屋根断熱の小屋裏空間の温湿度を調べてみた(2)冬編 | さとるパパの住宅論

屋根断熱の小屋裏空間の温湿度を調べてみた(2)冬編

※当サイトは、アフィリエイトプログラム(Amazonアソシエイトなど)を通じ、商品またはサービスの紹介・適格販売により収入を得ています。詳細...

スポンサーリンク

屋根断熱の住宅における小屋裏空間の湿度について、以前、夏について調べて記事にしました

夏の小屋裏空間は、冷房で除湿された低湿な室内空気と高温多湿な外気の中間的な温湿度となっていましたが、冬の場合、小屋裏空間の湿度は室内空気よりも多湿なのでしょうか、それとも乾燥しているのでしょうか。

結果を見る前の予想としては、木造軸組み工法で気流止めがない場合などはどうなるかわかりませんが、構造的に気流止めが不要なツーバイ工法のわが家では結露水がたまる理屈はないため、乾燥しているはずです。夏と同様、室内空気と外気の中間的な温湿度になっているのではないかと予想しました。

スポンサーリンク

冬の小屋裏の温湿度測定結果

測定方法や小屋裏の構造などは前回と同じなので省略します。

まず、小屋裏空間と外気の一日の温度変化を示します(2月中旬)。

小屋裏空間の温度はほとんど変化がありません(朝と夜に暖房を一時的に上げたときに少し上がっています)。
だいたい晴れていた日なのに、太陽熱で日中暖まっている様子もみられません。

相対湿度も一日を通じて45~46% とほとんど変わりません(グラフにはありません)。
絶対湿度に換算すると、6.8~7.5 g/kg.D.A でした(外気は 1.9~3.6 g/kg.D.A)。

昼のある時点で室内の温湿度を測定したところ、22.3℃、RH41% だったので、絶対湿度にすると約 7 g/kg.D.A となり、小屋裏とほとんど変わりません。

結果として、石膏ボードと壁紙で隔離された小屋裏空間は室温より 1~2℃低いだけで、室内空気と絶対湿度に差はありませんでした

感想

今回の測定で思ったことは次のとおりです。

  • ツーバイ工法×屋根断熱の場合、冬に小屋裏に湿気がたまることはなさそう
  • わが家のケースにおいて、小屋裏に湿気がたまったりする心配は無用そうです。

    ただし、気流止めを適切に処置していない軸組工法の住宅のケースや、屋根面断熱材の外側(屋根材との間)での結露についてどうなのかは、不明です。

    関連
    Q値C値に現れない高断熱住宅の要「気流止め」の問題
    近年注目される小屋裏換気・棟換気の問題とは何か?

  • 屋根断熱の小屋裏の温湿度環境は室内空気に近い
  • これは住宅の気密性能や換気方式とかも影響すると思いますが、小屋裏空気は想像以上に室内空気寄りでした。
    夏に測定したときは 1/3 くらい外気の影響を受けていると推測したのですが、今回はほぼ室内空気と同じです。
    こうなったのは、次のような理由が考えられます。

    ・冬のほうが内外温度差が大きいため、温度差換気の影響が強く、下層から上層への空気の移動が大きい
    ・夏の測定時に室内湿度が低かったのはエアコン除湿で一時的に急激に下がっていただけだった

    いずれにしても、小屋裏空間の湿度に特に問題がなかったことは安心材料でした。

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました