換気が効いているかどうかを簡単にチェックする方法

気密性能が低い場合、換気が計画どおりの経路・風量にならない問題があることは、これまでに何度も指摘しました(第三種換気では特に)。

設計の上で 1 時間に 0.5 回以上の換気が計画されていても、実際にすべての部屋でこの程度の換気が行われている保証はありません。というか、24時間換気の義務化後に建設されたほとんどの住宅でも、換気量が不足していたり、部屋によって換気されないという問題があるのではないかと思っています。

換気が計画どおりに機能しているのかどうかは気になるところですが、これを住宅メーカーが細かくチェックするという話は聞いたことがありません。

そこで、施主が自分で、かんたんにチェックする方法はないのでしょうか。

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換気の実効性をチェックする方法

十年以上前に流体力学をかじったものとして言えるのは、流量を測定することは簡単ではないということです。固定面の風速は 0 m/s で、速いところと遅いところとでかなりのムラがあるからです。

正確に測ることは無理としても、感覚的にわかる程度にチェックする方法はないのでしょうか。

ちょっと考えてみて、2 つの方法を思い付きました。

二酸化炭素濃度を測定する方法

人が生活している空間で換気が行われない場合、二酸化炭素(CO2)濃度が上昇します。これを測定すれば、換気が十分かどうかの目安になりそうです。

労働安全衛生法上の規定(8 時間労働の想定)では 5,000ppm が許容濃度とされていますが、生活上推奨されるレベルは 1,000ppm 以下です(参考PDF)。換気がきちんと行われている屋内では、通常これを超えない程度になるようです。

となれば、人が過密する部屋で長期滞在した後(例:寝室の起床時)に二酸化炭素濃度を測定し、それが 1,000ppm 以下であれば、換気は機能していると言えそうです。

しかし、二酸化炭素の測定について調べてみると、使えそうな濃度計はだいたい 1 万円以上します。ちょっとしか使わないのに購入するのはもったいない気がします。

なんとなく気流を感じてみる方法

続いて紹介する方法はいっきにテキトーになりますが、非常にかんたんな方法です。

ドアを閉めて、排気が計画されているドア下(アンダーカット)部分の風を感じてみるのです。

手をかざしてわからない場合は、ティッシュを置いてみればわかりやすいと思います。ティッシュの動きなどを見れば、気流が起きているかどうかの確認や、部屋ごとの比較くらいは可能です。1 分もかかりません。

なお、この方法が適用できるのは、アンダーカットからの排気を換気計画に組み込んでいる、第三種換気やダクト式第一種換気方式のみです。部屋ごとに換気が完結するダクトレス第一種換気には使えないでしょう。

また、給気口と排気口が両方ある部屋も、この方法でチェックすることはできません。ただし、このような部屋はもともと換気不足になりにくそうなので、よしとしておきましょう。

参考:わが家の場合

わが家はそれほど高気密ではありませんが、部屋ごとに給気口があるダクト式第一種換気システムなので、全部屋でそれなりに換気が効いている気がしています。

このわが家の状況と比較すれば、換気が十分かどうかの目安になるかもしれないので、参考までに気流の勢いの感じを紹介しておきたいと思います。

四畳半の部屋の場合

まずは、理論上の計算です。

四畳半(7.4㎡)の部屋の場合、天井高を 2.3m とすると、部屋空間の体積(気積)は 7.4 x 2.3 = 17㎥ です。これから必要な換気量を計算すると、1 時間に 8.5㎥、つまり 1 秒間に約 2.4 リットルということになります。これは必要最低限の換気量なので、実際はもっと多めに設計されていることと思われます。

アンダーカットの面積は 160c㎡ だったので、換気の気流がすべてここを経由しているとすると、ここでの平均風速は 1 秒間に 0.15m ということになります。実際は丁番(ヒンジ)側などにも隙間があります。

アンダーカットに手を置いてみると、気流があることは感覚でわかります。部屋の外側にティッシュ(2枚組のまま)を落としてみると、いったんフローリングの床に落ち、10cm くらい飛ばされて止まります。なんとなくですが、風速 0.15m/s 以上はあるのではないでしょうか。

なお、風速の感覚的な目安は次のリンク先のとおりです。

九州電力 風速の目安
風速の目安のページです。

10 畳の部屋の場合

同様に計算すると、10 畳の部屋での換気量は、1 秒間に約 5.3 リットルということになります。ドアの大きさが同じなので、アンダーカットの平均風速は 1 秒間に 0.33m ということになります。

ここに手を置いてみると、気流があることはハッキリとわかります。部屋の外側にティッシュ(2枚組のまま)を落としてみると、床に触れる頃に勢いよく吹き飛ばされ、70cm くらいの位置で止まります。

なんとなくですが、風速 0.33m/s よりは、かなり強いような気がします。


他の部屋も軽くチェックしたところ、やはり大きい部屋ほど強い気流が発生していました。全館空調メーカーの人に吹出口ごとの風速を測って調整してもらっただけあって、部屋ごとの換気量のバランスに大きな問題はなさそうです。

それより気になったのは、全体的に換気がかなり強めに設計されている印象を受けたことです。このデータを元に自分で計算しても、法定の 1 時間あたり 0.5 回ギリギリどころか、その倍の 1 回分くらいの換気が行われているような気がします。安全側をとって強くしているとしても、ちょっと熱損失が気になるレベルです。今度確認してみようかな。。

そんなわけで、わが家の状況が参考になるかはわかりませんが、みなさんもチェックしてみてはいかがでしょうか。

ティッシュ 1 枚もって住宅展示場に突入してみるのも面白いですが、不審者扱いされないよう、くれぐれもご注意ください。

やっぱり、二酸化炭素濃度計を買うのがいいかもしれません。今後、もし購入したら報告します。ちょっと測って、飽きたらメルカリで売ろうかな。。

コメント

  1. taikyu より:

    はじめまして。
    いつも勉強させていただいております。
    さとるパパさんはじめ熱心な方のブログに助けられ、現在快適な高性能住宅を建築中です。
    今は賃貸マンションに住んでおりますが偶然にもわたしも換気の評価のためCO2を測定したところでした。
    netatmoという機器です。
    ブログにも初日の結果を載せてみました。ドキッとしたと共にとても有用な情報が得られそうと思いましたので、ぜひ他の方にも還元できればと思いコメントさせていただきました。
    今後もブログ楽しみにしております。

    • さとるパパ より:

      コメントありがとうございます。
      こちらの記事ですね。

      https://taikyu.hatenablog.com/entry/2018/11/09/180000

      当サイトへも言及していただき、恐縮です。
      健康への害はおそらくほとんどないのでしょうが、1,000ppmを超過するケースはかなりあるという話を聞いたことがあります。
      私は以前のマンションで給気口すら閉めていたので、危険なことになっていたかもしれません。
      やはり実際に測定してみるのが一番ですね。新居での測定も楽しみにしております。

      ちなみに、絶対湿度については、室内温度と相対湿度が測定できれば近似式で算出できます(以下参照)。

      https://komoriss.com/relative-humidity-volumetric-humidity/

      ただし、湿度計の精度には注意が必要です。

      https://www.2x6satoru.com/article/hygrometer.html

      ご存知かもしれませんが、ご参考までに。

  2. taikyu より:

    丁寧にご回答いただき、また湿度の補正についても教えていただきありがとうございます。
    昨日はレンジフードを夜だけ弱運転させてみたところ1000ppmを何とか下回りましたが、寝室の給気口からはかなりの勢いで外気が入ってきていました。冬は寒そうです。。。
    引き続き参考にさせていただきます。