部屋干しで洗濯物を臭わず早く乾かす3つのポイント | さとるパパの住宅論

部屋干しで洗濯物を臭わず早く乾かす3つのポイント

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わが家では洗濯物を一年中部屋干しで乾かしていて、浴室乾燥機も洗濯乾燥機も、ベランダのサンルームもありません。
そうしている理由は、花粉症だからとか、畑が近く風が吹くと土埃が付くからとかもありますが、単純に、部屋干しで臭わずに乾くからです。

ベランダもあるので外に干そうと思えば干せますが、特に必要を感じません。
オールハンガー収納を実践しているため、なるべく外に干したくない事情もあります。

参考 室内干し派にお勧め:オールハンガー収納で洗濯物を畳まない生活

とはいえ、洗濯物が乾きにくいシーズンがあるのも事実です。
わが家の間取りを考える際に洗濯物のことをしっかり考えていなかったため、後悔しているところもあります。

この記事では、室内干しに向く条件やコツについて考えてみたいと思います。

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洗濯物が乾きやすい条件:洗濯指数とは?

洗濯物が乾きやすい条件を考えるにあたって、まず気になったのは、天気予報の「洗濯指数」です。
この計算式がわかれば、何かヒントが見つかるかもしれません。

しかし調べても、洗濯指数の計算式は見当たりません。
気象庁のホームページには、こんな説明があります。

洗たく指数は、もめんの長そでのシャツのかわき具合を表すもので、気温・湿度・風速・日射量などをもとに計算されているようです。(気象庁が行っている計算ではなく、民間の気象会社が行っている計算であるため、くわしい計算式は発表されていません)

そういうわけで、カギとなるのは気温・湿度・風速・日射量の 4 条件のようです。

気温:高いほど乾きやすい
湿度:低いほど乾きやすい
風速:強風ほど乾きやすい
日射量:強いほど乾きやすい

となることは容易に想像できます。

気温と湿度はひとまとめにできる?

このように 4 つそれぞれを独立に考えると単純ですが、気温と湿度は関連するので、実は複雑です。

部屋干しモードがあるエアコンなどでは、気温に応じて暖房と除湿(室温は下がる)を切り替えるしくみが搭載されています。
つまり、気温によっては、室温が下がっても除湿したほうが効果が高いときもあるということです。

ちょっと難しくなりますが、気温と湿度に関して、洗濯物の乾きやすさは「空気の絶対湿度と飽和水蒸気量との差」に比例するのではないかと私は考えています。

「飽和水蒸気量との絶対湿度差」というと難しい感じがしますが、「空気が水蒸気を含むことができる余力」のことで、温度と湿度によって決まります。

図にすると、こんな感じです。

「空気の絶対湿度と飽和水蒸気量との差」は、黄緑のラインの長さです。これが短いときは、大きくなるように空気を調節すれば洗濯物が乾きやすくなるのではないでしょうか。

こう考えると、気温が低いと相対湿度が低くても乾きにくいことや、同じ絶対湿度でも気温が高いほど乾きやすいことなども合点がいきます。

この絶対湿度差(黄緑の線の長さ)は、どんなときも温度を上げれば確実に大きくなりますが、気温が高いときに限っては、エアコン除湿や冷房で大きくすることもできます。

つまり、寒いときは暖房、暑いときは冷房(除湿)と、ふつうにエアコンを使用していれば、室内の空気は外気よりも洗濯物が乾きやすい温湿度になることがわかります。

参考 空気線図でわかる相対湿度と絶対湿度、結露と乾燥の関係

部屋干しで洗濯物を乾きやすくするポイント

以上の洗濯指数は外干しのための指標なので、これを部屋干しに当てはめて考えてみます。
部屋干しの乾きやすさは、次の 3 点にまとめられそうです。

  1. 飽和水蒸気量との絶対湿度差
  2. 空気循環
  3. 日当たり

外干しと比べると、2 と 3 は部屋干しが不利ですが、エアコンを使用すれば 1 は部屋干しのほうが有利です。

また、これらのうち、3 は間取りしだいですが、1 と 2 はコントロール可能です(足りなければ強化できます)。

経験上、洗濯物を早く乾かすのに 1 は絶対に必要で、2 と 3 はどちらかの条件が良ければ早く乾きます
早く乾くと、雑菌が殖える時間がなくなるので、イヤなニオイも生じません。

これら3つのポイントについて、もう少し詳しく見ていきたいと思います。

洗濯物のニオイについての補足:

早く乾けばニオイは発生しにくいですが、部屋干しでは直射日光(紫外線)の高い殺菌力が期待できない分、不利なところもあります。
洗濯でしっかり汚れが落ちていないと、衣類が臭いやすくなる傾向はあります。

最近の全自動洗濯機は節水重視(特にドラム式)であり、汚れ落としを第一に設計されていません。このため、水量を増やして「すすぎ」をしっかり行ったほうが臭いにくくなります(詳しくは「洗濯王子」で調べてみてください)。

洗剤も、天然素材系の洗剤などは長く使うとニオイが発生しやすいものが多く、部屋干し用の洗剤のほうがニオイの点では効果的です。

飽和水蒸気量との絶対湿度差

こう書くと難しいですが、要は乾きにくいときにエアコンを使用するとよい、というだけのことです。

暖房でも冷房でも除湿でも、お好みのモードで問題ありません。エアコンで除湿する際のモードは、冷房 < 弱冷房除湿 < 再熱除湿の順で、温度を下げずに除湿量を増やすことができます。 エアコンを使っていれば外気より良い条件になるため、夜間などは外に干すよりもよく乾きます。 ちなみに暖房のタイプは水蒸気を出さない暖房なら何でもよいのですが、エネルギー消費効率を考えるとエアコン暖房が効率的です。 コンプレッサー式の除湿器は、温度を下げませんが、低温では除湿量が落ちるし、消費電力も音も大きいので、あまりお勧めできません。

空気循環の良さ

室内は風がないので、基本は 24 時間換気頼みです。

換気量は部屋の大きさに依存するので、広い部屋ほど有利です。部屋が狭いと、洗濯物から出る水蒸気によって部屋の湿度が上がり、乾きにくくなってしまいます(部屋間のエアパスファンも効果的)。

風のない室内では、サーキュレーターなどで強制的に空気を循環させるのも非常に効果的です。

また、エアコン冷房では、吹き出す風は熱交換器で除湿された空気であり、乾燥しているため、エアコンの風が洗濯物に当たるようにすることも効果的です。

わが家の失敗点:

以前住んでいたマンションでは、狭い脱衣所を閉め切り、除湿器で洗濯物を部屋干ししていました。除湿効果を上げるために空間を分けるという方法は問題ないのですが、問題は、新築でもその習慣で脱衣所を部屋干しゾーンに設定してしまったことです。

現在の住宅は空調により常に 20℃以上、湿度 40~60% くらいの環境にしているので、狭い部屋では空気循環が悪く、部屋干しに不利なだけです。

広い部屋で干せば除湿器を使わずに乾くのに、乾きにくい場所で干すことにしてしまったため、除湿器がないと乾きにくくなってしまいました。。

日当たりの良さ

部屋干しでも、窓から入ってくる日射熱には大きな影響力があります。

東面の窓からは低い太陽高度で深く日が差してくるため、朝に洗濯物を干す場合には年間を通して部屋干しの味方になります。

南面の窓からは、南中高度の低い冬の昼前後を中心に日が入ります。

わが家の窓は、遮熱タイプの Low-E ペアガラスを採用しています。
レースのカーテンを閉めると、日射熱が入る割合は 3 割程度しかないので、洗濯物の乾きへの効果はあまり期待していませんでした。

しかし実際に干してみると、南面の窓付近でも意外とよく乾きます。陽が出ていないと乾きが悪いのが実感できるので、そういうときはサーキュレーターを併用するようにしています。

部屋干しで乾きにくい時期と対策

基本的に、近年の高断熱住宅は部屋干しに向いています。

気温が低い暖房期(11月~4月頃)は、天気を問わず外の絶対湿度は低めです。そのため、室内を暖かくしている場合、ふつうに換気していれば室内は乾燥します。むしろ、乾燥しすぎのほうが問題になるくらいです。

参考 高断熱住宅で加湿器に頼らずに乾燥を防ぐ方法

は絶対湿度は高めですが、エアコンを使っている間は常に除湿されるため、洗濯物を乾かすうえでは問題ありません。

これらの時期は、天気が悪いときにサーキュレーターを使うくらいで十分です。

唯一の課題は、梅雨時です。気温はちょうどいいのに湿度が高く、日射が少ないというのは、かなり厄介です。
暖房は暑いし、冷房や弱冷房除湿では寒くなってしまいます。

  1. 乾燥機を利用する(コインランドリーも含む)
  2. 狭い部屋で局所的に除湿器または暖房乾燥機を利用する
  3. エアコンで再熱除湿する

わが家で行っているのはこの 3 つの方法ですが、どれも高コストです。

消費電力に対する除湿効果で考えると、3 番目の再熱除湿が最有力です。しかし、わが家のような全館空調の場合、家全体を再熱除湿することになり、なかなかの費用がかかってしまいます。

一番低コストな方法は、おそらく、ルームエアコン付きの広くない部屋を閉め切り、その部屋だけで室温に応じて暖房か除湿を行うことでしょう。
人がいない部屋なら、そこだけ室温が高すぎても問題ないし、除湿で寒くなっても問題ないので、電気代のかかる再熱除湿を行う必要もありません。

参考 除湿能力・コストの比較【エアコン、除湿器、熱交換換気、エコカラット、デシカ】

【まとめ】最強の部屋干しスペース!?

以上のことを踏まえ、部屋干しのことだけを考えた間取りを考案してみました。

ご笑覧ください。

点線はパーティションや引き戸などで、必要に応じて閉め切ることができる部屋を想定しています。

ポイントは以下のとおりです。

  • 東南面それぞれから日射が入る(南面は冬のみ)
  • エアコンの風が直接当たる
  • 晴れの日は開放して大空間になるので窓を閉めても空気が循環する
  • 乾きにくい日は仕切ってエアコンで乾かすことができる
  • 来客時に隠すこともできる

ここまでしなくてもいい気がしますが、悪くない気もします。
部分的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ちなみにわが家の部屋干しでは、川口技研のホスクリーンを使用しています。
付けたら付けっぱなしで外すことは意外と少ないですが、シンプル・丈夫で安全なので気に入っています。
物干し竿は専用のものがあり、断面が四角で回転しないのが良いところです。

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