断熱材と断熱工法は何がよいか? | さとるパパの住宅論

断熱材と断熱工法は何がよいか?

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断熱材や断熱工法(外断熱など)については、これでなくてはならないとか、あれはダメだとかいった断定的な意見がよく見受けられます。こうした主張は、特に、高断熱が売りの工務店が自社の宣伝のために書いた本などで展開されています。

私としては、すべて完璧な最高の断熱材・断熱工法は見つかっておらず、どの断熱材・工法にも一長一短があるものと認識しています。このため、断熱材や断熱工法で住宅会社を限定してしまうのは、もったいないことだと思っています。

住宅会社が通常採用している断熱材・工法を無理に変えると、気密層をどうとるか、結露を防ぐ壁構成をどうするか、外装材をどう取り付けるかといったことにまで影響してくる場合があります。このため、素人の施主としてはあまり口出ししないほうがいいのではないかとさえ思っています。もちろん、同じタイプでより高性能な断熱材にするとか、厚みを増やすといった変更は、可能であれば問題ないでしょう。

断熱材や断熱工法において考慮すべきポイントは、断熱性(熱伝導率や熱抵抗値など)だけではありません。耐久性、耐火性、防蟻性、施工性、費用など、さまざまな観点から考慮する必要があります。

これら断熱材の各評価については西方先生の本『最高の断熱・エコ住宅をつくる方法』に詳しいので、興味のある方はお読みください。

さまざまな特徴を考慮した結果として、壁・床・天井(屋根)でそれぞれ異なる断熱材を採用することになったとしても、特に問題はありません。

ここでは、断熱材・断熱工法に関する話題をいくつか紹介したいと思います。

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グラスウールは問題か?

グラスウールはとても普及している断熱材です。異なる断熱材を採用している住宅会社はグラスウールを批判しがちですが、優れたメリットもあります。

グラスウールの問題として、結露で重くなってずり落ちるとか言われることがありますが、これは極端な例であり、何十年経っても状態を保っている例も多く見つかります。透湿抵抗や通気などから湿気の逃げ道を考え、きちんと施工していれば問題ないでしょう。施工に左右される面があるのは、吹き付け断熱材なども同じことです。

グラスウールのメリットとしては、防蟻性、防火性、耐久性が高いこと、製造時の二酸化炭素排出量が少ないこと、そして価格が安いことなどがあります。大きな欠点がなく、バランスが良い断熱材と言えるのではないでしょうか。

空気を通す性質はあるので、高い気密性能を確保するためには他の気密対策が重要になってきます。

参考 温暖地で気密性能(C値)を改善する方法

追記:気流止めが不適切な住宅では問題があります。他の断熱材でも問題ですが。詳細は「グラスウールの性能低下と劣化に関するデマ?」をお読みください。

断熱性能は劣化する

発泡プラスチック系断熱材についてはこちらの記事でも書いたように、防火性、防蟻性、コストにはやや難があります。

また、種類によっては断熱性能が低下するおそれもあります。

一方、基本的に空気を通さない性質のため、気密をとりやすいという大きなメリットもあります。

外断熱は高コスト

壁に対して、柱や構造壁の厚みに左右されずに分厚い断熱材を使うためには、外断熱が必要になります。

一条工務店などは標準仕様として充填断熱に加えて外断熱を施す付加断熱工法を採用していますが、これは一般的に高コストになります。寒冷地では普及している工法ですが、温暖地ではそれほど普及していないため、特に高コストになりがちです。

これは、断熱材自体のコストに加え、タイルなどの外装材を、構造用合板の上ではなく弱い断熱材の上に取り付ける必要があるため、という面もあります。

温暖地では、外断熱に頼らずに充填断熱を採用し、高性能窓や熱交換型換気で熱損失を減らすほうが経済的なように思います。

2×6工法であれば充填断熱の厚みを取りやすいし、発泡プラスチック系断熱材には高性能グラスウールよりもずっと高性能な(=熱伝導率が小さい)断熱材もあります。

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