お風呂場にカビを発生させないためには、早く完全に乾かすことが非常に重要です。そして、浴室を早く乾かすためには、ドアの位置が重要です。浴室のドアは開けるべきなのでしょうか、閉めるべきなのでしょうか。
ドアが開いていると居室内にも湿気が拡散してしまいますが、その分、早く乾きそうな気もします。反対にドアを閉める場合は、通気口から風呂場へと一方向に空気が流れそうですが、抵抗が大きいために気流が弱く、乾くのに時間がかかりそうな気もします。
結論から言うと、ドアを少しだけ開けておくのが良いそうです。通気口の面積をやや大きめにすることで空気が抵抗なく浴室側に引っ張られ、一方向の適度な気流が発生するのでしょう。
とはいえ、完全に閉めておくべきという意見もあり、気になったので簡単な検証実験を行ってみました。
※ここで想定しているのは、一般的な、排気用換気扇のみを使用する浴室です。浴室暖房乾燥機を利用する場合は不明です。
実験方法
完全に乾いた状態のリクシルのユニットバスで、バスタブ内のベンチ部分にコップ一杯の水をかけ、3 時間後に乾き具合を確認してみました。厳密には脱衣所の湿度(約 50% でした)などの影響を受けますが、こだわると大変なのであくまで簡易的な実験です。ちなみに脱衣所では洗濯物を部屋干しし、除湿器も使用しています。
実験結果
方法 1:ドアを閉めて換気扇「強」
わが家のユニットバスのドアにはスリット(通気口)がなく、パッキンがあるため、ドアを閉めると密閉されてしまいそうです。しかし、気流はドアのヒンジ側の面で生じる仕組みになっているようで、試しにティッシュを当ててみたところ、吸引力でティッシュがくっついて落ちませんでした(換気扇を「弱」にすると落ちます)。
3 時間後に確認したところ、一部に中規模の水たまりが残っていました。思ったよりは乾いていましたが、完全に乾くにはまだ少し時間がかかりそうです。
方法 2:ドアを全開にして換気扇「強」
3 時間後に確認したところ、一部に中規模の水たまりが残っていました。完全に乾くにはまだ少し時間がかかりそうです。
これは昔、わが家でやってしまっていた方法ですが、湿気の流れからしても乾燥速度からしても賢明な方法ではなさそうです。
方法 3:ドアを 10cm 弱開けて換気扇「強」
まだ一部に小規模な水たまりが残っていたものの、ほぼ乾いていました。この方法は本当に効果的なようです。
方法 4:ドア全開で換気扇を止めてサーキュレーター
「浴室の換気扇を止めたほうが省エネ・快適になる理由」で紹介した方法で、現在わが家で行っている方法です。
サーキュレーターは脱衣所の床に置き、風呂場に向かって水平方向に風を送るようにしました。このためバスタブには直接風が当たりませんが、強い気流が発生するせいか、水滴も残らず完全に乾いていました。
浴室に残っている水分をすべて室内側に送ることになるので夏場は特に賛否が分かれる方法ですが、浴室を早く乾かすという目的のためには最良の方法だと思われます。ただし、脱衣所の換気が悪く湿気が溜まりやすい場合などには注意が必要でしょう(わが家では脱衣所に空調の吹出口があります)。全熱交換型の熱交換換気を採用している場合や、冬場の過乾燥を防ぐためには有効だと考えています。
追加記事 浴室乾燥機なしでカビが生えなくなった浴室の乾かし方
最後に
わが家で実験した結果は上記のようになりましたが、ドアにしっかりとスリットが入っている場合などは、開ける幅を小さくしたり、完全に閉めたりしたほうが乾きがよくなるかもしれません。いろいろと試してみることをお勧めします。
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