温暖地で気密性能 C 値を改善する方法

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気密性能を重視していない木造住宅(在来軸組工法)の場合、温暖地の新築住宅の気密性能は、C 値でおよそ 5.0 以下のレベルになります。

こちらで実測値を紹介したように、気密をとりやすいツーバイ工法やパネル工法では 2.0 前後にはなります。しかし、いずれにしても、十分に高気密であるとは言えないレベルです。

気密性能を重視していない住宅会社で家を建てるしかない場合、この気密性能を上げるためには、どうすればよいのでしょうか。

すき間の分布

気密性能を上げる方法を紹介する前に、すき間がどこで発生しているのかを確認しておきましょう。

次の図は、実際の住宅のすき間を部位ごとに測定したものです。

この住宅は、次世代省エネ基準(III地域)の施工指針に準じて在来軸組工法で建設されており、C 値= 1.2 と、工法の割に良いほうです。


引用 林基哉他「内部建材の化学物質放散が室内空気質に与える影響」日本建築学会環境系論文集 第573号 2003.11 p.63-69

これを見ると、すき間の多くは、コンセント周り、天井(天井と壁の取合部を含む)、開口部(ドア、窓)などで発生していることがわかります。

気密性能を上げる方法

それでは、すき間の発生場所がわかったところで、これを少なくする方法を考えてみます。

外壁面のコンセントを減らす

コンセント周りでは多くのすき間が発生します。コンセントは少ないと不便ですが、設置場所を考えることで気密性能への影響を減らすことができます。

コンセントは、(気密層を設ける)外壁のある面に穴を開けて設置するよりも、部屋間の壁面などに設置したほうが、すき間を作らなくて済みます。

引き違い窓を減らす

引き違いの窓は日本では一般的ですが、気密性が低いという弱点があります。

最高の断熱・エコ住宅をつくる方法』(西方里見著)によると、住宅 1 軒分のサッシをすべて引き違い窓にするか、すべて片開き窓などにするかでは、C 値 0.3 相当の差があるそうです。

その程度なら気にしないという考え方もありますが、どちらでも良い場合は片開き窓にするのもお勧めです。

細部の気密処理を施す

次世代省エネ基準(H11)では C 値の基準がありませんが、北東北以北の寒冷地は 2 以下、それ以外は 5 以下という目安はあります。この性能に相当する仕様として、『枠組壁工法住宅工事仕様書』などには気密工事の仕様が詳述されています(過去の仕様書はこちらで無料で閲覧でき、これにも記載されています)。

この仕様において C 値 2 以下と 5 以下の違いは何かと探してみたら、2 以下の地域では防湿気密フィルムの厚さを 0.2mm 以上とするという点と、「細部の気密処理」を施すかどうかという点に主な違いがありました。

細部の気密処理とは、開口部まわり、設備配管まわり、コンセントまわりなどのすき間を気密テープなどで処理するというものです。

これらはすき間の多くが発生する部位と重なっているため、大きな効果が期待できます。

気密性能を特に重視していない住宅会社には、比較的かんたんな方法として、寒冷地の気密仕様を要求してみるとよいかもしれません。高気密を実現するには施工者の経験が必要になる面もあり、結果が保証されるものではありませんが、やらないよりはマシになるでしょう。

ちなみに寒冷地の仕様とはいえ、仕様書には、注意事項として、温暖地でも「細部の気密処理の施工に十分注意する」ことと記載されています。

我が家の失敗

参考までに、我が家は三井ホームで C 値 1.0 以下を実現できていません。三井ホームには初期の段階で C 値 1 以下にしたいことと C 値を測定したいことは話していたのですが、実際には気密性能を重視する施工が行われなかったため、標準の気密仕様となってしまったのです(参考:三井ホームの気密性能C値は?)。

担当者は「コンセントボックスまわりの気密処理」などと話していたので安心していたところ、その後担当者の変更があり、ちゃんと引継ぎが行われていなかったのです。気密測定のことは何も言わなくても施工担当者に引き継がれていたので安心していたのですが、測定結果を聞くときについでに確認してみたところ、特別な気密処理を行っていないことが判明したのでした。

これには非常にガッカリしましたが、三井ホームにしては良い結果だったのと、その他の面で融通を利いてもらいまくっていたので、問題にすることはやめ、諦めました。

問題は、私の確認不足でもあります。家づくりを計画していた当時は気密性能の重要性に確信が持てなかったため、それほど徹底して確認を行っていませんでした。また、我が家の設計、施工にかかわった建築士の方々は高断熱・高気密に対する意識が低く、窓の仕様などでも手間をとらせていたため、それ以上うっとうしいと思われないようにと遠慮してしまった面もあります。

当サイトで、高気密・高断熱には標準仕様で対応すべきと言っているのは、そういうわけです。

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