ツーバイフォーより軸組工法がコスパ最強?

当サイトをきちんと読んでいただいている方は、当サイトが「ツーバイシックス工法がコスパ最強」と主張していることをご存じでしょう。ツーバイシックス工法は、三井ホームだけでなく、一条工務店の i シリーズでも、くろーばーさんの住宅(泉北ホーム)でも採用されている工法で、当サイトのドメイン名の一部にしているくらい、個人的に一押しの工法です。

2×4(枠組壁工法、ツーバイシックスを含む)のメリット・デメリットについては、以下のページにまとめています。

参考 ツーバイシックス工法の優れた特長とデメリット

しかしながら、先日、住宅の快適さとコスパについて極めている松尾先生が、以下の YouTube 動画を公開されました。

松尾先生は、私が同意する点が最も多いと思う建築家です。私が住宅を建てて当サイトを立ち上げた頃は存じ上げませんでしたが、求めているテーマと合理的な考え方が似ているためか、たどり着いた結論が同じであることが驚くほど多いのです。それらの結論は住宅業界では決して一般的ではないことなのに。。

ということで、施主にとって最も信頼のおける専門家の一人だと思っています。『ホントは安いエコハウス』は、家づくりにおいて特にお勧めしたい良書です。

さて今回は、この動画のタイトルを見て、そんな方がコスパの観点でも 2×4 より軸組工法が優れているという、(私と異なる)主張をされているのかと驚いて拝見したのですが、内容はそうではありませんでした。木造は RC 造などと比べるとコスパに優れており、その中では軸組工法がお勧めという話です(詳しくはご覧ください)。

松尾先生が理事を務めるパッシブハウスジャパンにもツーバイ工法の会員はいるし、ツーバイがダメという話ではありません。

動画では、2×4 の問題として、間取りの制約、職人の少なさ、増改築のしにくさが挙げられています。当サイトの上記ページでデメリットとして挙げた内容とも共通しており、それを重視するかどうかという、程度の問題です。

わが家にもちょっとジャマな壁はありますし、増改築のしにくさは覚悟しています。ただ、VHS とベータという例えはちょっと極端で、以下の日本ツーバイフォー建築協会のデータから推測されるように、少数派でも一定のシェアを確保し続けるだろうとは思っています。私からすれば日本の軸組工法がガラケーのような感覚ですが、両者とも生き残るでしょう。

ツーバイか軸組工法かの選択は、ツーバイにこれらを上回るメリットを感じるかどうかです。この結論は、人それぞれと思います。とりあえず、私としてはツーバイ コスパ最強説は撤回しません。

しかし、ツーバイシックス工法がお勧めではありますが、いざ自宅を建てるときにツーバイ工法を選択すべきかどうかと聞かれると、難しいと思うことが多々あります。

一番の問題は、ツーバイで高気密・高断熱住宅を建てることに精通している住宅会社が少ないことです。ツーバイシックス工法で気密と高性能窓に注意すれば良い住宅が建てられるのに、そのことに気づいている住宅会社が少なく、中途半端な気密性能で妥協しなくてはならないケースが多々あります。もったいないことに、気密まで真剣に考えているのは、北欧や北米などの輸入住宅を手掛けている一部の会社くらいしかありません。

数が少ないのにツーバイ工法にこだわると、他の面で妥協することが多くなりがちで、満足いく家づくりができない可能性があります。地元の建築会社を探してみると、ツーバイ工法では「コスパを真剣に考えていない高坪単価のハウスメーカー」あるいは「性能・品質に不安を覚えるローコスト系」しか見つからず、軸組工法では「高性能なのに意外と安価で良さげな中堅会社」が見つかる、なんてこともよくあります。そんなときは、いくらツーバイびいきの私でも後者を選ぶことでしょう。

軸組工法は進化しているのでツーバイとの性能差はもはやない、という人もいます。これについては「在来工法とツーバイフォーのいいとこどりの工法?」という記事で書いた気がしますが、実際、その差は小さくなっています。よく考えられた軸組工法では耐震性能でも大きな差はなく、被害に差が出るとすれば、とてつもなく強い(=めったに発生しない)地震が直撃したときくらいでしょう。

ただ、軸組工法の耐震性は、住宅会社・住宅ごとのバラツキがまだまだあります。どんな工法でも施主として注意すべきことはありますが、軸組工法ではより慎重に考えたほうがよいと思っています。

話題は変わりますが、上記の動画で、結露計算をほとんどの住宅会社が行っていないことが紹介されていて驚きました。私は少し調べて面倒臭そうだなと思い、計算したことはないですが、住宅会社は定常計算くらいはしているものかと思っていました。建築会社には非定常計算とか 3D CAD とか導入してもらいたいものですが、やっぱり面倒臭いのか、ソフトが高いのでしょうか。。

コメント

  1. こみたん より:

    さとるさん
    はじめてコメントさせていただきます。私もツーバイシックスの家を地元の工務店さんと契約したばかりで、松尾先生の動画はちょっと心がざわついていたところでした。心の支えになる記事をありがとうございます 笑
    今までツーバイで設計をしてもらって、確かに間取りで制約が多いような気がしています。しかし、私は元々構造、気密、断熱も比較的簡単に取れ、建築会社によって品質の差が出ずらい工法だと思って、ツーバイでの家づくりを目指しました。さとるさんの記事などを参考に、途中から高気密高断熱の家を志向しましたが、契約した工務店は十分に対応してくれました。性能の割にはコスパのいい家ができると現状は満足しています。
    ツーバイが好きなので、松尾先生にはツーバイの良いところにも触れていただきたかったのが本音ではありますが…
    これからも記事を楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。

    • さとるパパ より:

      はじめまして。コメントありがとうございます。
      ツーバイの会社は基本性能で十分と思っているところも多いですが、より高気密高断熱な家の希望にも対応してくれるとは、良い工務店に出会えましたね。
      松尾先生は、ツーバイの性能面やコスパに文句を付けていなかった点がむしろ好印象でした。軸組を採用している会社は、ツーバイのメリットは一切ないと主張したり、理解に苦しむ難癖を付けていたりすることも多いので。。

  2. さとるパパさん

    あわわ。
    拙いブログのご紹介ありがとうございます(>_<)

    超高断熱を目指すなら付加断熱は必須ですが、
    コスパを大きく変える分かれ道ですもんね。

    松尾先生クラスになると、パッシブや意匠性の高い設計を
    したいでしょうから軸組工法の方がやりやすいんでしょうね。

    メリット・デメリットあると思うので、
    これから家を建てられる方がより良い選択をして欲しいですね。

    私自身2×6工法でマイホームを建てさせてもらいましたが、
    メリットもデメリットもあるなと思っています。

    ただ、さとるパパさんがいつも言われている通り、
    性能と建築費用のコスパは良いかなと感じているところです。

    いつもステキなブログをありがとうございます。
    これからも勉強させて下さい(^^)

    • さとるパパ より:

      コメントありがとうございます。
      軸組工法のほうが設計の自由度は高いですが、ツーバイでも三井ホームのGウォール構法のように大空間を実現する方法もあります。当サイトでさんざん文句を付けている三井ホームですが、施主側に間取りの不自由さを感じさせることなく意匠性の高い設計を提案してくれたことには満足していたりします。
      これから家を建てる方で悩む場合には、両者に間取りを提案してもらって比較するとわかりやすいかもしれませんね。

      コスパが良いという点は、建材を見てそりゃ安いだろうと思っただけで実際に総費用を比べたことはないのですが、くろーばーさんも感じることであれば自信が持てます。
      こちらこそ、いつもありがとうございます。

      • Gウォール工法のページ、見させて頂いたのですが、
        すごい開放感ですね。

        ツーバイでもこのような大空間を作れることにビックリです。

        先日、松尾先生が設計された体育館みたいな2階リビングを
        動画で紹介されていましたが、感じが似ていますね。

        松尾先生の場合、あの体育館のような空間でも
        耐震等級3ということだったので、
        ツーバイでもできるの出来るのかもしれませんね。

        建築は奥が深い。
        ますます色々知りたくなりました!

        今後もさとるパパさんブログが楽しみです(^o^)/

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