当サイトより先に見ていただきたいYouTubeチャンネル(と新刊)

家づくりやリフォームなどをきっかけに住宅の断熱に興味を持った方には、知っておいたほうがいいと思うことがたくさんあります。それは主に建築熱環境学に関する知見なのですが、残念なことに、住宅業界でこの分野はあまり重視されておらず、大手ハウスメーカーや一級建築士を含めても詳しい人は多くありません。

それゆえ、手間はかかりますが、これから住宅を考える方は、その分野に詳しい人を見つけ、できる範囲で知識を付けていただくことが大切だと思っています。

お勧めは、前真之著『エコハウスのウソ 増補改訂版』と、松尾和也著『ホントは安いエコハウス』という、2冊の本を読んでいただくことです。
前者はこの分野の東大准教授がわかりやすく解説した本であり、後者はこの分野を専攻した建築家による本です。(追記:2020年8月に『エコハウスのウソ2』という新刊が発売されました)

しかしながら、本を読むのは大変なので、まずは無料で手軽に情報収集してみようと思う人が多いのではないでしょうか。

当サイトは、そんな人を対象に、熱環境工学(非建築)をかじった程度の私が高断熱住宅の家づくりを検討するにあたって疑問に思ったことを調べ、自分なりにできる範囲でまとめたものです。

このサイトを作成した頃は Web 上にそうした情報が少なかったため、少しは役に立てるかもしれないと思って頑張ったものですが、続けながら常に葛藤もありました。専門性の高い問題について、経験値の足らない素人の匿名ブロガーが発信する情報に価値はあるのだろうか、もっと詳しい人が伝えるべきではないか、と。

それでも、住宅業界発信の情報には消費者に誤解を生みかねない内容も多く、施主にしか書けないこともあると思ったので続けましたが、幸いなことに、最近では専門家発信の情報も Web 上に多く見られるようになってきました。

これは基本的に歓迎すべきことなのですが、いざそうなると、私としてはさらに悩むことも出てきました。というのも、専門家発信の情報のなかには、施主にとって適切とは思えないものも混じっていたからです。

専門家もいろいろです。木を見て森を見ずの人、副作用(コスト)を考えずにリスクをゼロにしようとする人、多様な価値観や権利を軽視する人、自己の損得で活動する人などもいて、「専門家の言うとおりにすれば成功する」というのは幻想です。

特に注意が必要だと思うのが、「特定のリスクをゼロにするためにコストを考えない」専門家の意見です。専門家は正義だと思って善意で発信しているために多くの人が信頼してしまいますが、結果として他の問題のほうが大きくなるというのは、どこにでも転がっているよくある話です。原発処理水とか、多くの環境問題対策とか、コロナ対応とか。。

未知のリスクに対しては予防原則として安全側に立つという考え方もありますが、安全側に立つことで失うことにも目を向けるべきだと感じることもしばしばです。要はバランスです。

もちろん、専門家は要らないとかダメだとか言うつもりはなく、専門知識はあるに越したことはありません。何より、専門家の意見に従うのはラクなことです。自分で疑問をもって違う行動をとろうとすると、調べて考えるのに多大な労力が必要になってしまいます。だからこそ、バランスの取れた考え方ができる信頼できる専門家を見つけ、まずはその意見を尊重しつつ、自分でも考えるという姿勢がいいのかなと思います。

そんななかで現れたのが、前述の松尾和也先生による YouTube チャンネルです。松尾先生は、熱環境工学を専攻し、建築家としてその知識を生かした家づくりを実践しているため、理論に経験を備えた本物の専門家です。ハウスメーカーなど様々な会社に勤めた経験があり、パッシブハウスジャパンを理事として支えていることから、特定の工法に縛られない広い視野もお持ちです。

特に貴重だと思うのは、常に費用対効果の視点を欠かさないことです。住宅性能や快適さはお金をかければ改善できることがたくさんありますが、最初からすべて万全にしようとすると費用がかさみ、富裕層にしか家を建てられなくなってしまいます。先生には、トータルコストを下げつつ健康と快適性を追求するという、施主の立場にたったバランス感覚があります。

施主が最初にタダで気軽に基本的知識を得ようと思ったら、この YouTube コンテンツは最適・最強です。話も上手く、どこで住宅を建てるにしても、施主にとってこれほど頼りになる専門家はなかなかいないでしょう。時間を無駄にせず良い住宅を建てたい方は、当サイトよりもまず、以下の動画リストをチェックすることをお勧めします。有益な情報が詰まっています。

兵庫、大阪で高断熱高気密住宅専門の建築家集団 松尾設計室
生涯で一番、高価で、長く使い、健康と快適性と経済性に影響を及ぼすのが住宅です。しかしながら、なんの勉強もせずに住宅を建てる、購入するということは大抵の場合、寒く、暑く、カビや結露が生えやすく、病気になりやすく、冷暖房費が高い住宅になってしまいます。その原因は大半の住宅実務者がちゃんとした住みやすい住宅を建てるため...

良い家の定義が人それぞれである以上、だれにとっても 100% 正しい住宅のかたちはなく、解釈は自由です。私も全部の動画をチェックしたわけではなく、細かいことを言うと当サイトの意見と若干異なることもあります。が、それはあくまで素人の個人的な意見なので、重みが違います。このチャンネルが現れたため、最近では、当サイトは、時間的余裕や興味がある方が気になる記事だけチェックしていただければという感じです。

追記:この記事を書いた後にチェックしてみたら、『ホントは安いエコハウス』に次ぐ新刊
エコハウス超入門 84の法則ですぐ分かる』が 2020年8月6日に発売されるとのこと!

ただの入門書ではなく新しく重要な情報が網羅されているとのことなので、YouTube 動画もいいですが、しっかり学びたい方には特にお勧めです。個人的には、エアコン選定法の詳細や、各種全館空調の評価などが気になるところです。


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