住宅の建築費の推移を調べてみたら過去の坪単価は当てにならないことが判明 | さとるパパの住宅論

住宅の建築費の推移を調べてみたら過去の坪単価は当てにならないことが判明

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先日、読者の方から、「ハウスメーカーから提示された建築価格が高すぎるので吹っ掛けられているのでは?」というお問い合わせを頂戴しました(返信後に音信不通となっているので、こちらからのメールが迷惑メールに分類されたかもしれません)。

実際、わが家の契約時(2016年頃)の坪単価と比べてみると高く感じたので、最近の住宅工事価格について調べてみました。

すると、近年、ウッドショックだとか供給不足だとかいろいろいわれていますが、その現実に驚かされました。。。

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近年の住宅価格の変遷とその内訳

建築物の工事価格の動向は、一般財団法人建設物価調査会が物価指数を公表しています。
このサイトに公開されている建築費指数のうち、2022/4/11 に掲載された「接続指数 標準指数、構造別平均指数」というデータの一部を紹介したいと思います。

まず、住宅の純工事費の推移を以下に示します。

出典:建設物価調査会

この建築費指数は、2011 年の住宅工事費を基準=100 としたときの相対的な工事費を表しています。

たしかに、近年は少しずつ上がっています。
2021 年は 2016 年比で 12% ほど高い水準です。

しかし驚いたのは、直近 1 年ほどのデータです。

出典:建設物価調査会

暫定値とはいえ、2022年3月の建築費は、2021年1月よりも 15% ほども上がっていました。

2011年を基準とすると、2022年3月の建築工事費は 34% 以上も上がっています。
約 10 年前の坪単価が 60 万円なら、現在は約 80 万円ということになります。今後の動向に注目です。

ネットでは坪単価などの情報が多数掲載されていますが、数年前の金額を現在に当てはめることはできません。
いつの情報かをチェックして考慮する必要がありそうです。

なお、この建築物価指数では、より詳細な内訳のデータも掲載されています。
参考までに、2022年3月の項目別の建築費指数は以下のとおりでした。

ウッドショックといわれるように、木工費が特に高騰しています。

今後どうなるか?

現時点で住宅価格はかなり高くなっていることがわかりましたが、今後はどうなっていくのでしょうか。
一応、私なりの見解を書いておきます。

近年は世界的にインフレが進行しています。通常、インフレが起こる国の通貨は安くなるので、日本円の価値が変わらないのであれば影響しません。

しかし現在、いろいろな要因で日本円は急落(円安進行)しており、資材などの輸入価格の上昇が見込まれます。直近は2022年3月から5月にかけての短期でドル円が115円から130円まで下がっており、この影響はこれから建築費上昇に反映されていくことでしょう。

円安が収まればよいのですが、日銀は国債の利払い費が問題で政策金利を上げることができず、再び円高になる未来は見えません。

また、建築費高騰にはウッドショックが影響していますが、こちらも木材輸出国ロシアの動向が関係し、いつ収束するのかは不透明です。

したがって、住宅の建築費は今後もしばらく上がり続けるのではないでしょうか。住宅ローン金利も上がる可能性があり、住宅購入はますます厳しくなっていきそうです。

とはいえ希望もあります。円の価値が下がり、日本でもインフレが進むとしても、いずれは海外への輸出やインバウンドでの収入が増え、額面上の収入が増えるはずです。通貨の価値が下がり、収入金額が増えれば、住宅ローンの返済はラクになります(特に固定金利の場合)。年金などの世代間格差も是正されるかもしれません。変化の激しい時代になりそうですが、現役世代にとってはそう悪いことばかりではないかもしれません。

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