気密性能を示す相当隙間面積(C 値)は意味がない? | さとるパパの住宅論

気密性能を示す相当隙間面積(C 値)は意味がない?

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断熱性能に比べ、気密性能(C 値)は軽視されがちです。日本の大手ハウスメーカーや省エネルギー基準においても多くの場合、軽視されています。そのため、一般的な第三種換気システムには問題がある(別記事)にもかかわらず、なかなか改善されていないのが現状です。なぜ高気密である必要があるのか、気密性能を示す相当隙間面積(C 値)はどの程度必要なのかについては「気密性能はどこまで求めるべきか(C値)」で説明しています。しかし、気密性能はなかなかイメージがわきにくいものであり、以下のような、C 値など意味がないという極論を見かけることもあったため、ここで補足したいと思います。

誤解1:C 値の測定では換気扇をテープでふさいでおり、実態と異なるので意味がない

C 値の測定現場を見ると、いろいろなところをテープでふさいでから測定を行っています。そんな実際の生活環境と異なる条件で測定したって意味がない、と思ってしまいますが、テープでふさぐのは正式な測定法です。C 値で測定したいのは、「計画的に換気できない建物の隙間」です。換気扇などを通る空気は計画的に管理できる空気であり、隙間ではないため、除外する必要があるのです。

誤解2:どうせ 24 時間換気するのだから隙間の大小など関係ない

換気装置の義務付けにより 2 時間で 1 回空気が入れ替わるほどの換気が行われるのだから、隙間風があってもなくても同じこと、と言われるとそんな気がしてしまいます。しかし、計画換気と隙間風は似て非なるものです。隙間風は強風時には嫌でもたくさん入りますが、無風時には換気を期待できません。また、入ってくる外気の温度や湿度がいくら不快でも、排除することができません。そして、隙間風は、中途半端に少ないと、空気がよどむ箇所が発生します。ここに湿気がたまり、カビやダニが発生しやすくなります。そこに窓サッシなどで温度差があると、結露も発生しやすくなります。窓を開けて換気するにしても、外気が適温で乾燥しているという条件がそろうことはなかなかありません。このため、住宅は気密性能を高め、計画換気を行う必要があるのです。

なお、同時に、2 時間で 1 回も空気が入れ替わるのだから断熱性能が高くても意味がない、という意見もありますが、Q 値には換気の熱損失が考慮されています(UA 値は別)。換気の熱損失は、熱交換型換気でない場合、Q 値換算で 0.43 前後となり、大きくもなく、小さくもない値です(「断熱性能は窓、壁、換気で決まる(部位別の断熱性能比較)」を参照)。

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