新型コロナ対策としてエアコンは窓を開けながら使用すべき?

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ニュースを見ていたら、新型コロナ感染対策として、こんな記事を見つけました。

暑い季節がやってくる!エアコンで快適に…でも新型コロナ感染対策で意外な落とし穴|FNNプライムオンライン
週明け5月11日から夏日が続く予報の東京地方。都内の家庭で8日取材させてもらったのはエアコンの取り付け作業…業者は両手をアルコールで消毒し、マスクをしたまま作業を行っていた。業者の方に話を聞いてみると…ミュー・井上隆弘専務:お客さまのおうち...

大雑把に主旨を要約すると、「エアコンは換気できないからエアコンの使用中に窓を開けよう」という内容ですが、この夏は窓を開けてエアコンを利用しなければならないのでしょうか。

この内容には疑問を感じるところがいくつもあります。

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ほとんどの住宅は換気不足でない

上記のニュースは、「24時間換気システムなどがない住宅では」という大切な条件がさらっと書かれていますが、2003年以降に建てられた住宅では24時間換気システムが付いているのが当たり前です。

それ以前に建てられた住宅でも、日本の戸建住宅(木造、鉄骨など)はほとんどが高気密(ここではC値5.0以下)ではないため、換気装置がなくても、家のすき間だけで自然に十分な換気が行われます(高気密であることは良いことです)。

参考 低気密・中気密は何がどう問題なのか

問題があるとすれば、換気装置がない鉄筋コンクリート造りの住宅や、換気システムが機能していない住宅くらいでしょう。そうした住宅でも、給気口を開け、キッチンや浴室の換気扇を利用して換気を行うこともできるため、窓を開けて扇風機で冷気を外に出すというのは、さすがにやりすぎに思います。

そもそも住宅でそこまでの換気が必要か?

そんなわけで、ほとんどの住宅では、窓を開けてエアコンを使用する必要はありません。単なる冷房の無駄遣いであり、エコでもありません。

そもそも、新型コロナ感染対策で 3 密を避けるというのは、一人の感染者が多数の感染者を発生させないための注意事項だし、問題なのは 3 つの条件が同時に重なり合うことです。

住宅では感染者がいる可能性は低いし、人が密になることもあまりありません。手洗いなど、換気のほかに気を付けるべきことのほうがよほど大切です。

1 時間に 2 回以上の換気回数などの換気量が望ましいのは、人が密になる空間や、感染病棟などでの話です。

慎重を期すとしても、風邪症状がある人や、ハイリスクな高齢者などを閉じ込めた生活空間でのみ行えばいいことではないでしょうか(閉じ込めるべきかどうかは別問題です)。

テレビではこんな誤解を生みかねない情報が流れているのかと驚かされました。

エアコンの換気機能は不十分

ついでに、この記事には「ほとんどのエアコンは換気できない(換気機能付きを除く)」という記述があります。これは間違いではありませんが、なんとなく、換気機能付きのエアコンが優れているかのような印象を受けます。

ニュースで紹介されているダイキンでは、うるさらXなどの一部機種に給気換気の機能が備わっています(排気なし)。

しかし、この機能の換気能力は、最大でも 1 時間に 32 m3 程度です。部屋単位ならともかく、住宅全体の換気量としては風量不足でしょう。

関連記事
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追記

息子の通う小学校でも窓を大開放したままエアコンをつけているようで、息子からは「暑くて熱中症になりそうだった」と聞きました。多少の密は避けられない学校での多少の窓開けは適切としても、エアコンが効かないほどというのはやりすぎな気がします。

新型コロナのリスクばかりを過大視するメディアや専門家にうんざりしていたところ、日本におけるコロナの現実を非常に的確に表していると思われる良記事を見つけました。世間の空気はなかなか変わらないとは思いますが、一読をお勧めします。

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