木造枠組壁工法は一般にツーバイフォー(2×4)と呼ばれ、2 インチ x 4 インチの断面の枠材を主に使用しますが、最近では 2 インチ x 6 インチのツーバイシックス(2×6)工法を標準とするハウスメーカーが増えています。壁の厚さが 89 mmから 140 mmと約 1.6 倍になることで耐震性が増し、断熱材の厚みが増して断熱性能が高まるわけですが、坪単価もいくらかアップします(約 1 万円?)。その性能の差はどのくらいなのでしょうか。耐震性能と断熱性能についてそれぞれ具体的に紹介します。
セキスイハイムと住友不動産はツーバイフォーとツーバイシックスの両方を販売しているため、その数値を比べてみます。
耐震性能の違い
これは住友不動産のサイトに記載があり(参照)、2×6 工法で建てた家は 2×4 工法の家より約 4% 耐震性能が高いそうです。意外と大きな差はありません。ツーバイ工法は構造用合板と枠材がクギで強固に接合されて高い耐震性を発揮しているため、枠材だけ大きくなっても全体の耐震性能はそれほど変わらないのでしょう。
ちなみに、これによると、2×4 工法は在来軸組工法より2割ほど耐震性能が高いそうです。通常の 2×4 工法でも十分ですが、2×6 工法ならより安心といったところでしょうか。
断熱性能の違い
断熱性能の差は断熱材の種類によっても異なりますが、住友不動産とセキスイハイムで使用している断熱材は、一般的な高性能グラスウール(おそらく熱伝導率 0.038 W/㎡・K)です。住友不動産のサイトの数値を比較すると、2×4 のQ値が 1.48、2×6 のQ値が 1.35 とのことなので、約1割の差があります。外壁以外の断熱材の仕様は同じです。
セキスイハイムでは、ミオーレ(2×4)のQ値が 1.9、グランツーユー(2×6)のQ値が 1.6 です。約 2 割の差がありますが、もしかしたら外壁以外の断熱材の仕様も異なるのかもしれません。
これらのハウスメーカーで当サイトが推奨するQ値 1.6 以下を実現するには、2×6 工法で窓の仕様をワンランク上げる必要があります。
なお、スウェーデンハウスで使用している枠材は、2×4 でも 2×6 でもない、45 mm x 120 mm のサイズです。断熱材の厚みは 2×6 より薄くなりますが、壁の断熱材に高密度の高性能グラスウール 24K(おそらく熱伝導率 0.036 W/㎡・K)を使用しているため、外壁の断熱性能は 2×6 とほぼ同等になっています。スウェーデンハウスでは、それに加えて木製サッシのトリプルガラスを標準装備にしているため、Q値 1.4 程度(実績平均)を実現しているのです。
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