木造住宅には 4 つの工法(軸組工法、ラーメン工法、枠組壁工法、木質パネル接着工法)があるということを以前の記事で紹介しましたが、ハウスメーカーや工務店のサイトを見ても、どの工法に該当するのか一見わかりにくいことがよくあります。みな独自の工法名を付けているからです。そこで、木造住宅の工法を見分ける方法について紹介したいと思います。
ほとんどは木造軸組工法
国交省の資料(原典リンク切れ)によると、日本の戸建住宅の約 9 割が木造住宅で、そのうち 84% は在来工法(木造軸組工法)です。ツーバイフォー(枠組壁工法)は木造住宅の 13 % ほどであり、残りは 3% ほどしかありません。
つまり、少数派の工法を除けば、軸組工法か枠組壁工法の 2 択になるということです。
少数派の工法
ラーメン工法を採用しているところは、住友林業のビッグフレーム構法、NCN の SE 構法くらいです。
木質パネル接着工法を採用しているところは、ミサワホームとエスバイエルくらいでしょう。
他にあればすみませんが、そんな感じです。
軸組工法か枠組壁工法か
枠組壁工法の見分け方
枠組壁工法は「ツーバイ〇〇工法」(ツーバイシックス、2×4 など)ということを明記していることが多いため、ほぼ見分けがつきます。
(社)日本ツーバイフォー建築協会の会員会社検索も参考になります。ツーバイ工法の住宅を施工する会社の多くはこの会員になっているからです。
また、建築中の写真などができれば、見分けることができる場合があります。枠組壁工法の場合、壁→屋根の順に下から建てていきますが、軸組工法の場合は屋根を組んでから壁を貼るという順序になるからです。骨組みと屋根の画像があれば軸組工法、屋根のない壁の画像があれば枠組壁工法と判別できます。
軸組工法の見分け方
残りは軸組工法ということになりますが、在来軸組工法というと地震に弱いイメージもあるため、多くの場合異なる工法名が使用されています。金物で補強していれば金物工法、面材で補強していればパネル工法、外断熱を採用していれば外断熱工法、というようにです。
見分け方として、次の用語が使用されている場合、軸組工法と判断してよいと思います。
・柱と梁
・筋交い
・軸組
紛らわしいキーワード
なお、軸組工法でも非常に紛らわしい用語が使われていることがあります。「壁構造」とか、「モノコック工法」という言葉です。これは一般的には枠組壁工法を指しそうな用語ですが、軸組工法で壁全体に構造用合板などの面材を貼っている場合にも使用されています。これらはパネル工法と呼ばれることもあります。
注意が必要なのは、パネル工法は枠組壁工法の長所を採り入れた工法ではあるものの、基本的にはあくまで軸組工法であるということです。柱と梁がある上に構造用合板を貼っていればツーバイフォーより強いのではと思われるかもしれませんが、実際はそうではありません。この比較については別途記事を書く予定です。
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