Low-E遮熱ガラスが反射した熱は問題にならないか? | さとるパパの住宅論

Low-E遮熱ガラスが反射した熱は問題にならないか?

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Low-Eガラスは日射熱を大幅にカットしてくれます。
二層の複層ガラスで日射遮熱型のガラスの場合、日射熱取得率は約 40% なので、ガラス面に当たる太陽の放射熱のうち、残りの 60% の熱はガラス面で熱になったり、室外に反射されたりするということなのでしょう。

通常は室内に入る熱だけを検討しますが、この記事ではこの Low-Eガラスの反射熱に注目したいと思います。

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Low-E ガラスの反射熱

左上に太陽があるものとして Low-E ガラス周辺の放射熱の熱量(方向問わず)を色で図示すると、こんな感じでしょう。

地面の赤線で示した部分は、反射した放射熱(輻射熱)と直射日光をダブルで受けるため、高温になります。

この部分は他より明らかに明るいため、肉眼で区別できます。
これを「高温ゾーン」と呼ぶとして、これは問題ないのでしょうか?

高温ゾーンが一番熱くなる条件

この高温ゾーンが一番熱くなるのはどういうときでしょうか。

太陽高度が低いときはあまり問題になりません。高温ゾーンは太陽高度が低いほど広くなり、単位面積あたりで受ける放射熱が少なくなるからです。また、高温ゾーンの位置も一箇所にとどまらず、太陽の動きに合わせてすぐに移動します。

反対に、太陽高度が高いときほど、水平面の地面に対する放射熱は強くなります。

このことから、高温ゾーンが一番問題になるのは、夏至に近い時期の南面、ということになります。

ベランダで測定してみた結果

この高温ゾーンがどのくらい暑くなるかというと、わが家のベランダで放射温度計で測定したところ、100℃くらいになっていたことがありました。

本日(7月21日、雲の多い晴れ)も改めて測定してみたところ、ただ直射日光が当たる箇所は 64 ℃だったのに対し、高温ゾーンは 78℃もありました。31℃の気温との差分(33℃と47℃)を比較すると、42% も高温になっています。

追記:7月23日(晴)も測定したところ、気温 32℃、日なた 77℃、高温ゾーン 91℃でした。

高温ゾーンの悪影響と対策

こんなに頻繁に高温になっていると、いろいろと問題が起こるのではないかと心配です。

高温に弱いものは置けない

私がまず気付いたのは、ベランダのサンダルがすぐに溶けてしまうという問題です。
ベランダの高温ゾーンに置くものといえば、わが家ではサンダルくらいです。

これは何とか対応策が見つかりましたが、植物を置く場合なども注意が必要そうです。

参考 ベランダの暑さ半端ないって!【縮まない熱に強いベランダサンダル】

ベランダ防水は大丈夫?

もう一つ心配なのが、ベランダ防水が早く傷んだりしないかということです。
わざわざ確認しませんが、ベランダ防水業者は耐熱・耐久性試験において、窓ガラスの反射熱を考慮に入れているのでしょうか?

5シーズン目で明らかな劣化は確認できませんが、問題があるようなら、なるべくサンシェードを使用したり、窓際を耐熱性の高いもので覆ったりしたほうが保護できるかもしれません。

対策は庇や軒の出

この高温ゾーンをつくらない対策は、太陽高度の高いときに窓ガラスに直射日光が当たらないようにすることです。

設計時なら簡単で、庇(ひさし)や軒の出をきちんと確保するだけで対策できます。

わが家でこの高温ゾーンができるのは、南面2階の屋根の軒の出が短いからです。1階の窓では上にベランダがあるので、この問題は起きていません。

軒の出に十分な長さがあれば、太陽高度が高いときに直射日光が窓に当たらなくなり、反射光も発生しません。

参考 軒の出の長さを三角関数で検討するツール

2017年の調査によると、新築住宅の約3割は軒の出の長さが 40cm未満とのことなので、このような住宅の南面はわが家と同じことになるでしょう。

軒の出が短いことは設計時に気にはなっていたものの、夏に南面から入る熱量は大したことないし(※)、サンシェードを使えばいいやと高を括っていました。。

※ 夏至に各方位の窓から入る熱量については、次の記事に掲載している図でご確認ください。

夏の日射熱対策のカギは西日にあり。その理由と対策

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