匿名ブロガー・投稿者のための名誉棄損に関する注意点

昨今、ブログをやっている方や、掲示板に投稿したりする方で、ときに批判的なことを書くことがある方は、名誉棄損について知識を付けておく必要があります。

以下のことはご存知でしょうか?

・名誉棄損には、刑事名誉棄損と民事名誉棄損がある
・名誉棄損は事実かどうかに関係なく成立することがある
・具体的な事実の摘示がない論評でも名誉棄損になることがある

ご存知でなかった方は、Wikipedia の説明などを読んでおいたほうがよいかもしれません。といってもそこまで恐れる必要はなく、公益を図ることを目的として、公共の利害にかかわる事実を書いていれば、不法行為にはなりません。特定の人や会社などの社会的評価を落とす可能性があることを書くときは、相当な根拠があるかどうか、公共の利害に関することかどうかに注意すればよいだけです。

というのが、これまでの私の理解でした。特定の会社にとって都合の悪いことであっても、消費者が損をしないようになるならと、会社名を出してひたすら記事を書き続けてきました。匿名であっても違法行為をしてはいけませんが、匿名であれば不当な嫌がらせを受ける心配もないからです。

しかしながら、あることをきっかけに、それだけでは不十分であることを思い知らされました。

その理由を述べる前に、まず個人情報の開示に関する制度について紹介します。

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個人情報の開示をめぐる制度

ここでは、匿名の記事や投稿をめぐる発信者の個人情報開示について、関係する制度を紹介したいと思います(名誉棄損だけでなく、著作権侵害なども同様です)。

匿名のブログ記事や投稿によって権利を侵害されたと思った人は、発信者を特定するために、プロバイダに対して発信者情報開示請求を行うことができます。これを受けたプロバイダは、このことについて発信者に意見を聴くことが義務付けられているため(プロバイダ責任制限法第4条)、発信者に回答照会を行います。

その後、プロバイダは双方の意見を考慮し、権利の侵害があることが明らかであり、なおかつ情報を開示する正当な理由があると判断した場合に限り、発信者の個人情報を開示します。プロバイダは発信者の秘密を守る義務もあるため、一般的に、明らかな違法行為がないかぎり開示しない傾向にあります。

被害者は、発信者情報開示を拒否された場合、プロバイダを訴えることにより、開示するかどうかの判断を裁判所に委ねることもできます。情報が開示されれば、その発信者に対して謝罪や損害賠償などを求めることができます。

開示の判断はまずプロバイダ

上記のしくみは被害者・加害者の双方の立場が配慮されていて合理的なようですが、最初に開示するかどうかを判断するのがプロバイダである点には注意が必要です。

発信者情報開示請求は、本当に権利の侵害があるかどうかにかかわらず、形式さえ整っていればプロバイダに受理されます。当サイトのような独自ブログの場合、プロバイダとはレンタルサーバー会社のことです。そこでどんな判断が下されるのかは、やってみなければわかりません。

不法行為を行っていなくても、情報発信により不利益を受けた会社等はどんな手段を使ってでもその情報発信を止めようとする可能性があります。そして、弁護士が法的ポイントを押さえて、巧妙に、いかにも権利の侵害があるかのように立派な書類をつくれば、プロバイダや裁判所によって誤った開示判断がなされる可能性はゼロではありません。あまりに専門的な話では、公益性があるかどうかの判断が難しいこともあるかもしれません。

情報発信者として注意すべきこと

以上を踏まえると、まず、事実であっても特定の人や会社などの社会的評価を落とすことを書く場合、個人情報が開示される可能性があることは覚悟しておいたほうがよいでしょう。

発信者情報開示請求が行われた場合、1週間くらいの期限で法的問題を整理して回答する必要があり、手間がかかります。

ふつうに働いている人にとっては、法的文書が来るだけでもストレスになりますし、そんなことに時間を割いているヒマもないでしょう。

もし言いがかりを付けられて個人情報が開示された場合には法廷で争うことになり、対応しきれません。私の仕事は比較的時間に融通が利くので、もし開示されて訴えられることがあれば反訴してでも徹底的に戦いますが。

そんなわけで、ブログなどでの情報発信にはくれぐれも注意しましょう、というお話でした。

当サイトもこれからは、角を取って丸いさとるパパになろうと思います。角丸パパに改名します。

ここで本題です。法律に詳しい方、当サイトに名誉棄損などを疑われそうな記述があれば教えてください。こっそり修正しますので。。

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