気密改善計画の手始めとして、まずは現状把握として簡易気密測定を行いましたが、次に気密の問題となっている箇所を調べてみました。
気密の問題箇所は、すき間から冷たい外気が入り込んで温度が下がっているはずなので、寒い日にひたすら怪しい箇所の表面温度をチェックするという方法です。
本当は赤外線サーモグラフィー(スマホで使える以下商品など)があると良いのですが、そこまでやる気はありません。。
FLIR(フリアー) ONE Gen3 4800画素 赤外線サーモグラフィー
使ったのは、ただの千円台で購入した放射温度計です。
しかし調べてみて気づきましたが、問題箇所は手で触れたりかざしたりするだけで明らかに冷たいことがわかります。寒い日ならOKです。
今回調べた箇所は、コンセント・スイッチ周りと、ユニットバスの周囲、巾木、そして屋根裏(わが家は屋根断熱)です。
コンセント・スイッチ周りの気密漏れ
コンセントボックスの気密処理は、築前の打合せの口約束でやってもらえると油断していて、何も対処されていなかった箇所です。
気密層の取り方はいろいろあり、工法によってはコンセントの気密処理が不要な工法もありますが、シート気密工法(外壁外側ではなく室内側の石膏ボード裏の防湿気密シートで気密を確保する工法)では重要なポイントと思われます。
試しに壁のコンセントカバーを外してみると、やはり壁(シートを含む)に穴が開けられているだけで、気密は確保されていません。
ここは改善の余地がありそうですが、家中のすべてのスイッチ・コンセントボックスに気密処理を施すとなると、個数が多いので骨が折れます。影響が大きい箇所に重点を絞って対処したいと思い、周囲との温度差が特に大きい箇所を調査してみました。
寒い日にコンセントボックスの表面温度を測定すると、やはり、周辺の壁温度より 1~2℃ほど低くなっています。
すべてチェックすると、以下のことがわかりました。
- 問題なのは外壁面のみ。間仕切り壁は問題なし
- 壁をふかしている箇所も問題なし
- 1F のコンセントの温度差が大きい
- スイッチはコンセントほど冷えていない
- LAN の穴はツーツー
- 家具裏は冷えやすい
1 の間仕切り壁に問題がないのは、ツーバイフォーの壁が板と枠材で囲まれているために外気の流入が起きていないからでしょう。軸組工法で、剛床でない場合(根太レス工法ではなく根太床工法の場合)には、ここも注意が必要かもしれません(まず対策すべきは気流止めです)。
3 と 4 は、住宅内の温度差によって低い位置ほど負圧が大きく、冷たい外気が流入しやすいことが影響していそうです。そう考えると、スイッチや 2F のコンセントボックスは温度差が低くても、室内の暖かく湿った空気が壁内に侵入する方向に移動しているから冷えないだけで、壁内結露のリスクに関してはむしろ問題かもしれません。
5 の LAN の穴は、フタを開けると冷気が通っていることが指ではっきりとわかります。気密処理しない場合、使わない LAN の穴は塞いでおいたほうがよさそうです。
6 は、ソファの裏にコンセントがある箇所で、12℃くらいまで下がっていたので驚きました。暖房の空気が当たりにくいことと気密漏れがあることの相乗効果によって、結露が起きてもおかしくないくらいの温度にまで冷えていたのです。こうして家具や家具裏がカビるのだなと納得し、早く気づいてよかったと思いました。
そういうわけで、はじめは重点を絞ろうと思っていましたが、間仕切り壁とふかし壁以外のスイッチ・コンセントはすべて対処することにしました。外壁面に面するコンセントやスイッチは合計 20 箇所ほど。地道に気密処理していきたいと思います。
方法については次の記事に書いています。
ユニットバス周りの気密漏れ
家のサプリの動画を見て気になったのは、ユニットバス周りの気密処理です。
浴室のドア下は以前からなんとなく冷たい気がしていたのですが、金属部品のせいだろうと気に留めていませんでした。
しかし、ユニットバスの洗い場の床温度を実際に測定してみると、ドア下やユニット周囲の床が中央部より 1℃ほど温度が低いことが確認できました。
気密と断熱のどちらの問題なのかはわかりませんが、動画と同様、ユニットバスと周囲との隙間に問題があるのかもしれません。
これは床下に潜って確認しようと思います。
外壁/床面間の気密漏れ
さまざまな表面温度を測っていると、外壁と床の接続部分で3~4℃ほど温度が低いことが確認されました。主に、巾木と床材の隙間の部分です。
最初は木部の熱橋の影響かとも思いましたが、レンジフードで負圧をかけたときに気流を感じることと、上記の動画でも巾木からスモッグが上がっていることから、外壁/床面間の気密処理の甘い部分から外気が入ってきているのだと確信しました。
わが家の床は剛床工法であり、合板間は接着剤で気密がとられているためか、床面/内壁間の巾木の下は問題ありませんでした。問題は、外周部とユニットバス周囲です。
こういう箇所は床材を施工する前であれば気密テープで処理できそうですが、現状では巾木と床材との間の隙間を埋めることくらいしかできません。効果があるかは不明ですが、そのうちコーキングで埋めてみたいと思います。
屋根裏の気密漏れ
最後に、一応、屋根裏にも入って簡単にチェックしてみました。
簡易気密測定の際に屋根裏の点検口からの気流がほとんどなかったことから大きな問題はないと思っていましたが、案の定、素人にわかるような大きな問題は見つけられませんでした。勾配があって狭いので、チェックできるところは限られてしまいます。
ただ、木の接合部にはわずかなすき間があるようで、非常に狭い範囲で2℃くらい温度が低い箇所はありました。
また、三井ホームオリジナルの屋根材であるダブルシールドパネル(DSP)を見ると、次のように直径 2~3cm の穴が開いている箇所がいくつもありました。
一応、発泡系の断熱材で穴埋めはされているのですが、たいていは穴埋めが浅く、温度も少し低くなっていました。こちらは軽い断熱の弱点です。
これらの箇所の影響は微々たるものと思いますが、少しでもマシになればと、せっかくなので気密テープで塞いでおきました。
最後に簡易気密測定をして、気密が改善したかをチェックしてみました。やはり差圧に変化はなく、特に意味はなかったようです。。
気密テープはブチル系が安いのかと思っていたらアクリル系が安かったので以下を使いました。
追記:負圧をかけて気密漏れをチェックする方法
上記は寒いとき限定の気密チェック法ですが、気温を問わずチェックする方法もあります。
それは、気密測定の時のように換気経路をふさぎ、レンジフードで排気して、住宅内を負圧にする方法です。
負圧にすると、ある程度大きいすき間からは手で感じられるほどの気流が発生します。
わが家の場合、この方法により、床下点検口や、マルチメディアボックスの配線から外気が侵入していることがわかりました。
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