積水ハウス・シャーウッドのことを批判的に取り上げながらも実はシャーウッドの雰囲気が好きな私は、シャーウッドで提唱されていた「落葉樹による日射遮蔽」という方法をわが家に導入しようとしました。
以前、「落葉樹による日射光調節のススメ」なんて記事も書いたりしましたが、2 年過ごしてみて、やや考えを改めました。
落葉樹による日射管理はあまり期待できないな、と。
なぜなら、落葉樹による日射管理は難しく、効果が薄いからです。
夏に葉を茂らせて日陰をつくり、冬に葉を落として日射を取り入れるのは名案だと思ったのですが、次の問題があります。
方角の問題
「サンシェードが必要なのは南面ではない」で書いたように、夏の南面は意外と日射が入らず、太陽高度が高いため、庇(ひさし)などで防いだほうが効果的です。
樹木は窓から離れるため、真下にしか影をつくらず、ほとんど意味がありません。木がかなり大きくなれば地表面が涼しくなる効果はありますが、管理も大変になります。
そのため、樹木を日射遮蔽に使うとすれば、侵入する日射熱の多い東西面ということになります。
しかし、東西面からは冬に多くの日射熱が期待できないので、日射熱取得のメリットは小さくなります。
樹木という生き物ゆえの課題もあります。
樹木の性質の問題
最近の住宅は基礎が高くなっているので、1 F の窓に大きな日陰を作る木となると、3 m 以上の高さが必要になります。
また樹木は成長が遅く、上に向かって伸びていくので、長期にわたってちょうどいい高さに葉を茂らせてくれる木を見つけることは困難です。一時的にはカバーできたとしても、数年後にはわかりません。
木で防ぎきれずに侵入する日射は相当な量になりそうです。
高さのある株立ちの木を大きくなりすぎないように更新していくとよいかもしれませんが、成長を思いどおりにコントロールするのは簡単ではありません。
また、樹木を調べると、西日が苦手という木が結構あります。
そんなわけで、使えるケースがかなり限定され、簡単ではないのです。
対策
対策としては、やはり他の日射遮蔽方法を採用するか、併用することがお勧めです。
東西面は横から日射が入るので、庇ではなく、サンシェードやすだれが有効です。
サンシェードの使用感はこちらで紹介しています。
つる植物によるグリーンカーテンもいいですが、私はこれも失敗しました。ゴーヤを植えたものの、ようやくカーテンらしくなったところで台風による湿害か塩害かで枯れてしまったのです。
来年は諦めて最初からサンシェードを張ろうと思っています。
ちなみにこの問題に気付いたのは、『エコハウスのウソ 増補改訂版』という本を読んで、西日を樹木で防ぎきれていない図を見たからです。わが家も同じ状況だったのです。
このページで紹介したこの本は、断熱性能だけでなく、日射の地域特性、強度や方位、通風、採光などについても大事なデータがたくさん載っているので、窓をどうすべきか考えるうえで非常に参考になります。
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