全館空調の家に住んでみて、食料の保存場所に困ることが多々ありました。以前の住宅では台所に常温のまま置いておくだけで問題なかったものが、全館暖房で家中の室温が 20 度を常に上回るようになると問題になるのです。ちょうどよい冷暗所は意外とありません。
ここでは、保存場所が変わった主な食料を紹介したいと思います。
全館暖房を行う高断熱住宅では、せっかくパントリーを設けても、置けるものが意外と少ないかもしれません。また、生活によっては野菜室が大きい冷蔵庫を選んだほうがよいかもしれません。
ただしデメリットばかりではなく、はちみつに関しては一年を通して結晶化することがなくなり、便利になりました(15 度以下で結晶化するようです)。
常温保存できなくなった食料リスト
以前の住宅では室内で常温保存していたものの、それができなくなった食料は以下のとおりです。
米
米の最適な保存温度は 10 ~ 15 ℃だそうです。全館暖房では暑すぎ、痛みが早くなります。かといって床下などでは日常的に取り出しにくいため、冷蔵庫の野菜室に入れることになりました。
なかなか場所を取るので、少量ずつ買うようになりました。ふるさと納税の返礼品で大量のお米に魅力を感じなくなりました。
じゃがいも、玉ねぎ
じゃがいも、玉ねぎは常温保存が向いているとされる食料ですが、保存できる温度は 15 ℃くらいまでなので、全館暖房では暑すぎます。乾燥にも弱いので、新聞紙でくるんでポリ袋に入れるなどして冷蔵庫の野菜室に保存する必要があります。
細かい話ですが、ジャガイモは 3~5 ℃ で保存するとデンプンが糖に変わる性質があります。甘みが増すので、ゆでたり蒸したりする分にはよい(ただしホクホク感は薄れます)のですが、揚げるなどして 120℃以上で調理する場合には注意が必要です。発がん性のあるアクリルアミドが多くなってしまうからです。気になる場合は野菜室の温度を 5 ℃より高めにしておきましょう。
ちなみにニンジンは元々冷蔵庫保存が向いている食料です。
さつまいも
困ったのがサツマイモです。保管の適温は 13~16 度で、室温だとすぐに芽が出て傷んでしまうし、冷蔵庫では野菜室でも寒すぎて傷んでしまいます。採りたてのサツマイモは甘みが弱く、貯蔵することで甘さが増すため、貯蔵ができないと美味しく食べることができません。これは高断熱住宅最大のデメリットかもしれません。
長年の悩みであり、買ってすぐ食べるしかないと諦めていたのですが、三井ホームのような床断熱工法の住宅の場合、床下の温度がこの適温に近くなりそうです(参考)。床下点検口の下に収納スペースがあるので、来シーズンからはそこを利用しようと思っています。
みかん
みかんは 5~10 度が最適温度なので、全館暖房ではすぐに腐ります。腐ったミカンほど食欲を削ぐものはなかなかありません。
腐らないように冷蔵庫の野菜室に入れる必要がありますが、冷蔵庫で乾燥しても不味くなってしまいます。1玉ずつラップで包んでポリ袋に入れるとよいそうですが、ちょっと面倒です。わが家の場合、ミカン消費量が減ってしまいました。
リンゴ
リンゴは 5 度以下で保存すると特に長持ちするようですが、以前の住宅では寒い部屋で常温保存すれば結構大丈夫でした。しかし全館暖房の室温では無理があり、冷蔵庫に入れる必要があります(寒い時期のみ、外の倉庫でも可)。
毎年楽しみにしていたリンゴの 10kg 箱買いができなくなりました。
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