高い断熱性能が望ましいのではないでしょうか。

具体的には、熱損失割合の高いと、断熱仕様基準に満たない屋根の断熱仕様を上げるべきと考えます。

また、細かいことですが、APW 330 の樹脂スペーサー仕様を気軽に採用できない点に不満を持つ方も少なくありません。

高断熱住宅に適した全館空調システムの開発

断熱性能の要求水準は高まっていますが、そこで問題になるのが、現状の全館空調システムの能力が過剰になるという問題です。

最近の高断熱住宅では、スマートブリーズと比較して冷暖房能力が半分以下の空調設備を使用し、より安価に全館空調を実践する試みが多数行われています(YUCACO システムやヒノキヤグループのZ空調など)。

ルームエアコンで全館暖冷房を実現することも可能ではありますが、間取りやプライバシーへの配慮など、こだわればこだわるほど難しい点もあります。三井ホームでも安価で効率的な全館空調システムを導入できるようになれば、幅広い消費者に受け入れられるようになるのではないでしょうか。

また、全館空調ユーザとして強く思うのは、設定温度を 1 ℃単位ではなく 0.5 ℃単位で設定できるようにしてほしい、ということです。この点は、他の有名な三井ホーム施主ブログでも同様の不満の声が挙がっています(『おすひとさんの三井ホーム特化型ブログ』記事)。

追記:これについては 2019 年 10 月に新しい全館空調システム(スマートブリーズワン)が開始されたようなので記事を書きました

寒冷地並みの高気密仕様と、全棟気密測定

第一種換気の全館空調のメリットを生かすためには高気密は必須です。

現状の三井ホームの標準的な気密性能では、必要な総換気量の 3 割前後の自然換気量が発生している可能性があります(換気量の問題の詳細はこちら)。これでは高断熱と熱交換換気のメリットを生かして切れておらず、効率的な湿度管理もままなりません。

また、三井ホームの全館空調を検討されている方はよく、壁内結露で壁が腐らないかを心配しています。「競合ハウスメーカーの営業担当者から傷んだ壁の写真を見せられた」という声も聞いております。この懸念を払拭するためにも、壁内への水蒸気の侵入を防ぐ気密層が万全であると言えることは効果的なのではないでしょうか。

まず導入していただきたいことは、住宅金融支援機構の工事仕様書などで規定される寒冷地向け相当の高気密仕様と、C値(相当隙間面積)の全棟測定です。C 値は数値が公表されれば競合他社と比べられる恐れはありますが、消費者にとって現状は「測定すらしていない三井ホームは気密を軽視している」との判断になります。

『三井ホームで高気密の家!?』という施主ブログがあるように、高気密を実現した事例と経験は、三井ホーム内に既にあります。

請負業者を含めて一定の気密性能を確保するのは難しいという問題もあるのかもしれませんが、C値を評価して競う社風さえできれば、長期的には必ず向上するのではないでしょうか。

三井ホームの発展のために

三井ホームには、他のハウスメーカーにない良いところも多数あります。しかしながら、上記の問題があるために、当サイトとしては必ずしも推奨できません。そのためか、これまでに 70 万人(注:cookie によって識別されたユニークユーザー数)を超える当サイト利用者のうち、当サイトを読んで三井ホームを検討した方々はいらっしゃっても、三井ホームに決めたという方は一人も存じ上げません。これは私としても非常に不本意なことです。

逆に考えると、上記の点さえ改善すれば、デザインと性能の両立にこだわる多くの潜在顧客を掘り起こせる可能性があります。改善への取り組みもいくつかは行われているようですが、もしすべて実現すれば、本当の高気密・高断熱住宅として当サイトでも自信をもって推奨できますし、住宅性能にこだわる多くの一般消費者からの評価も高まるのではないでしょうか。

高断熱化は初期費用の増加をもたらすので抵抗があるかもしれませんが、全館空調の工夫次第でトータルの初期費用は削減でき、住人のライフサイクルコストはさらに削減できます。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

三井ホーム関係者の方へ:上記の技術的な詳細については、新住協代表理事・鎌田紀彦先生の近著『本音のエコハウス』や西方里美先生の『最高の断熱・エコハウスをつくる方法 令和の大改訂版』でご確認ください。高断熱住宅はもはや寒冷地だけのものではありません。三井ホーム住人の方へ:今回、要望をまとめたのは、三井ホームが行っている住人に対するアンケートがきっかけです。これに本気で答えると長くなるので、ここに書いてみたわけです。もし賛同される方がいらっしゃいましたら、ご自由にご利用ください(コピペ、参照など)。

三井ホームで建てる方へ:これから三井ホームで建築予定の方に対する提案はこちらにまとめています。

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