「高断熱住宅では窓を開けない」は本当か?【設計上の反省点】 | さとるパパの住宅論

「高断熱住宅では窓を開けない」は本当か?【設計上の反省点】

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「高断熱住宅では窓を開けないのが基本」などと聞くと、そんな息苦しそうな生活はイヤだと感じるかもしれません。そういう声に対応してか、高断熱のハウスメーカーは、「春や秋など快適な時期は自由に窓を開けてください」という回答を用意しています。

しかし、2 年間生活してみて、この回答も的外れだなと思うようになりました。

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実体験にもとづく窓の開閉状況

ある程度高断熱な住宅に住んでみた者として、実際のところはどうかということを紹介しておきたいと思います。

実際、窓を開けることは少ない

まず、窓を開けないというのは本当です。

2 年間ほど生活してみて、ほとんどの窓は開けることがありません。一部の窓は、2 年間、一回も開けていないかもしれません。日常生活で窓を開け閉めするのは、手動のシャッターを開閉するときくらいです。

強い臭いの出る事態が発生したときに換気のために窓を開けることはありますが、これも数えるほどしかありませんでした(ちなみに、オナラではありません)。

人が出入りできるようになっている大窓は、庭であそぶ来客がある時に開けることがありますが、それも年に数回ほどです。

ふだん、換気のために開けることはありません

窓を開ける状況として、夏の午後に 2 階にこもった熱気を出すために窓を開けるというケースも考えられます。我が家は全館空調で 2 階も常に(無駄に)冷房しているため、このケースについては該当せず、よくわかりません。一般的な冷房方法ではそういう窓の開閉もあるかもしれません。

窓を開けない理由

窓を開けないのは、高断熱住宅で窓を開けてはいけないと言われているからではありません。全館空調の電気代がもったいなくて、熱が逃げないように窓を開けるのをガマンしているわけでもありません。

窓を開けないほうが明らかに快適で、開けたくなくなるからです。

それは性格のせいではないかと思うかもしれませんが、たぶん違います。以前、アルミサッシのマンションに住んでいたときは、よく窓を開けていたほうだからです。息苦しいと感じるときは、冬にも窓を開けていたほどです。

「春や夏は開けたほうがいいのでは」と思うかもしれませんが、春や秋でも、湿度と温度が共に快適で、風が強すぎず、砂ぼこりや農薬(田舎に住んでいるので)が入ってこないという条件を満たす時間帯はほとんどありません。

窓を開ける必要性を感じないので、窓を開けても、外の空気環境が悪くなる前に窓を閉めなければならないと考えると、面倒くさくて開ける気がしないのです。

掃除機をかけるときは?

掃除機をかけるときに窓を開けるべきかどうかは、住む前に気になっていたことの一つです。三井ホームの人に聞くと、「人による」という回答で、何とも腑に落ちません。

たしかに個人差のあることで、私としても新居でどうすべきか迷っていましたが、個人的には結論が出ています。

それは、それなりに排気がきれいな掃除機を使用していれば、掃除機をかける際に窓を開ける必要はない、というものです。

掃除機をかけているときに空気の汚れが気になるときは、むしろ、掃除機のフィルター掃除や紙パック交換の適期だ、と思うようにしています。

また、空気の汚れが少し気になったとしても、常時換気のおかげか慣れか、すぐに気にならなくなります。

今だから思う設計上の反省点

「高断熱住宅では窓をあまり開けない」とは知識として知っていましたが、まさかここまで窓を開けない生活になるとは思っていませんでした。

こんなに窓を開けないならば、次のようにすればよかったと思うことがあります。

FIX 窓でよかった

シャッターは寝室にはあったほうがよいと思いますが(参考記事:後悔している住宅仕様:寝室の窓とシャッター…)、それ以外の場所は、ほとんどの窓が採光専用の FIX(はめ殺し)窓でよかったのではないかと思っています。

トイレや風呂は開けられたほうが安心だと思っていたので開閉できる窓を設置しましたが、生活上、換気扇が壊れない限り開けることはないと感じています。風呂やトイレを寒くしないためにも、(断熱性能が壁より低い)窓はなしとするか、採光用に高い位置に小さな窓があればよかった、というのが反省点です。風呂やトイレに窓がないのはマンションなどではよくあることなので、窓自体、どうしても必要なものではありません。

FIX 窓は気密を取りやすいだけでなく、網戸が要らないので維持管理がラクというメリットもあります。泥棒の侵入方法として一般的なガラス破りによる開錠ができないので、防犯面でも優れていることでしょう。

ただし、現代の住宅は換気を機械に依存しているため、換気設備が壊れた場合や停電時のことも考えておいたほうがよいでしょう。いざというときに窓で換気できる経路を考え、一部にすべり出し窓などを採用するとよいかもしれません。

網戸は要らなかった

虫の多い日本では窓の網戸は必須だと思い込んでいましたが、換気として窓を開けることがなく、これほど開ける頻度が少ないとなると、網戸は最初から無くてよかったのでは、と思っています。

網戸が必要になるのは、換気のために窓を開ける場合に限られます。手動シャッターの開け閉めをする場合はどうせ網戸も開けなくてはならないので、換気に利用しない場合、網戸は不要なのではないでしょうか。

網戸は数年で劣化して張替えが必要になるので、数が多いとそれなりの費用(または手間)がかかります。

劣化したら、いっそのこと網戸枠ごと捨ててしまおうか、と密かに目論んでいる今日この頃です。

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