エアコンの連続運転が省エネになる条件

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エアコンの電気代を抑える方法として、

・こまめにスイッチをオン/オフしない方がよい
・風量自動の自動運転がもっとも省エネ

という事実はだいぶ広まってきていると感じます。しかし、24時間つけっぱなしの連続運転か、暑いときや寒いときにだけ運転する間欠運転のどちらを採用するべきかについては意見が分かれます。さまざまな調査を検索して調べても、〇時間程度ならスイッチを切った方が省エネ、などの結論が異なります。これは、家ごとに日射条件や断熱性能が異なることが原因です。

日射は「日射の管理で実現する省エネ住宅」で紹介した方法でコントロールできますが、断熱性能は住宅の窓や断熱材によって決まり、熱損失係数(Q 値)で表されます。日射をコントロールしたうえで、エアコンの連続運転と間欠運転のどちらがお得なのかは、この Q 値を見ればわかります。1.6 が連続運転と間欠運転の冷暖房費用が同じになる値になるため、それ以下なら連続運転、それ以上なら間欠運転がお得ということになります。

Q 値がわからない場合は、外皮平均熱貫流率(UA 値)が参考になります。Q = 1.6 は UA = 0.46 程度に相当します。ただし、UA 値は建物の形状が考慮されないため、同じ UA 値でも天井高や形状によっては冷暖房費が多くかかる可能性があります(詳細はこちらの記事を参照)。マンションなどで数値がわからない場合は、熱損失の大きい窓サッシが少なくともペア(二重)ガラスになっている必要があると考えるとよいでしょう。

Q 値が 1.6 を切るということは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の基準よりも高い断熱性能が求められることになるため、日本の温暖地では少数派です。つまり、ほとんどの住宅では、エアコンは連続運転ではなく間欠運転が経済的ということになります。連続運転がお得になる住宅は、トリプルガラスを採用しているような住宅か、ペアガラスでも壁や換気の断熱性能が高い住宅に限定されます。これらの住宅に該当する場合は、エアコンを連続運転することで電気代がむしろ安くなる可能性もあるため、試してみる価値があります。なお、エアコンの連続運転にはさまざまなメリットがある(別記事)ため、Q 値 2 程度でも試してみる価値はあると思います(電気代が高くなってもよければ)。

とはいえ、エアコンを連続運転に切り替えれば電気代が急増するのでは、という不安は拭いきれません。そんなときは、電力メーターを1週間程度で確認して平常時と比較し、連続運転を続けるかどうかを検討してみるとよいでしょう。

注意が必要なのは、Q 値 1.6 以下で連続運転がお得と言っても、あくまで間欠運転とのシミュレーション上の比較であるということです。エアコンをほとんど使わない場合よりも電気代が安くなるわけはありません。また、家が大きければ大きいほど電気代はかかります。狭いマンション暮らしでエアコンをあまり使わず我慢していた家庭が、一軒家を建ててエアコンの連続運転を始めれば、電気代は増えることでしょう(わが家のように…)。

追記空調方式ごとの Q 値と暖冷房エネルギーの関係をみると、Q 値 1.6 程度で暖房代が同程度になりそうですが、冷房代は高いという試算もあります。夏と冬の間の中間期などに空調を使うかどうかで差が出ているのかもしれません。全館冷暖房といっても「快適性重視と省エネ重視の 2 タイプの高断熱住宅」があり、間欠運転と同程度になるのは省エネ重視タイプの住み方のような気がします。

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