Low-Eガラス住宅でソーラー腕時計を充電しにくい問題と対策 | さとるパパの住宅論

Low-Eガラス住宅でソーラー腕時計を充電しにくい問題と対策

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私は以前から SEIKO のソーラー腕時計(高級ではありません)を使っているのですが、現在の戸建住宅に引っ越してからというもの、電池切れの問題がよく起きてしまいます。これは、近年のほとんどの新築住宅の窓ガラスに採用されている、Low-E ガラスのせいかもしれません。

わが家の全窓に採用されている遮熱タイプの Low-E 複層ガラスは日射熱の 6 割をカットするため、直感的にこれが原因ではないかと思いましたが、本当にそうなのかと、その対策について調べてみました。

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ソーラー腕時計の太陽電池の種類と特性

Low-E ガラスは、ソーラー時計の充電に必要な光エネルギーをカットしてしまうのでしょうか?

この疑問に答えるためには、太陽光(直射日光)、太陽電池、Low-E ガラスの波長ごとの影響を調べる必要があります。

まず、温帯の地上での太陽光スペクトルは以下のとおりです。

SunLightSpectrum-280-2500nm-J.PNG
Public Domain, Link

このうち、腕時計の太陽電池が利用している波長はどの範囲でしょうか。
ソーラー腕時計に使われている太陽電池の種類はおそらく、アモルファスシリコン系です(参考サイト)。

この種の太陽電池が発電に利用できる光の波長は、こちらのサイトを参考に、アモルファスシリコンの光学バンドギャップが約 1.4~1.8 eV(Wikipedia より)であることから計算すると、0.69~0.89 μm よりも短い波長のみです。結晶シリコン系太陽電池と比べると、近赤外線(波長 0.7μm~)領域をほとんど発電に利用しておらず、利用しているのはほぼ可視光(波長 0.4~0.8μm)ということがわかります。どうりで、CITIZEN サイトの充電時間の目安は、可視光の明るさの単位であるルクス別に表されているのですね。

Low-E ガラス(遮熱タイプ)の特性は、下図のとおりです(日本板硝子のカタログ「技術資料編」より)。

これによると、Low-E ガラスは赤外線を反射しつつも、可視光はかなり透過させていることがわかります。

ガラスの可視光透過率を調べると、単板ガラスが 9 割ほどであるのに対し、Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)で 6 割ほど。Low-E でも可視光は日射熱全体ほどはカットされていないので、ソーラー時計の充電に必要な光エネルギーは、思ったほどカットされていません。

まとめ

以上からざっくりまとめると、Low-E ガラスの住宅で窓越しにソーラー腕時計を充電する場合の充電効率は、通常の単板ガラス越しのケースと比べて約 3 割減になるということになります。

直射日光で充電する場合と比べると、約 4 割減です。

効率は落ちますが、充電できないというほどでもありません。

SEIKO のサイトによると、ソーラー時計は

月に1回、窓際で5~6時間、文字板面を日光にあてて充電してください。

とのことなので、Low-E ガラスであればやや長めに、月に 7~9 時間ほどの充電時間を確保すればよいのではないでしょうか。1日では難しく、日射対策を徹底しているほど面倒ですが。。

私の場合、これまで電池切れがよく起きていたのは充電の意識が足りなかっただけのようです。電池が切れるたび、仕方ないと思って外に腕時計を置いて充電していましたが、日が差す場所があれば室内でも問題なさそうです。

外に時計を放置するのが嫌で、ソーラー腕時計用の充電器(以下)を買おうかと思っていたところだったので、お金と電力をかけずに済み、一安心です。

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