アイフルホームの耐震性・断熱性・気密性などを評価する | さとるパパの住宅論

アイフルホームの耐震性・断熱性・気密性・特長について

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フランチャイズの大手ハウスメーカーであるアイフルホーム(LIXIL住宅研究所)は、近年注目に値する新商品を発表しています。それなりに高い耐震性能を誇り、高い気密性能と断熱性能を有している大手ハウスメーカーは意外と他にありません。そのうえ低価格帯をも実現しています。ハウスメーカーの中で価格と性能を重視する場合には、有力な選択肢になるものと思われます。このアイフルホームについて、耐震性などの各性能をそれぞれ見ていきましょう。

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評価

耐震性:★★☆ (大地震で倒壊はしないが損傷あり)

木造軸組工法を基本としながら接合部を金物で強化し、合板を張ることで耐震性を高めています。阪神大震災後に普及した工法の一つです。過去の震災では、阪神大震災で倒壊ゼロというデータが公表されています。以降の他の震災ではどうだったのかが気になるところですが、制震システムが標準装備である点はシャーウッドなどにはないため、軸組工法のなかでは好印象です(参考記事:「制震・免震は必要か」)。

実大耐震実験も行われています(参照PDF)。阪神大震災レベルを繰り返し加振した結果、内装に一部損傷が生じています。内装材の被害ゼロを掲げているミサワホームなどの面構造の住宅ほどは強くありませんが、構造体の損傷はないため、深刻な被害を受けることはまれでしょう。被害を最小限に抑えるためには、重量の重い瓦屋根の採用を避け、吹き抜けは作らない方がよいかもしれません。

断熱性:★★★ (標準でパッシブハウス レベル。低コストで全館冷暖房が可能)

セシボ極の UA 値は 0.30 とのことなので、Q 値でいうと 0.7 程度となります。より低価格帯のセシボ零の UA 値は 0.52 なので、Q 値でいうと 1.8 程度となるでしょう。カタログ値なので割り引いて考える必要がありますが(参考記事)、それでも大手ハウスメーカーのなかでは最上位クラスです。ただ、天井の断熱レベルが低めなのは少し気になるところです。

セシボ極は一条工務店の i シリーズに近いレベルです。24時間全館冷暖房を行って家中の温度を一定にしても電気代があまりかからない住宅が実現できるでしょう。

セシボ零でも、ZEH対応(UA<0.6)レベルを上回る断熱性能はあります。全館冷暖房を行うと電気代が高くなってしまいますが、家内の温度差がそれほど大きくない、暖かさを実感できる家にはなるでしょう。冷え性の改善程度は期待できます。

気密性:★★★ (湿度の管理も可能なレベル)

2015年度の実測平均値として、C 値 0.61 とのこと。一条工務店とほぼ同レベルで、スウェーデンハウスを超えています。パッシブハウスの基準(0.2 未満)まではいかないものの、このレベルであれば熱損失の影響を受けることなく計画換気を行うことができます。除湿・加湿をより効果的に行うこともできるでしょう。経年変化で隙間が増えることを考えると、このくらいの C 値は必要です。他の大手ハウスメーカーも見習ってほしいものです。

ちなみに換気システムは第一種ダクトレス熱交換換気(詳細記事あり)とのこと。三菱のロスナイなどで部屋ごとに換気を行うようです。

コストパフォーマンス:★★★(値段の割に高性能)

建物本体参考価格(税抜)は、40坪の場合、セシボ極で1920万円、セシボ零で1659万円とのこと。坪単価にすると、それぞれ48万、41.5万です。当然その他もろもろの費用はかかりますが、セシボ極でも一条工務店のiスマートよりは低価格に収まるでしょう。メンテナンス費用の多くを占める外壁の塗り替えは、セルフクリーニング機能付き外壁の場合15年くらい持つようなので、一般的な塗り替え間隔を10年とすれば低コストな方になります。

主な特長

特長1:大手ローコスト・ハウスメーカー

アイフルホームは年間4千棟以上の木造住宅を供給しています。タマホームなどと共に、ローコスト住宅を供給している会社としては大手のハウスメーカーになります。大手の安心と、さまざまな口コミ情報が得られるというメリットがあります。

特長2:LIXILグループのフランチャイズ

アイフルホームはLIXIL傘下の会社です。他のハウスメーカーと異なり、フランチャイズ方式を採用しています。このため、良くも悪くも、加盟店ごとの違いは他のハウスメーカーの支店ごとの違いより大きいものと思われます。近隣に複数の展示場がある場合は、両方の会社を比べてみた方がいいかもしれません。

LIXIL傘下ということは、LIXILの住宅材料を主に採用することになります。LIXILはほとんどの建材分野でトップを争うシェアを有する大企業なので、いいものを安く採用できることが期待できます。一方、どうしても他の会社のものを採用したい場合には、高くついてしまうかもしれません(想像です)。

ここが不満

広く使われているLIXILの建材でまとめられているためか、外観は平凡な印象です。また、ハウスメーカーと比べると安い方ですが、フランチャイズ方式には上記のメリット・デメリットがあり、フランチャイズ料もかかるため、工務店や地場ビルダーと比べると自由度が低く割高、という見方もできます。

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