デジタル式とアナログ式の湿度計はどっちが正確?湿度計6台の校正結果

湿度計というのは意外と曲者で、ズレが結構あります。複数台あると、それぞれ数値がバラバラで、どれが本当かわからなくなることがよくあります。明らかな初期不良で大きくズレていれば気づきますが、10% くらいのズレでは感覚的に判別するのは困難です。

そこで以前、湿度計のズレを確認する方法を紹介しましたが、今回はその方法により、手持ちの 6 台の湿度計の精度を確認してみた結果を紹介したいと思います。

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測定

以下の 6 台の湿度計について確認しました。以下の画像は設置後 30 分ほどの様子ですが、数値はバラバラです(本当は 1 時間ほど置くのが望ましい)。

測定対象

奥側はアナログ式の湿度計です。左から順に、

1. 日本製アナログ温湿度計(バイメタル式)エンペックス EX-2831。約2年前に購入。表記精度:35~75% の範囲で±2%
2. 1 と同じ。約4年前に購入
3. 1、2 と同機能のエンペックス EX-2718。約2年前に購入

手前側はデジタル式の湿度計です。左から順に、

4. タニタの中国製温湿度計 TT550。約6年前に購入。表記精度:35~75% の範囲で±5%
5. 4 と同じ色違い。
6. 香港メーカーの中国製温湿度計 ThermoPro TP50。約1年前に購入。表記精度:30~80% の範囲で±2%

校正結果

こちらに記載した方法で相対湿度 75% の空気を作り、数値が安定していた約 4 時間後の測定値を確認すると、以下のようになりました。

アナログ:
1. 76%(+1%、誤差範囲内)
2. 65%(-10%、誤差範囲外
3. 53%(-22%、誤差範囲外

デジタル:
4. 73%(-2%、誤差範囲内)
5. 75%(正確)
6. 72%(-3%、誤差範囲外

結果について

全体的に、デジタル式湿度計のほうが正確という結果となりました。デジタル式の 6 番は誤差範囲外ではありますが、3% と大きなズレではありません。日本メーカーの他の安価なデジタル式はほとんど ±5% と表記されているため、±2% という表記精度がやや誇張のような気がします。

一方、アナログ式は、1 番を除き大きなズレが生じています。しかし、これまでの経験的に、外国製品ならまだしも、日本の専門メーカーによる国内製造品で表記精度がインチキであるというのは考えにくいことです。また、2 番と 3 番の湿度計でも、湿度にきちんと反応することは確認できます。

湿度計の耐用年数は一般に 2 ~ 5 年程度とのことなので、経年劣化の可能性もあります。しかし、2 番の湿度計は 1 年半前に確認したときも同じ結果だったと記憶しているため、大きな変化は見られません。

どういうことかと考えながらエンペックス気象計株式会社ユーザーサポートぺージを見ていると、設置時に落下させてしまうと指示値がズレてしまうことがある、という記述を見つけました。

そこで思ったのは、アナログ式は精度に問題があるのではなく、指針の軸ズレが発生しやすいことが問題だということです。

思えば、大きなズレが発生している 3 番の湿度計は、1 m くらいの高さから落としたことがあります。それ以前も数値に違和感を感じていましたが、その後のほうが悪化した気がします。

家庭用アナログ式湿度計に多いバイメタル式デジタル式とでは、原理がまったく異なります。バイメタル式はゼンマイを使用しているため、物理的衝撃に弱いのでしょう。

標本数の少ない上記のデータだけでは正確なことは言えませんが、クチコミやブログなどを見ていると、同様のアナログ式湿度計を利用している人で、この湿度計は低く(高く)出る傾向があるという意見をよく目にします。これは軸ズレが疑われます。

思うに、これらのアナログ式湿度計は流通の過程などで衝撃が加わり、指針がズレてしまっていたのではないでしょうか。これらの湿度計はホームセンターなどでも見かけますが、商品は落ちやすいフックに引っ掛けられて販売されています。店頭と配送で精密機器として慎重に扱われているのかは大いに疑問です。

アナログ式は当たりを入手できればラッキーですが、外れる場合も結構あり、手間をかけて確認するしかありません。確認して +10% などと目立たないところに書いておき、毎回計算すれば正確な数値が得られるでしょうが、なかなか不便です。

一方のデジタル式は、精度はそれほど高くないものの、3 つを確認した限りでは、大きな外れもない印象です。校正せずにおおまかな湿度を把握したい場合には、デジタル式のほうが向いているのかもしれません。

参考までに、今回結果のよかった 1(アナログ)と 4(デジタル)の湿度計を同じ場所に置いてみたところ、6% ほど違いが生じるときがありました。誤差の合計範囲内であるため問題ではありませんが、デジタル式は反応速度が速いのでその違いかもしれません。

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