枠組壁工法でかんたんに気密をとる方法?

ツーバイフォー工法では、ある程度の気密がとれるものの、「気密施工が苦手な工務店が多い温暖地でC値 1.0 以下を確保するにはどうすればよいのか」は、私にとって大きな悩みでした。今回、それを改善する方法が見つかった気がするので書いてみますが、そうしたことは行われているのか、どういう課題があるのかなどは不明なので、ご意見いただけると幸いです。

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ツーバイフォーの気密に関する状況

木造住宅は大きく軸組工法と壁工法に分かれ、どちらでも高気密は実現できますが、日本の高断熱・高気密住宅はどちらかというと(在来)軸組工法が中心です。ただの在来工法では気密は取れませんが、新住協などが軸組工法で高気密住宅にする工法を発展させたため、高気密住宅の多くを一部の工務店が建てている印象です。

いっぽうで、壁工法を代表するツーバイフォーは気密を取りやすい工法であるにもかかわらず、業界リーダー的存在の三井ホームをはじめとして気密を重視しない会社が多いため、中途半端な気密性能のツーバイフォーが多い印象があります(ただし、ツーバイフォーのビルダーであっても、北欧やカナダ、ドイツなどの輸入住宅に外見だけでなく本格的に取り組んでいる会社では、きちんと高気密な住宅を建築しています)。

そういう状況なので、日本で高気密化の方法を調べると、見つかるのは軸組工法を対象とした情報がほとんどです。参考にしようとしても、そもそもツーバイフォー住宅に当てはまるのかどうかや、どう違うのかを理解しなくてはなりません。

そのあたりが私には難しく、ツーバイフォーの具体的な気密化の方法は理解があいまいなところが多くありました。
枠組壁工法住宅工事仕様書』はなんとなく読みましたが、C値2.0以下程度の仕様までしか書かれていないし、専門用語が多くてわかりにくいところがあります。

カナダホームビルダーズ協会による『R‐2000 高断熱・高気密住宅の計画・施工マニュアル』は参考になりそうですが、やや高額だし、1997年の本なので、今の日本のツーバイフォー住宅に適用しやすいかはよくわかりません。

そんな程度の理解ではありますが、気密について少し勉強してみた結果、枠組壁工法(ツーバイフォー、ツーバイシックスなど)でかんたんに気密をとる方法として、以下の2つがあると思うようになりました。

  1. 発泡プラスチック系断熱材を使用する
  2. ボード気密工法を参考にする

温暖地のツーバイビルダーでは断熱・気密施工に不慣れな大工が多く、ツーバイフォーで C値 1.0 を切ることは容易ではありませんが、このいずれかの方法なら、不慣れな大工であってもC値 1.0 以下程度は実現しやすいのではないでしょうか(C値 0.5 以下などの高気密を実現するには、やはり細部まで専門知識に基づいた設計・施工が欠かせないと思います)。

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発泡プラスチック系断熱材を使用する

一般的なグラスウールなどの断熱材を使用する工法において、気密層は外壁の室内側(内壁の石膏ボードの奥)に防湿フィルムを張ることによって確保しますが、発泡プラスチック系断熱材を使用する場合はそれ自体が空気を通さないため、継ぎ目さえ適切に処理すれば、断熱材で気密性を確保することができます。

室内側に防湿フィルムを張る工法の場合、コンセントボックスや配管などで防湿フィルムを貫通する箇所を細かく補修する必要があり、温暖地の大工はこうした処理をあまり得意としません。

しかし、発泡プラスチック系断熱材による外張り断熱や吹き付けでは、外壁のより外側で気密を確保できるため、室内側の貫通に神経質になる必要性が減ります。

特有の注意点などはありますが、一条工務店やウィザースホームなどが温暖地でもツーバイ工法で高気密を確保しているのは、このメリットが大きいのではないかと思われます。

参考 発泡プラスチック断熱材の問題点(コスト、シロアリ、耐火性)

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ボード気密工法を参考にする

外壁の外側で気密性を確保することが温暖地で簡単に高気密化するカギなわけですが、この方法はもう一つあることに気づきました。
新住協の方がいう、「ボード気密工法」です。以下の本で説明されていました。

西方里見著『最高の断熱・エコハウスをつくる方法 令和の大改訂版』p.132
鎌田紀彦著『本音のエコハウス』p.48

私の理解では、室内側の防湿フィルムが気密層と防湿層の両方を担う一般的な方法と異なり、気密層と防湿層を分ける方法です。構造用合板の面を気密層(および透湿層)とすることにより、室内側は簡易な防湿層で済ますことができます。構造用合板を気密層にするためには、合板の継ぎ目を気密テープでふさぎます。

外壁の外側で気密性を確保できるので、その内側は簡易な防湿層だけでよく、コンセントボックスの処理なども不要になるとのこと。温暖地の大工でも簡単に対応でき、C値1.0以下が容易に実現できるそうです。

住宅全体を構造用面材で囲む必要があるために昔は普及しなかったようですが、軸組工法でも合板を貼ることが増えてきた近年は見直されつつあるようです。

昔は「へー」と思って読み飛ばしていましたが、この工法、ツーバイ工法に容易に導入できるのではないでしょうか。

そもそもツーバイ工法で気密を確保しやすいのは、ツーバイフォーが全面に合板を張る工法のため、合板だけでそれなりの気密が確保できるからです。この気密性は木材のみによるもので、面材と枠材の間には多少の隙間があるため完ぺきではありません。が、「ボード気密工法」の存在を踏まえれば、面材間を気密テープで補強するだけで、気密層としての機能をもたせることは可能そうです。

ツーバイ工法でボード目地に気密テープを貼っている工務店は既にありそうですが、おそらくは室内側も万全を期す超高気密な工務店でしょう。そのような気密意識高い系工務店は問題ないとして、私の理解が正しければ、このボード気密工法は、温暖地の標準的なツーバイ工法の気密をぐっと改善できる秘策なのではないでしょうか。

ボード気密を採用することは、追加の費用も高くなく、施工も難しいことではありません(面材はモイスでなくてもよい)。それだけで、グラスウールなどの安価な繊維系断熱材を使用して、気密施工が得意でない工務店であっても簡単に高気密な住宅を実現できるのではないでしょうか。

ボード気密工法は軸組工法では建てられていますが、枠組壁工法住宅工事仕様書には記載が見つからなかったため、行政に認められるのかどうか、実例はあるのかなど、よくわからないことも多々あります。もし何かご存じの方がいらっしゃいましたら教えていただけると幸いです。

ボード気密工法について調べていると、「気密テープなどの気密補助材は気密が向上することは確かであるが絶対に必要かどうかは研究段階」という内容を見つけました(参考ブログ)。

もし気密テープが不要なら、そのボード気密工法の気密ラインはツーバイ工法と似たようなものです。見方を変えると、ツーバイ工法は既にボード気密工法のようなものであるといえるのかもしれません。

ボード気密工法では、防湿フィルムが厚手である必要はなく、コンセントボックスの気密処理なども不要とされています。それなら、ツーバイ工法も、多少なりとも同様の側面が期待できそうです。わが家は細部の気密処理ができておらず、防湿フィルムも薄手のものが使われていて、長い間「失敗した」と思ってきましたが、元々ボード気密工法に近いと考えると、大きな問題ではないのかもしれません。とはいえ C値 1.0 は切りたいですが。。

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