室内ドアには多くの隙間があります。
この隙間は部屋間の空気を通すものであり、住宅全体の気密性能には影響しません。
そのため、一般的には室内ドアの隙間をふさぐ必要はありませんが、防音などの関係で、どうしても隙間を塞ぎたい場合もあるかもしれません。ここでは、隙間を塞ぐ方法について、わが家の事例を紹介します。
室内ドアの隙間を塞いではいけない?
その前に、室内ドアの隙間を塞いでいいのかどうかわからない人のために、一応、なぜ室内ドアを塞いではならないかを説明しておきます。
住宅には換気が必要だからです。極端な話、もし隙間のない住宅で部屋を完全に閉め切ってしまうと、酸素が減って二酸化炭素が増え、死んでしまいます。
住宅の換気では、空気を取り入れる箇所(給気口)と空気を排出する箇所(換気扇)があり、これらは多くの場合、異なる部屋にあります(例外:ダクトレス第一種換気システム)。
その場合、換気の空気は室内ドアの隙間を通って移動します。室内ドアの下側に隙間の大きいアンダーカットがあるのは、このためです。
隙間を塞ぐことは換気の気流を止めてしまうことになるので、一般的には推奨されません。
しかし何らかの理由で、どうしても隙間をふさぎたいこともあるでしょう。そんなときは、定期的に開閉したり、代わりに窓を開けるなど、換気にはくれぐれもご注意ください。
なお、古い住宅などで気密性が悪く、外の空気がビュービュー入ってくるような場合には、石油ストーブでも焚かないかぎり、換気不足の心配は無用でしょう。
参考:わが家で室内ドアの隙間を塞ぐ理由
わが家は横型の2世帯住宅で、親世帯の家と室内ドアでつながっています。
しかし室内ドアなので、隙間からは冷暖房の熱や音だけでなく、空気も容易に移動してしまいます。
そのため、「あっ、また食パンを焦がしたな…」などということがすぐにわかってしまいます。
そんなことはどうでもいいのですが、親世帯には仏壇があり、線香を炊くことがあります。この煙がやっかいで、自宅に流入すると夜中に咳が出てしまいます。
そこで以下の火を使わない線香を買ったのですが、年に数回、家にお坊さんが来るときなどは、本物の線香を使わざるを得ないようです。
オーム電機(OHM) LED-DCSK-1 LED電池式線香 まごころの灯り
わが家の場合、これが嫌で室内ドアの隙間を塞ぐことにしたわけです。幸い、住宅の換気システムは戸別に完全に分離しているため、気流がなくなったところで換気上の問題はありません。
室内ドアの隙間を塞ぐ方法
上記の注意事項は前提の上で、室内ドアの隙間をふさぐ方法を紹介します。
開閉不要であれば養生テープなどで完全にふさぐのが最も簡単ですが、開閉可能という条件で、できる限り隙間を少なくする方法を検討しました。
まず、隙間がどこにあるのかを確認するために、部屋の電気を消して撮った写真を載せておきます。
ちょっと見にくいですが、最も隙間が大きいのが下辺のアンダーカットで、その他の辺も意外と隙間があります。
隙間は大きいところから塞ぐのが効率的なので、まずはアンダーカットを塞ぐのが有効です。
アンダーカットの隙間を塞ぐ
アンダーカットの隙間には、ドア下部シールテープ(Amazon)を使用します。
「ドアの下からのすきま風を防ぐ」とドデカく書かれた商品が販売されていて、茶色と透明があります。
注意点としては、このテープの幅は 40mm で、そのうち約 1cm は “のりしろ”(?) なので、隙間の高さが大きいケースでは足りないことがあります。その場合は、ずらして二重にして貼るか、別のドア下部シールテープ(Amazon)を選んでください。
戸あたりの隙間を塞ぐ
下の隙間を塞ぐと気流は結構減りますが、それでも十分ではありません。
室内ドアの他の辺にも隙間が多くあり、戸当たり部分の隙間を塞ぐ必要があります。
戸当たりのある3辺のうち、取っ手側の辺には最初から緩衝材のようなものが付いていました。
以下のような感じのものです。
これがある分、空気の通る隙間は少なくなっているので、問題は蝶番(ちょうつがい)側の辺と、上辺です。
ここについては、以下のようなスポンジテープを使う方法もあるのかもしれません。
しかし、このようなスポンジテープは経年劣化でボロボロになりそうだし、ドアを閉めにくくなる心配があります。
試してはいないもののイヤな予感がしたので、数年間は付けずに諦めていたところ、たまたま良い商品を見つけました。
モヘアテープです。これなら、ドアの開閉を妨げることなく隙間をふさぐことができ、スポンジテープのデメリットもありません。
パッケージの使用例にも書かれているので、使い方としても全く問題なさそうです。
モヘア高さ 4mm のモヘアシールを購入して実際に使ってみたところ、いい感じに隙間が塞がった気がします。
ドアはほんの少しだけ閉まりにくくなりましたが、気になるほどではありません。
簡易気密測定(室内を負圧にしてドアの開閉抵抗を測る方法)を行ってみたところ、ちゃんと効果が出ていることも確認できました。
色はグレーとゴールドがあり、木の色にはゴールドが合います。
お勧めです。
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