避けられない財政破綻:固定金利と変動金利で住宅ローンはどうなるか

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住宅ローンには、フラット35などの固定金利と変動金利があります。金利が上がるならば固定金利、上がらないなら変動金利が有利となり、どちらがお得かはよく議論されますが、将来どうなるかは不確実なので、確定的なことは誰にもわかりません。財政危機による金利上昇が懸念されながらも、低金利が長期にわたって続いていること、労働人口が減って経済成長も見込めないことから、金利が上がることはもうないような気もします。

財政破綻は起こるか?

それでも私は、財政破たんは避けられないと考えています。近年の社会保障費(年金+医療費)は膨らむばかりで、財政を健全化するためには社会保障を大幅にカットするか大増税するかの 2 択しかない状況です。もはや成長戦略などで解決できるレベルではありません。

そんな状況であるにもかかわらず、政治家も国民も、どちらの選択肢も受け入れる気はありません。財政健全化が無理となれば、いずれ財政破綻が起きることは避けられないのではないでしょうか。過去のバブルを事前に予測し、ビットコインなどの仮想通貨にもいち早く着目していた野口悠紀雄氏が現在、破たんを予測していることも見逃せません。

財政が破綻したら何が起こるか?

返済の見込みがなく借金が膨らむばかりでは国債は信用を無くし、暴落、つまり金利が上昇します。金利が上がると銀行の財政が悪化し大混乱になるので今のところ政府や日銀は必死に長期金利を抑えていますが、国民の貯蓄は徐々に減り、国債の格付けは下がる一方です。ギリシャの例を思い出せばわかるように、始まるときは急激に進みます。金利が上がったら固定型に乗り換えようなんて思っていても、そのタイミングの決断は難しいでしょう。

住宅ローンはどうなるか?

財政破たんが起きると住宅ローンはどうなるのでしょうか。財政破たんが起きるときは、金利が上昇し、インフレが発生します。日本でも、戦後には3年半で物価が100倍、8年間で300倍というスーパーインフレがあったそうです(ちなみに対GDP比の債務は現在、すでに終戦時を超えています)。

変動金利を選択した場合

このようなときに変動金利を選んでいた場合は、連動して金利が上昇し、借金の返済額が膨らむことになります。変動金利の住宅ローンをよく調べると、実は金利が上がっても毎月の返済額が急激に上がらないような仕組みが組み込まれています。しかし、月々の返済額が大きく変わらないとしても、実質的な借金は減らずにどんどん増えてしまいます。稼ぎのある現役労働者はインフレが起こると収入も上がるので、仕事を続けていれば、そんなときでも繰り上げ返済で何とか完済することはできるかもしれません。しかし、給料が増えるのにはタイムラグがあるし、金融機関の混乱も予想されます。

固定金利を選択した場合

一方、固定金利を選んでいた場合、給料は増えても借金の返済額は変わらないため、どんどん楽に返済できるようになります。そうなればすぐに繰り上げ完済することもできるでしょうが、インフレが落ち着くまで、待てば待つほど実質的な借金は目減りしていくので、ゆっくり楽々返済した方が良いでしょう。給料が300倍になれば、返済なんて楽勝です。資産である家はそのまま残ります。これが、住宅ローンで大儲けできるというワケです。

この破綻シナリオを信じるならば、今家を買えるだけのお金があったとしても、固定金利で住宅ローンを組んだ方がメリットがあることになります。インフレになれば現金や借金の価値は目減りしますが、インフレに強い株などの資産の形で保有しておけば、インフレに合わせて価値が増大するからです。

いつ起こるか?総返済額の差は?

問題は、財政破たんがいつ起こるのか、という点です。社会保障費の増大や国民貯蓄の減少ペースからして、私は2030年よりは早い時期だと思っています。ちなみに、3000万円を35年借りた場合、固定金利で1.0%の場合と、全期間0.5%だった場合の総返済額の差は約300万円になります。つまり、変動金利か固定金利かという選択は、今後30年以上金利が上がらないと見込んで300万円得することにかけるか、低金利が続き最悪300万円損する覚悟で大儲けできる可能性にかけるか、という選択なのです。

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