推薦本:『ホントは安いエコハウス』 | さとるパパの住宅論

推薦本:『ホントは安いエコハウス』

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住宅に関する書籍でよく売れている、『ホントは安いエコハウス』(松尾和也著、日経BP社、2017)という本を読んでみました。著者の松尾氏は、設計事務所の代表だけでなく、パッシブハウス・ジャパンの理事(追記:退任されました)も務めている著名な方です。

高断熱、高気密、エアコン選び、住宅の快適性とコストについて関心のある方は、是非お読みになることをお勧めします。

当サイトでもよく取り上げているこれらのテーマについて、主な主張は概ね同じ印象を受けましたが、説得力のあるわかりやすい最新のデータがよく揃っています。また、日射管理の重要性について、当サイトでも次の記事などで訴えてきましたが、より具体的でデータに基づく情報が多く提供されています。

日射の管理で実現する省エネ住宅
Low-E ガラスでも遮熱はカーテンではなく窓の外で

給湯器、食洗器など住宅設備に関する情報もあります。

自分で言うのも何ですが、無料で当サイトを読むよりコストはかかっても、経験豊富な実務者によって書かれた正確な情報を得たほうが確実です。

なお、本書の内容は、「日経ホームビルダー」誌の連載コラムに加筆したものであり、このコラムは現在、日経アーキテクチュアのサイトでも読むことができます(追記:会員制の記事になりましたが、概要は把握できます)。

松尾和也の脱!なんちゃって省エネ住宅
世には本質から外れた「なんちゃって省エネ住宅」が少なくありません。住まい手とつくり手の双方が不幸に陥らないよう、正しい知識に基づいた家づくりが求められています。この分野で数多くの実績がある松尾設計室(兵庫県明石市)の松尾和也さんが、「なんち...

このため、主な対象読者としては、工務店や設計事務所で家を建てる施主や業界関係者が想定されています(エアコン販売者にも読んでもらいたい内容です)。

ハウスメーカーで家を建てたい方にとっては、素晴らしい方法があることを知っても実現できないこともあるため、歯がゆい思いをするかもしれません。それでも、窓やエアコンの選択、日射管理の設計といった情報は役に立つものと思われます。

ちなみに、本書ではレンジフードの熱損失が問題として取り上げられています(上記連載ではこの記事)。この点は気になりますが、うれしいことに 2016 年末に建てた三井ホームの我が家では、解決策とされる同時給排気型の専用の給気口がある(*)レンジフードが標準採用されていました(*勘違いしていたため修正しました。レンジフードの問題の詳細はこちら)。著者が大手キッチンメーカーに働きかけたとのことなので、そのおかげであれば有難いことです。

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家づくりに役立つ本の紹介
高断熱の2大団体「新住協」と「パッシブハウス・ジャパン」の特色と注意点

追記:新刊『エコハウス超入門 84の法則ですぐ分かる』が2020年8月に発売されます。

コメント

  1. 松尾和也 より:

    ご紹介いただきありがとうございます!私のさとるパパさんのサイトはちょくちょく拝見しておりました。ほとんどの建築士のレベルをはるかに上回る内容に脱帽しておりました。ちなみにですが、私の実家も20数年前に建てられた三井ホーム、私の父は三井ホームの設計コンサルタントをやっておりました。。。またどこかでお会いして意見交換等できればと思います。松尾設計室 松尾和也

    • さとるパパ より:

      まさかご本人からコメントを頂けるとは思ってもいなかったので、驚き、恐縮です。松尾先生の著書は家を建てる前に知っておきたかった内容が詰まっているので、是非紹介しておきたいと思った次第です。私の知識は鵜野日出男氏のブログを読み漁って得たものばかりですので、他の多くの建築士さんが高断熱などにいかに無関心かということだと思います。いろいろ調べると松尾先生の業績にたどり着くことが多く、いつも感服しております。三井ホームにもご縁があるのですね。今後のご活躍を心から祈念しております。嬉しいコメントを頂き、ありがとうございました!

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