ハウスメーカーの広告のウソ

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消費者庁が平成29年7月、「打消し表示に関する実態調査報告書」(消費者庁のページ)というものを発表しました。詳細は省きますが、要は、強調表示されている広告文の隅に小さく例外などが書かれているのは問題が多いということです。多くの消費者が、強調表示の内容をそのまま真に受けてしまうからです。悪質なものは取り締まりの対象になるため、今後改善されることが期待されますが、ハウスメーカーの広告はどうでしょうか。

家を買うというのは高額な出費のため、多くの方は広告の小さい注意書きにも注意を払っていると思いますが、それにしてもわかりにくい注意書きが多いと感じます。大手企業だけあって、景品表示法には違反しないようにしているのでしょうが、誤解を招くギリギリのラインの表現はよく目にします。ここでは、ハウスメーカーの広告で注意が必要な点をいくつか紹介したいと思います。

耐震性能に関する広告の注意点

どこのハウスメーカーも「地震に強い」ことを強調していますが、耐震等級 3 がオプション仕様であったり、隅に小さく「※プランや要望によっては基準を満たさない場合があります」と書いてあることがあります。 宣伝している最新の制震システムが標準仕様ではないこともよくあります。耐震性能の広告の見方については以下の記事で詳しく紹介しています。

耐震性を比較する方法1:耐震等級
耐震性を比較する方法2:過去の地震被害の実績
耐震性を比較する方法3:耐震実験の結果

断熱性能に関する広告の注意点

カタログのQ値、UA値は当てにならない」という記事にも書きましたが、ハウスメーカーが公表している断熱性能の数値(Q 値や UA 値) には、ほとんどの場合、「※当社50坪試算プランによる計算値です。」といった注意書きがあります。実際の数値が 2~3 割も劣るなんて、誰が思うでしょうか(詳細は「ハウスメーカーが熱損失係数Q値を良く見せるカラクリ」を参照)。一軒一軒計算しているのですから、実績平均値を示してもらいたいものです。スウェーデンハウスなどは実績値も公開しており、好感が持てます。

冷暖房費に関する広告の注意点

たとえば三井ホームでは、全館空調システムについて、「年間の冷暖房費を33%に低減」
という広告文を公表しています。これはシミュレーションに基づくものであり、試算条件も書かれていて、おおむね電気代は安いんだろうという印象を受けます。しかし、より高断熱な仕様を採用したわが家の実際の電気代はというと、「全館空調の電気代」で公表しているとおりです。広告文を信じれば、一般的な住宅の冷暖房費用はわが家の 3 倍以上ということになります。ということは、一般的な住宅の冷暖房費用は年間 40 万円を超えるのでしょうか?!

試算条件を見ると、電気料金の基本料金、熱交換換気の費用を含めていないなど、有利な試算結果を出す条件が細かく記載されています。また、個別エアコンのエアコンの台数はわからないし、シミュレーションでさまざまな熱損失がどこまで考慮されているのかなど、不明な点が多くあります。シミュレーションが実態とどれだけ乖離しているのかは、消費者は知る由もありません。冷暖房費がかからないというのなら、実際の住宅の冷暖房費の実績平均値などを示してもらいたいものです。 三井ホームの全館空調では専用の電気契約を結ぶのですから、電気代を調べるのは簡単なはずです。

冷暖房費に関する同様の例は、三井ホームに限らずどこでも見つかります。一条工務店の広告についても、疑問に感じたことを別の記事(「ロスガード90で暖房費を68%カットできる?」)で紹介しています。実際の冷暖房費が気になる方は、実際の電気代を公開しているブログをググって確認する必要があるでしょう。

ハウスメーカーの誇大広告は、他にもキリがないほどあります。重要なことはなるべく紹介したいと思いますが、みなさんも、何事も疑ってかかるつもりで確認をとることをお勧めします。

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