注文住宅大手ハウスメーカー 9 社の坪単価【2017 IR情報】

上場企業は投資家に向けて財務情報などを公開しており、そこからは興味深い情報を多く読み取ることできます。

ここでは一例として注文住宅(一部分譲も含む)の坪単価を紹介しますが、ほかに、主力事業、今後の注力商品、売上の構成、経費の割合、オプションの採用率などの情報も知ることもできます。決算説明会やファクトブックといった資料は意外と読みやすいので、みなさんも是非チェックしてみてください。

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坪単価に関する注意事項

各社の坪単価を紹介する前に、IR 情報や以下のデータを読むうえでの注意事項を述べておきます。

まず、今回示す坪単価は、主に注文住宅に関する年間売上高を年間売上戸数(または棟数)で割り、平均床面積(坪)で割ったものです。これは施主がハウスメーカーに支払う金額から算出される坪単価であり、それに何が含まれるか(外構、カーテン、照明、ソーラー、etc.)はケースバイケースであることにご注意ください。

施主が住宅を建てる際に実際に必要になるお金はこれだけに収まりません。詳細については、住宅づくりの入門書などをご参照ください。

棟数と戸数の違い

資料を読むと、住宅の単位が棟数の場合と戸数の場合があります。棟数は建物の数であり、集合住宅の場合は 1 棟に複数の戸数が含まれているのでご注意ください。

一口に戸建住宅といっても、二世帯住宅、賃貸併用住宅、事務所兼住宅などもあり、その割合や分類方法は各社さまざまです。ハウスメーカーによって、棟数と戸数で差があるケースと差がないケース、一方しか公開していないケースなどがあります。

たとえば積水ハウスの注文住宅の場合、2017 年度の販売戸数は 10,057 戸ですが、棟数では 8,839 棟です。

一般に、木造住宅は棟数と戸数に大きな差がない傾向があります。

なお、棟数でも戸数でも、坪単価でみる場合には差は出にくいものと思われます。

分譲住宅、リフォームを含むかどうか

たいていの IR 資料では、注文住宅、分譲住宅、リフォームやアフター、マンションなどを事業セグメントで分けていますが、分け方は各社多様です。戸建住宅セグメントに分譲住宅が含まれる場合、売上高に土地代を入れるかどうかも会社によって異なり、それによって金額に大きな差が出ることがあるのでご注意ください。

受注データと売上データ

IR 資料には受注と売上でデータが分かれて掲載されていたり、どちらかしか掲載されていなかったりします。受注は確定した売上ではない点にご注意ください。

平均床面積

注文住宅の平均床面積は 1 戸平均で見ると各社大きな差はなく、121㎡(36.7坪)くらいです。このため、特にデータがない場合、坪単価の算定にはこの数値を使用します。

なお、1 棟当たりの床面積は広く、分譲住宅の床面積は小さくなる傾向があります。

それでは、大手ハウスメーカーの坪単価を見ていきたいと思います。

積水ハウスの坪単価

ファクトブックによると、請負住宅(分譲・賃貸住宅、リフォームを除く)の 1 棟あたりの売上高は 3,807 万円、坪単価は 91.2 万円とのことです。1 棟あたりの金額であるため、戸数に換算すると、1 戸あたりの売上金額は 3,346 万円になります。

なお、戸数で見ると木造(シャーウッド)の割合は 30.4% ですが、売上高に占める木造の割合は 33.3% あるので、積水ハウスの場合は木造のほうが鉄骨より高価格帯であることがわかります。

セキスイハイムの坪単価

決算説明会資料によると、おそらく分譲住宅も含めての数値と思われますが、戸建 1 棟あたりの売上金額が 3,110 万円、坪単価は 83.5 万円とのことです。

戸建住宅のうち、木造(ツーユー)の割合は棟数で 16% 程度ですが、価格を抑えたグランツーユーV は売上が伸びているようです。

へーベルハウスの坪単価

決算説明資料によると、旭化成ホームズの戸建(へーベルハウス)の売上高は 3,049 億円、売上戸数は 10,076 戸だそうです。

ここから計算すると 1 戸あたりの売上金額は 3,026 万円です。床面積のデータは見つからなかったので、平均的な床面積から推測すると、坪単価は 82.5 万円前後となります。

大和ハウスの坪単価

ファクトブックによると、分譲を除く戸建住宅の 1 戸あたりの売上金額は 3,590 万円です。平均面積 134.1 ㎡から計算すると、坪単価は 88.3 万円になります。

平均売上金額の工法別データから計算すると、比較的安価な木造住宅が占める割合は 1 割を切っているものと思われます。

タマホームの坪単価

ファクトブックによると、注文住宅の売上高は 1,354.1 億円、販売棟数は 7,913 棟とのことです。計算すると、1 棟あたり 1,711 万円です。床面積のデータは見つからなかったので、平均的な床面積から推測すると、坪単価は 46.6 万円前後となります。

最近では高価格帯の商品も販売されていますが、まだ割合は少ないようです。

住友林業の坪単価

ファクトブックによると、戸建注文住宅の売上高は 2,886 億円、販売棟数は 7,556 棟とのことです。計算すると、1 棟あたり 3,819 万円です。公表されている坪数(39.1 坪)から計算すると、坪単価は 97.7 万円です。

ミサワホームの坪単価

決算説明資料によると、受注データになりますが、注文住宅の 1 棟当たりの受注金額が 2,769 万円、坪単価が 75.3 万円とのことです。

三井ホームの坪単価

決算説明資料によると、注文住宅(賃貸・非専用住宅を除く)の建築請負の売上高が 1,012 億円(2,540 棟)なので、計算すると 1 棟当たりの売上高は 3,985 万円です。床面積のデータは見つからなかったので、平均的な床面積から推測すると、坪単価は 108.6 万円前後となります。

あまりの高さに驚いて、別途記事を書きました。
三井ホームの坪単価が高い理由

桧家住宅の坪単価

決算説明会資料によると、売上高は 406 億円(1,855 棟)なので、1 棟当たりの売上高は 2,187 万円です。床面積のデータはないので、平均的な床面積から推測すると、坪単価は 59.6 万円前後となります。

桧家グループのなかでは、低価格帯のパパまるハウスが特に伸びているようです。

あくまで平均です

以上、上場している大手ハウスメーカーの坪単価を紹介しました。

ハウスメーカーによって大きな差があり、ローコストでないハウスメーカーは一般的に高価格であることがわかります。

ただしこれらはあくまで平均です。売れ筋の住宅タイプは会社ごとに異なりますし、価格ごとの分布まではわからないので、低価格帯と高価格帯の住宅が二極化していたり、一部富裕層が平均価格を押し上げているケースも考えられます。あくまで参考情報としてご活用いただけると幸いです。

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